年収が低くても富を築ける理由──『富の階段』が教える資産形成の新常識

年収700万円、都内のマンションローンを抱え、子どもの教育費に不安を感じている。毎月の給料は入ってくるけれど、将来の資産形成に本当につながっているのだろうか。そんな悩みを抱えているなら、ニック・マジューリ氏の『富の階段 THE WEALTH LADDER』が新しい視点を与えてくれます。本書が示す最も重要なメッセージは「年収が低くても、正しい戦略を選べば富は築ける」ということです。

Amazon.co.jp: THE WEALTH LADDER 富の階段: ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略 eBook : ニック・マジューリ, 児島 修: Kindleストア
Amazon.co.jp: THE WEALTH LADDER 富の階段: ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略 eBook : ニック・マジューリ, 児島 修: Kindleストア

年収ではなく「自分への投資」が富の第一歩

多くの人は「お金持ちになるには高収入が必要だ」と考えています。しかし、マジューリ氏が50年以上・数万世帯の金融データを分析して導き出した結論は違います。資産150万円以下のレベル1では、株式投資よりも自己投資が圧倒的に高いリターンを生むのです。

なぜでしょうか。理由はシンプルです。年間5万円を株式に投資して年7%のリターンを得ても、利益はわずか3,500円にしかなりません。一方、その5万円でビジネススキルや資格取得に投資すれば、年収を数十万円上げることも可能です。つまり、資産が少ない段階では、お金を金融商品に回すより、自分の稼ぐ力を高める方が効率的なのです。

IT企業で中間管理職として働くあなたにとって、これは朗報ではないでしょうか。プレゼンテーションスキルを磨く講座、マネジメント研修、あるいはプログラミングやデータ分析の学習。これらは単なる自己啓発ではなく、将来の収入を増やすための立派な投資なのです。

レベル1の生存戦略──まず出血を止める

本書では、資産を6つの階層に分けて解説しています。その最初の階層、レベル1は資産1万ドル未満です。このレベルでは「生存戦略」が最優先になります。

具体的には何をすべきでしょうか。高金利の借金を返済し、固定費を削減し、生活基盤を安定させることです。クレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借り入れは、年利15%を超えることも珍しくありません。こうした悪い借金があるなら、投資よりも先に返済すべきです。

著者のマジューリ氏自身も20代の頃はこのレベルにいて、最初に取り組んだのがリボ払いの借金返済だったといいます。投資以前に、出血を止めなければならないのです

固定費の見直しも重要です。スマートフォンの料金プラン、保険、サブスクリプションサービス。毎月自動的に引き落とされている支出を一つずつ確認し、本当に必要なものだけを残す。これだけで月数万円の余裕が生まれることもあります。

教育とスキルアップがレベル2の主戦場

資産150万円から1500万円のレベル2に入ると、少し景色が変わります。貯金ができ、精神的にも余裕が出てきます。しかし、ここでの主戦場は積立NISAでも不動産でもありません。自分への投資です

なぜなら、このレベルではまだ株式投資をしっかり行うレベルではないからです。それよりも自己投資で収益を伸ばす方が収益率は高くなります。

例えば、部下とのコミュニケーションに悩んでいるなら、リーダーシップ研修に参加する。プレゼンテーションが苦手なら、専門のトレーニングを受ける。これらのスキルは一度身につければ生涯使えますし、昇進や転職で収入アップにもつながります。

実際、本書では「資産規模が小さい段階では、株式投資に回すよりも自己投資でスキルや資格を向上させる方が高い期待リターンが得られる」と繰り返し述べています。これは前著『JUST KEEP BUYING』とは異なる視点であり、本書の独自性でもあります。

投資の本格化はレベル3から

それでは、いつから本格的に投資を始めるべきでしょうか。答えはレベル3、資産1500万円から1億5000万円の段階です。このレベルになると、お金がお金を稼ぐ仕組みを構築する段階に入ります。

もちろん、レベル3になるまで投資を始めるのを待つ必要はありません。無理なく始められるようになったら、できるだけ早く投資することを本書は勧めています。なぜなら、複利の効果により最初の10年間の投資成果が生涯資産の半分以上を決めるからです。

重要なのは、自分の資産階層を理解し、その階層に適した戦略を取ることです。レベル1やレベル2で無理に投資を優先するのではなく、まず生活基盤を固め、稼ぐ力を高める。そして余裕ができた段階で投資を本格化させる。この順序を守ることが、遠回りのようで実は最速の道なのです。

三流、二流、一流の違い

本書では、資産形成における人々の行動を三つに分類しています。

三流は「収入を増やそうともっと働く」と考えます。二流は「支出を減らそうと節約に励む」と考えます。そして一流は「戦略そのものを変える」のです。

一流は、資産形成には段階があることを理解しています。資産が少ない時期に株式投資で資産を増やそうとするのは非効率的だと知っています。だからこそ、まず高金利の借金を返済し、次に自分のスキルを高めて収入を増やし、そこで得た余裕資金を投資に回すという戦略を取ります。

あなたは今、どの段階にいるでしょうか。もし三流や二流の発想に囚われているなら、本書が提示する「富の階段」という考え方が、新しい道を開いてくれるかもしれません。

収入源を複数持つ視点

資産がさらに増えてレベル4以降になると、給与所得だけに頼らない戦略が必要になります。資産1億円以上を持つ人の多くは、給与所得だけでそのレベルに到達したわけではありません。投資で資産を増やし、事業を立ち上げ、人を雇って仕組みをつくっています。

これは遠い世界の話に聞こえるかもしれません。しかし、レベル1やレベル2の段階から、こうした将来像を意識しておくことは重要です。なぜなら、自分への投資とは、単に今の会社で昇進するためだけのものではないからです。将来的に副業を始めたり、起業したりする際の基盤にもなるのです。

時間を味方につける複利の力

「早く始めるほど有利になる」──これは投資の世界では常識ですが、本書では複利の原理を徹底して説きます。

例えば、25歳から毎月3万円を年7%で運用すると、65歳時点で約7,300万円になります。一方、35歳から同じ条件で始めると約3,500万円にしかなりません。たった10年の差が2倍以上の違いを生むのです。

だからこそ、レベル1やレベル2であっても、少額からでも投資を始めることには意味があります。ただし、その前提として生活基盤が安定していること、高金利の借金がないことが条件です。無理な投資は禁物ですが、無理なく始められるようになったら、できるだけ早く投資するべきなのです。

自己投資こそ最高のリターン

本書が一貫して強調するのは、資産が少ない段階での自己投資の重要性です。これは単なる精神論ではなく、データに基づいた合理的な判断です。

社会人初期はキャリアを築き昇給を狙うことが重要であり、余裕資金ができ次第、投資や副業など多様な収入源へ段階的にシフトする計画を本書は勧めています。

IT業界で働くあなたなら、新しいプログラミング言語を学ぶ、プロジェクトマネジメントの資格を取る、ビジネス英語を強化するなど、様々な選択肢があるはずです。これらはすべて、将来の収入アップにつながる投資なのです。

戦略を段階的に変える勇気

「もっと働く」「もっと節約する」といった従来のフレームワークに従って経済的に豊かになろうとすると、ほとんど成果が出ないまま空回りしてしまう可能性があります。

本書の真価は、こうした間違ったフレームワークから抜け出し、自分の資産階層に応じた最適な戦略を選べるようになることです。そして、資産が増えるにつれて戦略を段階的に変えていく柔軟性を持つことです。

年収が低くても、正しい戦略を選べば富は築けます。その第一歩は、自分への投資です。今日からできる小さな一歩を踏み出してみませんか。

Amazon.co.jp: THE WEALTH LADDER 富の階段: ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略 eBook : ニック・マジューリ, 児島 修: Kindleストア
Amazon.co.jp: THE WEALTH LADDER 富の階段: ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略 eBook : ニック・マジューリ, 児島 修: Kindleストア

NR書評猫1114 ニック・マジューリ THE WEALTH LADDER 富の階段

注意

・Amazonのアソシエイトとして、双子のドラ猫は適格販売により収入を得ています。
・この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的・法律的なアドバイス等の専門情報を含みません。何らかの懸念がある場合は、必ず医師、弁護士等の専門家に相談してください。
・記事の内容は最新の情報に基づいていますが、専門的な知見は常に更新されているため、最新の情報を確認することをお勧めします。
・記事内に個人名が含まれる場合、基本的に、その個人名は仮の名前であり実名ではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました