最近のSNSでは難しい言葉を使うと表示回数(インプレッション)が減少するという現象が起きています。このジレンマを解決しながら、語彙力を豊かにしていく方法を探っていきましょう。
SNSにおける「言葉の選び方」の重要性
SNSでコミュニケーションを取る際、使う言葉の難易度はとても重要です。インプレッション(IMP)とは「Webのコンテンツ、広告、SNSの投稿などが表示された回数」を指します。この数値が高ければ高いほど、多くの人に見られていることを示しており、SNS運用やマーケティングにおいて重要な指標となっています。
特にInstagramなどでは、インプレッション数を分析することで投稿の認知度を把握することが可能で、どのような投稿が関心を持ってもらいやすいのかの参考になります。つまり、より多くの人に見てもらうためには、インプレッション数を増やす工夫が必要なのです。
ところが現実には、難しい言葉や表現を使うと、インプレッション数が減少してしまう傾向があります。「鼎立」や「天網恢恢疎にして漏らさず」といった表現は、理解できる人が限られているため、アルゴリズム上でも表示されにくくなっているのかもしれません。
SNSの特性と言葉の簡略化
SNSの文体には独特の特徴があります。研究によると、TwitterなどのSNSでは和語の比率が非常に高く、漢語の比率が低いという特徴があります。また、英語のSNSメッセージでも「平易な単語を使って、短い表現にしておいた方がよい」とされています。
SNS上では相手の顔が見えず声も聞こえないため、自分の真意が伝わりにくいという特性があります。同じ言葉でも人によって受け取り方が違うため、誤解を与えないよう絵文字や「!」「?」マークを使用したり、ポジティブな言葉を選んだりすることが推奨されています。
こうした背景から、SNSでは難しい言葉より誰にでも通じる簡単な表現が好まれる傾向にあります。LINEやTwitterなどのSNSによるコミュニケーションが活発になった結果、特に若い世代の間では「りょ(了解)」「わず(〜した)」「イミフ(意味不明)」「とりま(とりあえずまあ)」といった簡略化された言葉が増えています。
語彙力低下の懸念と思考力への影響
便利なSNS上のコミュニケーションですが、その一方で語彙力の低下を懸念する声も高まっています。SNSやインターネットの多用と読書離れは、特に子どもたちの語彙力や表現力の低下に大きな影響を与えているとされています。
語彙力は単に難しい言葉を知っているということではなく、微妙な感情や状況の違いを表現できる力です。「悲しい」と「切ない」、「焦り」と「苛立ち」のように、似ているようで異なるニュアンスを理解し使い分けられることが重要です。
語彙力が豊かであれば、複雑な現実をそのまま理解し表現できますが、語彙が乏しければ見える世界も単純化されてしまいます。つまり、語彙力の低下は思考の幅を狭め、深さを失わせる恐れがあるのです。
東大生に見る「言い換え力」の重要性
興味深いことに、東京大学の学生には「言い換え力」が備わっていると言われています。これは難解な言葉を平易な表現に言い換える能力のことで、この能力があるかどうかが成績の伸びに大きく影響すると考えられています。
例えば「荘園 大きな寺院・神社、または貴族が、自分たちの財力で新しく開墾した、自分たちの土地のこと」という説明文を読んだとき、それを自分の言葉で言い換えられるかどうかが理解度を測る指標になります。これは単に難しい言葉を知っているということではなく、その意味を正確に把握し、別の角度から捉え直す能力と言えるでしょう。
SNSで使う言葉を平易にすることと、難しい概念を理解して言い換える能力は、実は表裏一体の関係にあります。自分の考えをどんな相手にも伝わりやすい表現で伝えられることは、実はとても高度な能力なのです。
SNSとの付き合い方と語彙力を高める方法
SNS時代において語彙力を維持・向上させるためには、意識的な取り組みが必要です。まず大切なのは、読書の習慣を取り戻すことです。読書によって多様な表現や言葉に触れることで、自然と語彙が増えていきます。
また、SNSを使う際も工夫次第で語彙力向上につなげることができます。例えば、SNS上での語彙学習は偶発的学習の効果があると研究されています。普段から少し背伸びをした表現に触れる機会を意識的に作り、分からない言葉はすぐに調べる習慣をつけることも有効です。
語彙は受け身では育ちません。読んで、調べて、考えて、そして少しずつ自分のものにしていく。そうしてはじめて思考のレベルも深まり、広がっていくのです。SNSで発信する際は読者に配慮した平易な表現を心がけながらも、自分自身の語彙力を高める努力は怠らないようにしましょう。
まとめ:バランスのとれたコミュニケーション力を目指して
現代のデジタル社会では、SNSでの効果的なコミュニケーションと豊かな語彙力の両方が求められています。SNSでは確かに平易な言葉で伝えることが重要ですが、それは単純化や語彙の削減を意味するわけではありません。
むしろ、複雑な考えや微妙なニュアンスを、相手に合わせて適切な言葉で伝えられることこそが、真のコミュニケーション能力と言えるでしょう。インプレッション数を意識しつつも、自分の思考の器を豊かにするために、積極的に新しい言葉や表現に触れていきましょう。
バランスのとれた語彙力と表現力を身につければ、SNSでの発信力も高まり、より多くの人に自分の考えを届けることができるようになるはずです。
参考サイト
Active note「インプレッション(IMP)とは?初心者向け!カンタンにわかる解説」https://www.active-note.jp/qa/imp/
キミニ英会話「【SNS】英語のメッセージを送るときに注意すべきポイント」https://kimini.online/blog/archives/3880
個別指導塾KLC「語彙力や表現力の低下とSNSの影響!子供たちの表現力が大ピンチ⁈」https://klc-seminar.com/blog/okayama/20320/

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