努力が実らない理由:方向性とポテンシャルの見極め術


一生懸命取り組んでいるのに成果が出ない状況は、ビジネスにおいて誰もが経験する壁です。ただ頑張るだけでは儲からない現実に、その原因と解決策を探っていきましょう。多くの場合、問題は努力量ではなく、その方向性にあります。

努力の方向性が成功と失敗を分ける根本理由

努力することは美徳とされる日本社会ですが、方向性を誤った努力は実を結びません。note上のある記事では「成果が出ないときに『頑張り続け』ても、そもそも努力の方向を間違えていたら、成功ルートに乗ることができない」と指摘しています。この状況は「富士山を目指して歩いているのに地図を持っていないから九州のほうに行ってしまう」というたとえで説明されています。

しかし、方向性だけでなく努力量も重要です。同じ記事では「努力の注入量が足りないと、方向も何もなくシンプルに前に進まない」とも述べられています。つまり、方向性と量の両方が適切であることが成功への条件なのです。

成功者の行動パターンを観察すると、その努力量は圧倒的であることがわかります。「毎日noteを書いてブログを書いて、日々の仕事をしながらインプットをして企画をリリースしてなんなら別の事業をいくつもして…側から見ると"狂人"としか目に映らない成功者もいます」。これは量だけでなく、正しい方向への集中的な努力を示しています。

ビジネスのポテンシャルを見極める具体的手法

新規事業の厳しい現実

日本企業における新規事業の成功率は驚くほど低く、ある調査によれば「新規事業の成功率は実に7%程度にとどまる」という結果が出ています。つまり、93%の新規事業は失敗に終わっているのです。この数字は、ポテンシャルの低い事業に執着することの危険性を如実に物語っています。

MVPによる早期検証の重要性

ポテンシャルの低い事業を見極めるためには、MVP(Minimum Viable Product:実行可能な最低限のプロダクト)を用いた検証が効果的です。MVPは「提供したいと考えている価値を提供するための必要最低限の機能を有したプロダクト」と定義され、これによって少ない投資でビジネスの可能性を試すことができます。

MVP検証の目的は「プロダクト開発の初期段階において、ユーザーから学びを得ること、それをプロダクトに活かすこと(場合によっては計画中止の判断をすること)」つまり「プロダクトのGo / No-Go」を判断することにあります。

MVP検証のプロセスは以下のようになります:

  1. 提供する価値を突き詰め、本質だけを残す
  2. 不要な要素を削ぎ落としたMVPを開発する
  3. 実際のユーザーに使ってもらいフィードバックを得る
  4. フィードバックをもとにGo/No-Goを判断する

このプロセスを通じて、早期に事業のポテンシャルを見極めることができるのです。

自分と事業を俯瞰する視点の重要性

当事者バイアスからの脱却

ビジネスの当事者になると、自分の努力の方向性が間違っていることに気づきにくくなります。「起業することが目的となっている」場合、「目的を達成した結果、事業の方向性を見失ってしまい、利益を出すモチベーションもなくなり失敗に終わる」ことがあります。このような当事者バイアスを克服するには、定期的に自分と事業を俯瞰して見る習慣が重要です。

ピボットの判断力を養う

方向性を間違えていると気づいたら、「ピボット(大幅な軌道修正)」を検討すべきです。ピボットとは「回転の軸」という意味で、事業の大幅な軌道修正を指します。

ピボットを判断するポイントとしては、以下のような状況が挙げられます:

  • いくらスプリントを回しても、ユーザー定着率が伸びない
  • ユーザー定着率は伸びているが、今の成長ペースでは市場で支配的なポジションを獲得できない
  • 受けている投資の5~10倍の利益を出せる見通しが立たない

ピボットには様々な規模があり、最適な規模のピボットを行うことが重要です。例えば「想定している顧客層に問題があるのに、ひたすら解決策を作り直すピボットをしていてもうまくいくはずはありません」。

潜在力を解き放つアプローチ

方向性を修正するだけでなく、自分や組織の潜在力を最大限に引き出すことも重要です。潜在力とは「人の表面に表れていない能力や成長する力のこと」であり、「物事を変革する原動力となるもの」です。

潜在力を引き出すためには、以下の三つの視点が重要だとされています:

  1. 潜在力を壊す業務の削減
  2. 潜在力の伸ばし方
  3. 潜在力を引き出す人事

特に「潜在力を壊す業務」として、「決められたルールに従う業務や、単純で繰り返しするような業務であるオペレーション業務」が挙げられています。これらの業務を減らすことで、真に価値を生み出す方向に努力を集中させることができます。

成功につながる方向性を見極めるためのフレームワーク

リーンキャンバスの活用

方向性を見直す際に役立つツールとして、リーンキャンバスがあります。これは「ビジネスモデルを一枚の図にまとめたフレームワーク」で、「アイディアに対してビジネス視点からも検討できるようユーザーとビジネスのバランスを考える」ことができます。

リーンキャンバスを使うことで、ビジネスの価値構造が可視化され、「アイディアに問題があったらすぐに無駄を省いて軌道修正できる」というメリットがあります。

SWOT分析とPEST分析の併用

方向性を戦略的に検討するには、SWOT分析とPEST分析を組み合わせることが効果的です。

SWOT分析は「強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)を軸にして、事業や施策を分析する手法」です。一方、PEST分析は「現在あるいは将来的にどのような影響を及ぼすかを把握・予測するために、外部環境をマクロな視点から分析するフレームワーク」です。

これらを組み合わせることで、自社の内部環境と外部環境の両方を俯瞰的に分析し、より適切な方向性を見出すことができます。

正しい方向での努力を継続するためのヒント

小さくスタートして検証を重ねる

起業を成功させるためには、「スモールスタートを心がける」ことが重要です。大きな投資をする前に、小規模なテストを繰り返し、ビジネスモデルの有効性を確認していくアプローチです。

自己資金の確保と計画的な運営

「自己資金を十分に確保する」ことも重要な要素です。「最初に用意する運転資金は、半年から1年分ほど」が一般的とされています。資金不足で事業を中断せざるを得ない状況を避けるためにも、十分な準備が必要です。

事業計画の継続的な見直し

「事業計画の見直しができない」ことは失敗の原因となります。当初の計画通りに進まないことは珍しくないため、状況に応じて柔軟に計画を修正する姿勢が重要です。

結論:自己俯瞰と方向修正の勇気

努力は美徳ですが、その方向性が適切でなければ実を結びません。自分を時々俯瞰して見ることで、努力の方向性を客観的に評価し、必要に応じて修正する勇気を持つことが重要です。

正しい努力の方向性を見極めるフローは以下のようにまとめられます:

  • 自分を知る
  • 仕事を選ぶ基準を明確にする
  • 成果が出るまで待つ(一定期間)
  • 進む方向性は修正してもよい

「最短で目標に到達するには、自分の能力を見極めて正しい方向性で努力する必要があります」。これは個人のキャリアにも、事業経営にも当てはまる普遍的な真理です。

最終的には、儲からない事業に固執するよりも、早期に方向転換する勇気を持つことが、長期的な成功につながるのです。「自分の弱みを相手に見せてしまっている」状態から脱し、強みを活かせる方向へと舵を切りましょう。


参考サイト

  1. 中小企業庁「新事業展開の成否の実態」
    2 新事業展開の成否の実態
  2. モンスターラボ「リーンキャンバス活用術」
    リーンキャンバス(Lean Canvas)を活用した企画書の書き方【テンプレート付】 - 株式会社モンスターラボ
    リーンキャンバス(Lean Canvas)は、スタートアップ向けのフレームワーク。ビジネスモデルを9つの要素に分けて考えるのが特徴で、A4用紙1枚にビジネスの概要をまとめることができる利便性から注目を集めています。本記事では、そんなリーンキ...
  3. 新規事業コンサルティング「成功率10%の理由」
    新規事業が失敗しがちな理由と成功のカギとは?
    新規事業の成功率は10%と言われている理由は何なのか。失敗を回避するためにはどうすればいいのか。よくある新規事業の失敗理由と成功率アップのポイントをご紹介。

注意

・Amazonのアソシエイトとして、双子のドラ猫は適格販売により収入を得ています。
・この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的・法律的なアドバイス等の専門情報を含みません。何らかの懸念がある場合は、必ず医師、弁護士等の専門家に相談してください。
・記事の内容は最新の情報に基づいていますが、専門的な知見は常に更新されているため、最新の情報を確認することをお勧めします。
・記事内に個人名が含まれる場合、基本的に、その個人名は仮の名前であり実名ではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました