ゴールデンウィークの高速道路は大渋滞の季節です。実は渋滞の多くは「サグ」と呼ばれる道路構造が原因で発生しています。今回は渋滞の仕組みを理解し、実践できるカンタンな回避テクニックをご紹介します。
渋滞の本当の原因は「サグ」にあった!
高速道路の渋滞には大きく分けて3つの原因があります。最も多いのが「交通集中渋滞」で、全体の約7割を占めています。これは通行許容量を超える交通が集中することで自然発生する渋滞です。多くの車が同時に高速道路を利用する連休中は、特にこのタイプの渋滞が頻発します。
残りの原因は「工事渋滞」と「事故渋滞」です。どちらも車線を制限する必要が生じることで全体の走行速度が低下し、渋滞が発生します。
驚くべきことに、最も多い交通集中渋滞の約6割が「サグ」または上り坂で発生しているのです。サグとは下り坂から上り坂へと差し掛かる箇所のことを指します。ドライバーが下り坂でアクセルを緩め、上り坂になってもそのままアクセルを踏み増さないことで無意識に速度が低下します。この速度低下が後続車に連鎖し、最終的に渋滞を引き起こすのです。
このような現象は「ブレーキの波」とも呼ばれ、トンネルの入口付近やインターチェンジの合流部分でも同様に発生します。2025年のゴールデンウィークでは、5月3日に東北道や関越道、中央道などで最大40kmを超える激しい渋滞が予測されています。
「ファスナー合流」で渋滞を緩和しよう
高速道路の合流地点では「ファスナー合流」が効果的です。これは本線上の車と合流したい車列が1台ずつ交互に合流する方法で、衣服のファスナーのように規則正しく合流することから名付けられました。
実はこの合流方法、「加速車線の先頭まで行って合流するのはズルい」と思われがちですが、むしろ渋滞緩和に大きな効果があることが立証されています。NEXCO中日本が2019年に名神高速道路の一宮JCTで行った検証では、交通量が横ばいだったにもかかわらず、渋滞による損失時間が約3割も減少したという結果が出ています。
ファスナー合流の様子を撮影した動画は海外でも注目され、「日本人はとても思いやりがある」「こうあるべき」「一番効率的」と称賛のコメントが寄せられています。渋滞を抑制するために、NEXCO各社はこの合流方法の周知を呼びかけています。
「ACC」を活用して渋滞対策と疲労軽減を同時に実現
近年、多くの車に搭載されている「ACC」(追従型クルーズコントロール)は渋滞対策に非常に効果的です。ACCは上限速度を設定すると、前方に車がいなければ設定速度を維持し、前方に車を検知すると一定の車間距離を保ちながら走行する機能です。
最新のACCは0km/hまで対応するものも多く、渋滞時のストップ&ゴーもサポートしてくれます。JAFの研究によると、渋滞時にACCを使用し、車間距離を短めに設定(Sモード)することで、車間が長くなりすぎるのを防止し、スムーズな追従が可能になります。
また、ACCを使用して走行車線(左側の車線)を走り続けることで、追い越し車線への車線変更を減らし、車線利用率を平準化できます。これにより渋滞緩和につながるとされています。
「ペースメーカーライト」で一定速度を維持
高速道路のサグ部分やトンネルでは、「ペースメーカーライト(PML)」が設置されているところがあります。これは道路に沿って進行方向にライトが点滅し、ドライバーの速度維持をサポートする装置です。
NEXCO各社はこのようなライトの設置や渋滞ポイントを示す標識の設置などで、ドライバーに意図的な速度回復を促す対策を実施しています。特に2018年に開通した新名神「神戸~高槻」間では日本初のトンネル照明型LEDペースメーカーライトが導入されました。
これらの装置を見かけたら、メーターで自分の速度をこまめに確認し、一定の速度を維持するよう心がけましょう。「ピッタリ速度ゲーム」として制限速度通りに走るよう挑戦するのも、速度維持の意識付けになります。
渋滞予測情報を活用した計画的なドライブを
渋滞を根本的に回避するには、混雑が予想される時間帯や場所を避けるのが最も効果的です。NEXCO東日本が提供する「ドラぷら」サイトなどで、お出かけ前に渋滞予測を確認すれば、混雑が見込まれる日時を避けることができます。
渋滞の予測時間は以下のようなパターンがあります:
- 平日の朝:都市部に向かう道路
- 平日の夕方:都市部から郊外へ向かう道路
- 土曜の午前:都市部から地方部への道路
- 日曜の午後:地方部から都市部への道路
2025年のゴールデンウィークでは、5月3日の下り線がピークとなり、東北道の羽生PA付近では最大40km、中央道の相模湖IC付近では最大45kmの渋滞が予測されています。このような情報を活用して、少しでも出発時間をずらしたり、迂回ルートを検討したりすることで、渋滞に巻き込まれる時間を減らすことができます。
まとめ:渋滞回避は「知識」と「意識」が鍵
高速道路の渋滞は完全に避けることは難しいですが、その仕組みを理解し、適切な対策を取ることで影響を最小限に抑えることができます。速度維持の意識、ACCの活用、ファスナー合流の実践など、一人ひとりの小さな心がけが全体の渋滞緩和につながります。
今後のドライブでは、サグ部分での無意識の速度低下に注意し、メーターを確認しながら一定速度を維持する習慣をつけましょう。また事前の渋滞予測情報チェックも忘れずに。少しの工夫で、ドライブがグッと快適になるはずです。
連休中のドライブは混雑も予想されますが、これらのテクニックを活用して、ストレスの少ない楽しいカーライフをお過ごしください。
参考情報
くるまのニュース https://kuruma-news.jp/post/899423
トラフィックニュース https://trafficnews.jp/post/544670
NEXCO東日本 https://www.e-nexco.co.jp/activity/safety/detail_07.html

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