ドローンと360度カメラの融合:最新技術と活用方法2025

技術


空撮技術とVR映像の融合により、従来では表現できなかった視点からの映像撮影が可能になっています。ドローンに360度カメラを搭載することで、上空からのパノラマ映像やドローン自体が映り込まない没入感のある全天球映像を撮影できるようになりました。この記事では、2025年現在のドローン搭載型360度カメラの最新情報や撮影テクニック、活用事例について詳しく解説します。

ドローンと360度カメラの組み合わせとは

ドローンと360度カメラを組み合わせる方法は主に2つあります。1つ目は既存のドローンに360度カメラを取り付ける方法、2つ目は最初から360度カメラが組み込まれた専用ドローンを使用する方法です。

従来の手法では、ドローンの上下に2つのレンズを装着して撮影します。上のレンズと下のレンズで撮影した映像をスティッチング(繋ぎ合わせる作業)することで、ドローン本体が映り込まない360度の全天球映像を生成できます。

例えば、DJIのMavic ProにInsta360のアクションカメラを搭載する組み合わせが一般的です。「Insta360 ONE R ドローン版」として販売されているアクセサリーキットを使えば、独自のマウントでドローンをカメラで挟み込み、上下のカメラの映像をつなぎ合わせることでドローンを消し去った映像を作れます。

「ドローンが見えない360度VR映像を撮る方法」として話題になっており、通常では得られない視点からの映像表現が可能になっています。

主要な360度カメラとドローン対応製品

Insta360シリーズ – ドローン撮影の定番

Insta360シリーズは、ドローン搭載用の360度カメラとして広く使われています。特に「Insta360 ONE R」はモジュール交換式カメラで、用途に応じてカメラユニットを変更できるのが特徴です。

2025年現在、最新モデルとなる「Insta360 X4」は8K/30fpsでの360度動画撮影に対応しており、高精細で没入感のある映像を実現します。HDR動画モードでは、映像の細部までしっかりと引き出すことが可能で、シャドウ部分やハイライト部分の細部も鮮明に映し出せます。

また、「見えない自撮り棒」機能を活用することで、ドローンや三人称視点で撮影したような映像表現も可能です。

DJIの360度カメラ参入

ドローン市場で圧倒的なシェアを持つDJIも、2024年に360度カメラ市場への参入を発表しました。「DJI Osmo 360」として開発が進められており、2025年春から夏にかけての発売が予想されています。

現在公開されている情報によると、サイズは高さ82.71mm、横幅61mmの小型筐体に360度撮影用のレンズとディスプレイが搭載される予定です。詳細なスペックはまだ明らかになっていませんが、Insta360を脅かす存在になるかが注目されています。

ドローン搭載型360度カメラの撮影テクニック

撮影時の注意点

ドローンに360度カメラを搭載する際には、いくつかの重要な注意点があります。

  1. GPSとビジョンセンサーの制約: カメラをドローンに取り付けると、GPSセンサーが遮られてしまい、GPS信号を捕捉できなくなることがあります。そのため、ATTIモード(高度のみを維持し、位置維持機能は働かないモード)での操縦が必要になります。
  2. 離着陸の課題: 底面のカメラレンズがドローンのランディングスキットより低い位置にあるため、直接地面に着陸させるとレンズを傷つける恐れがあります。柔らかい布や専用の離着陸台を使用する必要があります。
  3. 重量と飛行特性: カメラの重さにより、ドローンの飛行特性が変わります。例えば、BetaFPV X-Knight 360はカメラを含めた全重量が401gとなり、200g以上となるため航空法適用外機にはなりません。

撮影後の編集テクニック

撮影した360度映像は、専用の編集ソフトウェアで処理する必要があります。Insta360 Studioなどの無料ソフトウェアを使用して、以下の作業を行います:

  1. スティッチング: 上下2つのレンズで撮影した映像を自動的に繋ぎ合わせ、シームレスな360度映像を生成します。
  2. リフレーミング: 360度映像から通常の16:9映像を切り出し、後からカメラワークをつける編集が可能です。
  3. 手ブレ補正: Insta360のFlowState技術などを活用し、ジンバルなしでも安定した映像に仕上げることができます。

専用の360度カメラドローン製品

BetaFPV X-Knight 360

Insta360とBetaFPVのコラボレーション製品として注目されるのが「X-Knight 360」です。このドローンはInsta360 ONE Rを取り付けるための専用設計となっており、カメラを含めた全重量が401gという軽量設計が特徴です。

ドローンのフレーム内にInsta360 ONE Rを組み込むことで、ドローンが映り込まない360度空撮映像を撮影できます。「見えないドローン」としても販売されており、Insta360 ONE Rを持っていない人向けのカメラセットと、すでにカメラを持っている人向けのドローンのみのセットが用意されています。

Door Robotics VISTA

Kickstarterで発表された「VISTA」は、8K360度カメラを内蔵した新しいドローンです。360度画像を自動的に作成できるだけでなく、複数のLiDARセンサーとカメラにより、周囲をマッピングして自律的に飛行することもできます。

2台のカメラ(あるいは2個のイメージセンサーと2個のレンズを備えた1台のカメラ)が搭載されており、ソニーIMX204センサーで40メガピクセルの解像度を実現。30fps、78Mbpsのビットレートで8K解像度の映像を記録できます。

水中用360度カメラドローン

陸上だけでなく、水中撮影にも対応した360度カメラドローンも存在します。「Boxfish ROV」は水深1,000mまで対応可能な水中ドローンで、4K UHDの高解像度映像を3-6時間撮影できます。

また「Boxfish 360」は水深300mまで対応可能な水中360度カメラで、5K (5040×2520)の映像撮影や12.1メガピクセルの静止画撮影が可能です。

活用事例と実践的メリット

観光プロモーション

360度カメラを搭載したドローンは、観光地のプロモーション映像制作に広く活用されています。兵庫県や新潟県小千谷市などの自治体では、四季折々の自然の美しさや観光地の魅力を空撮で360度発信しています。

雲海の美しさや一面に広がる紅葉といった景色を空から360度で撮影することで、訪れる前に観光地の魅力を体感できるコンテンツとなっています。

イベント・スポーツ施設の撮影

三陸花火大会や甲子園球場などのイベントや施設も、360度ドローン撮影の対象となっています。花火を中心から360度で楽しんだり、球場全体を俯瞰したりといった、通常では得られない視点からの体験を提供しています。

甲子園歴史館では、VRゴーグルを設置して360度ドローン映像を体験できるようにしており、より臨場感のある体験を提供しています。

建設現場の管理・記録

建設業界では、ドローンと360度カメラを組み合わせて現場のデジタル化と一元管理を実現しています。ドローンで撮影したデータから3Dマップや点群マップを自動生成したり、360度カメラの撮影画像を位置情報とともに保存して時系列管理したりすることが可能です。

これにより、現場への出張回数を削減しつつ、施工進捗管理や情報共有を効率化できます。

最新動向と今後の展望

DJIの参入による市場の活性化

2025年、360度カメラ市場においてInsta360が主導的な地位を築いていますが、ドローン大手のDJIが「DJI Osmo 360」で参入することで、市場競争が活性化すると予想されています。

DJIのハードウェア開発力とドローンとの連携性を活かした製品展開が期待されており、ユーザーにとっては選択肢の多様化とともに、製品性能の向上も期待できます。

高解像度化とAI機能の強化

2025年の360度アクションカメラは8K対応が一般的になりつつあり、Insta360 X4をはじめとする最新モデルでは、より高精細で没入感のある映像表現が可能になっています。

さらに、AI技術の進化により、撮影後の編集作業の自動化や映像の最適化が進んでいます。例えば、ドローンの自律飛行設定から3Dモデル生成、測量までを一元管理するシステムが開発されています。

まとめ

ドローンと360度カメラの組み合わせは、空撮映像の表現力を大きく広げる技術として注目されています。2025年現在、Insta360シリーズを中心に多様な製品が登場しており、DJIの参入も相まって市場は活性化しています。

撮影テクニックにはいくつかの注意点がありますが、観光プロモーションや建設現場管理、イベント記録など、様々な分野での活用が進んでいます。今後も技術の進化とともに、より簡単に高品質な360度空撮映像を撮影・編集できる環境が整っていくでしょう。

ドローン操縦技術と360度映像編集のスキルを併せ持つことで、これまでにない視点からの映像表現が可能になり、クリエイティブな可能性が広がっています。


参考情報

  1. Insta360 X4公式製品ページ: https://www.insta360.com/jp/product/insta360-x4
  2. BetaFPV X-Knight 360製品情報: https://www.getfpv.com/betafpv-x-knight-insta360-one-r-quadcopter-w-caddx-nebula-nano-digital-hd-system.html
  3. Door Robotics VISTA Kickstarter情報: https://www.prweb.com/releases/vista-drone-by-door-robotics-takes-flight-on-kickstarter-with-a-fully-integrated-360-degree-camera-859723439.html

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