日本の人工着色料(合成着色料)一覧と特徴

食品


日本で使用が認められている人工着色料(合成着色料)は、その鮮やかな色彩と安定性から食品、医薬品、化粧品など様々な製品に使用されています。これらは一般的に「タール色素」とも呼ばれており、現在は石油を原料とした化成品から製造されています。この記事では、日本で使用可能な人工着色料の種類や特徴、規制について詳しく解説します。

日本で認められている人工着色料の種類

現在、日本で食品に使用が認められている合成着色料(タール色素)は12種20品目あります。これらは厚生労働省によって安全性が確認され、使用が許可されたものです。

赤色系

  • 食用赤色2号(アマランス)
  • 食用赤色3号(エリスロシン)
  • 食用赤色40号(アルラレッドAC)
  • 食用赤色102号(ニューコクシン)
  • 食用赤色104号(フロキシン)
  • 食用赤色105号(ローズベンガル)
  • 食用赤色106号(アシッドレッド)

黄色系

  • 食用黄色4号(タートラジン)
  • 食用黄色5号(サンセットイエローFCF)

青色系

  • 食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)
  • 食用青色2号(インジゴカルミン)

緑色系

  • 食用緑色3号(ファストグリーンFCF)

アルミニウムレーキ

上記の色素に加えて、それらのアルミニウムレーキも認められています。アルミニウムレーキとは、元々水溶性であるタール色素をアルミニウム塩と混合して不溶化したもので、油溶性の加工食品に分散させて使用します。

  • 食用赤色2号アルミニウムレーキ
  • 食用赤色3号アルミニウムレーキ
  • 食用赤色40号アルミニウムレーキ
  • 食用黄色4号アルミニウムレーキ
  • 食用黄色5号アルミニウムレーキ
  • 食用緑色3号アルミニウムレーキ
  • 食用青色1号アルミニウムレーキ
  • 食用青色2号アルミニウムレーキ

人工着色料の特徴と用途

特徴

人工着色料は以下のような特徴を持っています:

  1. 優れた色延び:少量で効果的に着色できる
  2. 光や熱に対する安定性:加工や保存中に色が変化しにくい
  3. 鮮やかな色調:天然色素に比べて彩度が高い
  4. 均一性:製品ごとに一貫した色を実現できる

主な用途

人工着色料は以下のような食品や製品に使用されています:

  • 菓子類(キャンディ、チョコレートなど)
  • 飲料(ジュース、清涼飲料水)
  • 冷菓(かき氷のシロップ、アイスクリーム)
  • 加工食品
  • 医薬品
  • 化粧品

実際の食品では、単一の色素ではなく、望ましい色調を得るために複数の色素を組み合わせて使用することが一般的です。例えば、緑色は黄色と青色を混合することで作られます。

人工着色料の規制と安全性

検定制度

合成着色料は製造時に副生成物が発生する可能性があるため、厳格な検査制度が設けられています。

  • 原体:国立医薬品食品衛生研究所での検査
  • 製剤:厚生労働省の指定検査機関での検査

これらは製造ロットごとに純度や規格の検査が行われ、合格した製品には検査合格証のシールが貼付されます。

使用基準

人工着色料の使用には以下のような制限があります:

  • 食肉、鮮魚介類、野菜など、鮮度が着色によって判断しにくくなる生鮮食品への使用は禁止されています
  • 食品添加物公定書に規格が収載され、製造・使用・表示基準が定められています

タール色素以外の合成着色料

一般的なタール色素とは異なりますが、日本では以下のものも合成着色料(指定添加物)として扱われています:

  1. β?カロテン(合成):天然カロテンと物質的には同じですが、化学合成で得られるものは指定添加物となります
  2. 水溶性アナトー:アナトー色素をアルカリ下で加水分解して水溶化したもの
  3. 銅クロロフィリン(銅クロロフィリンナトリウム):クロロフィルの構造に含まれるマグネシウムを銅に置き換えたもの

合成着色料の表示方法

現在の日本の食品表示法では、使用した添加物を「物質名」で表示する必要があります。合成着色料の場合は以下のように表示されます:

  • 完全名称:「食用赤色2号」「食用青色1号」など
  • 略称:「赤2」「青1」など

複数の着色料を使用した場合は、「着色料(赤2、黄4、青1)」のように記載されます。

日本における合成着色料の使用傾向

日本では合成着色料に対する忌避感が強く、その使用量は減少傾向にあります。これには以下のような背景があります:

  1. 日本では伝統的に淡色系の色調が好まれる傾向がある
  2. 天然由来の素材が安全とみなされる消費者意識が強い
  3. 「無添加」「天然」を謳った商品への関心の高まり

一方、欧米諸国では科学的根拠に基づく安全性評価が重視され、鮮やかな色調が好まれることから合成着色料の受容度が比較的高いとされています。ただし、近年は欧米やアジア諸国でも天然色素への注目が高まっています。

まとめ

人工着色料(合成着色料)は、その鮮やかさと安定性から多くの製品で使用されています。日本では12種20品目の合成着色料が食品への使用を認められており、厳格な安全性評価と検査制度のもとで管理されています。

しかし、日本の消費者の間では天然由来の素材への志向が強く、合成着色料の使用は減少傾向にあります。今後も消費者の安全意識や嗜好の変化に応じて、着色料の使用や規制が進化していくことが予想されます。

参考情報

日農食品販売 | https://nichinokagaku.co.jp/color/715/
株式会社鹿光生物科学研究所 | https://www.rokkou-co.jp/wp/art-color/
大阪健康安全基盤研究所 | https://www.iph.osaka.jp/s017/070/2023/02/20230307120905.html

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