赤色3号(エリスロシン)は、多くの食品に使われている合成着色料ですが、最近アメリカで使用禁止になったというニュースが話題になっています。この記事では、赤色3号の基本情報から安全性の問題、各国の対応まで詳しく解説します。鮮やかな赤色の秘密から健康への影響まで、気になる情報をわかりやすくお伝えします。
赤色3号の基本情報とは?着色料の正体を解明
赤色3号は、化学名を「エリスロシン」と呼ぶ食用タール色素に分類される赤色の合成着色料です。石油などを原料に化学的に合成して作られます。食品添加物としてE番号の「E127」が与えられており、日本では指定添加物として認可されています。
赤色3号の分子式はC20H6I4Na2O5で、有機ヨウ素化合物の一種です。この化合物の特徴は、分子内にπ電子雲が広がっており、その吸光波長がヒトの可視光の領域に存在するため、鮮やかな赤色を生み出します。
赤色3号が広く使われている理由は以下の通りです:
- 加熱などに対して安定性が高い
- タンパク質となじみがよく、色が長持ちする
- 水に溶けやすい性質がある
- 発色が良く、見た目の魅力を高める
普段の生活では、以下のような食品や製品に使用されています:
- お菓子(グミ、ゼリー、焼菓子など)
- 漬物(特に赤色の漬物)
- かまぼこなどの水産加工品
- ジュースなどの飲料
- 医薬品や化粧品
食品表示では「着色料(赤3)」「赤色3号」などと表示されているため、気になる方は確認してみるとよいでしょう。
アメリカの使用禁止決定の背景と理由
2025年1月15日、アメリカの食品医薬品局(FDA)は赤色3号の食品への使用を禁止すると発表しました。この決定に至った理由と背景について見ていきましょう。
なぜ禁止されたのか?
FDAが赤色3号を禁止した主な理由は以下の2点です:
- ラットなどの動物実験で発がん性が確認された
- 子どもの行動障害との関連性が指摘されている
実は、FDAはすでに1990年に化粧品への使用を禁止していました。食品への使用については「審査中」として許可を継続していましたが、2021年に米西部カリフォルニア州当局の研究で子どもの行動障害との関連性が指摘され、消費者から食品への使用禁止を求める声が強まったことが背景にあります。
具体的なスケジュール
FDAは食品メーカーに対して、2027年1月までに赤色3号の使用中止や代替品への切り替えを求めています。これにより、米国の食品メーカーは対応を迫られることになりました。
また、カリフォルニア州やイリノイ州では2027年以降、独自に食品への使用を禁止する動きも広がり始めています。
日本の対応と安全性評価
アメリカで使用禁止になった赤色3号ですが、日本ではどのような対応がとられているのでしょうか?
日本政府の見解
日本では現在も食品衛生法に基づき、赤色3号を食品添加物として使用することが認められています。消費者庁は「通常の使用では安全上の懸念はなく、健康被害のデータもない」としています。
伊東良孝消費者担当相は2025年1月17日の閣議後の記者会見で、「日本では人の健康を損なう恐れのない添加物として指定され、使用が認められている」と安全性を強調しました。また、「米国の発表でも、人への危険性を示す科学的根拠は認められたわけではないとされている」と指摘しています。
今後の対応
消費者庁は今後、以下の対応を検討するとしています:
- アメリカの決定内容の精査
- アメリカ以外の諸外国の動向の確認
- 科学的な見地からの検討
赤色3号の安全性についての科学的議論
赤色3号の安全性については、様々な側面から議論されています。
懸念される点
赤色3号が懸念される理由として、以下の点が挙げられます:
- エリスロシンはタンパク質と結合しやすい特徴がある
- 摂取すると生体のタンパク質にも影響を与える可能性が考えられる
- 動物実験では高用量で発がん性が確認されている
安全性を支持する見解
一方で、以下のような安全性を支持する見解もあります:
- 通常の使用量では人体への影響は少ないとされている
- 日本では健康被害のデータはない
- 国際的な評価機関による調査では、通常の食生活において適量を摂取する限り、大きな健康リスクはないとされている
- FDAも「食品への使用が人間に危険を及ぼすという科学的な証拠の裏付けはない」と説明している
世界各国の規制状況と食品業界への影響
赤色3号の規制は国によって異なります。世界的な状況と食品業界への影響を見ていきましょう。
各国の規制状況
- アメリカ:2027年1月までに食品への使用を禁止
- 欧州連合(EU):一部の用途で使用が制限されている
- 日本:食品添加物として使用が認められている
食品業界の対応
赤色3号の使用禁止に伴い、食品業界では以下のような対応が見られます:
- 米国の食品メーカーは代替品への切り替えを検討
- 自主的に合成着色料の使用を減らす動き
- 天然着色料への切り替え
しかし、課題もあります。2010年代に米食品大手ゼネラル・ミルズが朝食シリアルを天然着色料に切り替えたところ、より鮮やかな色の食品を好む消費者から苦情が集中し、人工着色料の使用に戻した例もあります。
赤色3号の今後と私たちの選択
赤色3号をめぐる状況は今後も変化していく可能性があります。私たちは消費者としてどのように向き合えばよいのでしょうか。
知っておくべきポイント
- 赤色3号は現在、日本では安全性に問題がないとされている
- 食品表示を確認することで、赤色3号を含む食品を知ることができる
- 長期間にわたる過剰摂取については懸念される部分もある
- 国際的な評価は今後も変化する可能性がある
消費者としての選択肢
もし赤色3号について気になる場合は、以下のような対応が考えられます:
- 食品の成分表示を確認する習慣をつける
- 自然由来の着色料を使った商品を選ぶ
- 着色料全般の摂取量を気にする
- 国内外の最新情報に注目する
今後も赤色3号に関する研究や各国の対応について、情報を注視していくことが大切です。日本政府も科学的な見地から引き続き検討を行うとしており、状況が変わる可能性もあります。
赤色3号は多くの食品に使われている身近な添加物です。過度に心配する必要はありませんが、自分の体に取り入れるものについて知識を持つことは、健康的な食生活の一歩となるでしょう。
参考情報
- 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20250129/k00/00m/040/103000c
- セプテ株式会社ブログ https://septe.co.jp/blog/foods/erythrosine.html
- 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15EAS0V10C25A1000000/


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