人工着色料「赤色3号」が国際的に注目を集めています。アメリカでは使用禁止が決定され、日本では引き続き使用可能という状況のなか、その実態と安全性について詳しく見ていきましょう。
「赤色3号」とは?基本情報を押さえよう
赤色3号は、エリスロシンという化合物から作られる食用タール色素の一種です。石油などを原料に化学的に合成して作られる着色料で、食品を鮮やかな赤色に着色する効果があります。日本では昭和23年(1948年)から食品添加物として指定されており、約70年以上にわたって使用されてきました。
たんぱく質となじみがよく色が保たれやすいという特徴があり、加熱に対しても安定性が高いため、様々な食品の色味付けに広く利用されています。
赤色3号の主な特徴:
- 鮮やかな赤色に着色できる
- 加熱などに対して安定性が高い
- たんぱく質となじみがよく色持ちが良い
どんな食品に使われているの?身近な食品をチェック
赤色3号は私たちの身近な食品に幅広く使用されています。日本では主に以下のような食品に使われています:
- お菓子類(ケーキのデコレーションなど)
- 漬物
- かまぼこなどの水産加工品
- まんじゅうなどの和菓子
- ゼリー類
海外では食肉製品やガム、ソースなど様々な食品に使用されています。食品以外にも医薬品の着色にも利用されているほど、幅広い用途を持つ着色料です。
商品に赤色3号が使用されている場合は、食品表示を確認することで知ることができます。「着色料(赤3)」や「赤色3号」といった表示がされているため、気になる方はチェックしてみましょう。
国際的な規制状況と安全性の議論
アメリカでの使用禁止決定
2025年1月15日、アメリカの食品医薬品局(FDA)は赤色3号の食品への使用を禁止すると発表しました。この決定は、1987年に発表された動物実験の結果を根拠としています。実験ではラットに大量の赤色3号を与え続けた結果、甲状腺腫瘍を誘発する可能性が示されました。
ただし注目すべきは、FDAも「この雄ラットにおける発がん性の発生機序はラット特有のものであり、ヒトでは発生しない」「食用赤色3号の使用がヒトの健康に影響を及ぼすという主張は科学的に裏付けられていない」と明言していることです。実際、アメリカでは化粧品への使用は1990年から禁止しているものの、食品への使用は今まで認められてきました。
日本の対応と見解
日本の消費者庁は「通常の使用では安全上の懸念はなく、健康被害のデータもない」という立場を取っています。伊東良孝消費者担当相も「日本では人の健康を損なう恐れのない添加物として指定され、使用が認められている」と述べ、安全性を強調しています。
国際的な評価機関であるFAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)では、ヒトが一生涯毎日摂取しても健康への悪影響がないとされる1日あたりの摂取量(ADI:一日摂取許容量)を0~0.1mg/kg体重/日と設定しています。
厚生労働省の調査によると、日本人が1日あたりに摂取する赤色3号の量はADIの0.048%と大きく下回っており、現実的な摂取量はかなり少ないことが分かっています。
天然由来の赤色着色料という選択肢
人工着色料に不安を感じる方は、天然由来の赤色着色料も選択肢の一つです。例えば「赤ダイコン色素」は、赤ダイコンの赤紫の根から抽出された色素で、主成分はアントシアニンという植物色素です。
赤ダイコン色素の特徴:
- 鮮明な黄みの強い赤色の着色が可能
- 酸性域で黄みの強い赤色、中性域で紫赤色を呈する
- 清涼飲料水、ヨーグルト、和洋生菓子など幅広い用途に使用可能
消費者として知っておきたいポイント
人工着色料について不安を感じる方は、以下のポイントを参考にしてみてください:
- 表示をチェックする: 食品パッケージの原材料表示で「着色料(赤3)」や「赤色3号」という表記がないか確認しましょう。
- 摂取量を意識する: 日本人の摂取量は安全とされる量を大きく下回っていますが、気になる方は摂取を控えることも選択肢です。
- 天然由来の代替品を選ぶ: 天然由来の着色料が使用された食品を選ぶという方法もあります。
まとめ
人工着色料「赤色3号」は、アメリカでは禁止が決定される一方、日本では安全性に問題ないとされています。科学的な知見では人への健康被害は確認されていませんが、各国の規制は異なります。
消費者として大切なのは、正しい情報を得て自分で判断することです。食品表示を確認し、必要に応じて摂取を控えるなど、自分に合った選択をすることが重要です。今後も各国の規制動向や新たな研究結果に注目していきましょう。
参考情報
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE160TC0W5A110C2000000/
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15EAS0V10C25A1000000/
食環境衛生研究所 https://www.shokukanken.com/post-21597/


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