ポリバケツで作る簡単コンポスト:自家製たい肥で循環型の庭づくり

技術


ポリバケツ(プラスチック製バケツ)を使ったコンポストは、家庭で手軽に始められる資源循環の第一歩です。コンポストとは、生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で分解し、栄養豊富なたい肥に変える仕組みや容器のことです。環境に優しいゼロカーボンエネルギーでたい肥作りができ、SDGsの観点からも注目されています。この記事では、ポリバケツを使った基本的なコンポストの作り方から応用まで、わかりやすく解説します。初心者でも失敗しにくい方法で、家庭から出る生ごみを有効活用しましょう。

コンポストの基本と仕組み

コンポストは「たい肥」と「たい肥を作る容器」の両方を指す言葉です。微生物の働きを活用して、普通なら廃棄される生ごみや植物の残りなどから養分たっぷりのたい肥を作る仕組みです。コンポストの基本的な仕組みは非常にシンプルで、主に3つのステップで成り立っています。まず有機物を1ヵ所に集め、次に微生物がその有機物を分解し、最終的に堆肥ができあがります。

コンポストには大きく分けて「好気性発酵」と「嫌気性発酵」の2種類があります。家庭でのコンポスト作りでは、酸素が必要な微生物を活用して有機物を分解する「好気性発酵」が適しています。この方法は嫌な臭いが少なく、養分が豊富なたい肥を作れるため、近隣トラブルを避けるためにも重要です。

コンポストのメリットとデメリット

コンポストを始める前に、そのメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。メリットとしては、たい肥を自作することでガーデニングにかかるコストを抑えられる点、生ごみを捨てる手間が省ける点、初期費用を抑えて少量からたい肥作りが可能な点、そしてごみの再利用によるエコ活動になる点が挙げられます。

一方、デメリットとしては、たい肥が完成するまでに1ヵ月程度の時間がかかることと、定期的に土をかき混ぜないと悪臭が発生する可能性があることです。これらのデメリットは適切な管理によって最小限に抑えることができるので、基本的な手順とコツを押さえておきましょう。

基本的なポリバケツコンポストの作り方

ポリバケツを使ったコンポストは、比較的小さなスペースでも始められるため、特にベランダ菜園や小さな庭での利用に適しています。ここでは、フタなしのバケツを使った簡単な方法をご紹介します。

必要な材料

基本的なバケツコンポストを作るために必要な材料は以下の通りです:

  • バケツ(ポリバケツやゴミ箱なども可)
  • 新聞紙
  • 基材:腐葉土と米ぬか(市販の発酵促進剤でも可)を混ぜたもの
  • ひも(輪ゴム)
  • スコップ

作り方の手順

  1. バケツの底に新聞紙を敷きます。これは生ごみから発生する余分な水分を吸収するためです。
  2. 基材(腐葉土と米ぬかを混ぜたもの、または腐葉土と発酵促進剤を混ぜたもの)を高さ5~10cmほど敷きます。基材は事前によく混ぜあわせておくことで、発酵のムラをなくすことができます。
  3. 小さく切った生ごみを基材と混ぜ合わせます。生ごみを基材で覆いかぶせるイメージで混ぜましょう。
  4. 混ぜ終わったら表層に乾いた基材を載せます。これにより臭いや虫の発生を防ぎます。
  5. 布とひもでふたをして完成です。虫の侵入を防ぐため、着古したTシャツなどをバケツにかけておくといいでしょう。

ラザニアコンポスト法

もう一つの簡単な方法として「ラザニアコンポスト」と呼ばれる方法があります。これは生ごみと資材をサンドイッチ状に重ねていく方法です。具体的には、生ごみや野菜づくり後の残渣、雑草などをバケツに投入し、その上に床となる資材(腐葉土や米ぬかを混ぜたもの)を投入する流れを繰り返します。

回転式ポリバケツコンポストの作り方

より効率的に堆肥を作りたい場合は、回転式コンポストを検討してみましょう。これは堆肥作りで大切な「よく混ぜる」という作業をしやすくするために回転式にし、さらに底から液肥を取り出せるように設計されています。

必要な材料と道具

回転式ポリバケツコンポストを作るためには、以下のような材料と道具が必要です:

  • ポリバケツ
  • 水道パイプ
  • 木材(脚板用)
  • シンプソン金具
  • 糸ノコ
  • モンキーレンチ
  • 電動ドライバードリル(鉄工キリ5㎜)
  • その他の工具(メジャー、マジックペン、カッターナイフなど)

作り方の手順

  1. 脚板に金具を取り付けます。
  2. 脚板をハの字に組み立てます。シンプソン金具を使ってハの字になるように組み立てます。
  3. ポリバケツを加工します。バケツに水道パイプを通す穴を開けるなどの加工が必要です。
  4. バケツを脚部にのせて完成です。

回転式コンポストは通常のバケツコンポストより手間がかかりますが、堆肥の作成効率が高まり、液体肥料も取り出せるというメリットがあります。少し手間をかけてでも効率的に堆肥を作りたい方におすすめです。

ポリバケツコンポストの使い方と管理方法

コンポストを作ったら、正しく使いこなすことが大切です。適切な管理によって良質なたい肥ができ、悪臭などのトラブルも防げます。

日常の管理方法

コンポストには日々の管理が欠かせません。以下のポイントを押さえましょう:

  1. 材料の追加: 生ごみは新鮮なうちにコンポストに追加します。大きなものは細かくしてから入れると分解が早まります。
  2. 撹拌: 堆肥化を促進するには定期的な撹拌が必要です。できれば1日1回以上、最低でも週1回は全体をよくかき混ぜましょう。これにより好気性発酵を促し、悪臭を防ぎます。
  3. 水分管理: 水分量の調整が成功の鍵です。握ったときに水が滴らない程度の湿り気が理想的です。水分量が多いと感じたら、床の資材を多めに投入して調整しましょう。

コンポストが一杯になったら

バケツコンポストが一杯になったら、次のステップに進みます:

  1. 生ごみの投入をやめ、熟成の工程に入ります。
  2. 家庭菜園などで使用する完熟たい肥にするために、土と混ぜて1か月~1か月半程度放置します。この間も攪拌は必要ありません。
  3. たい肥が完熟してくると投入物にかかわらず色が黒くなり、カビ臭くなります。これが完成の目安です。

2つのバケツを使うローテーション方式

効率的にコンポストを運用するには、2つのバケツを用意してローテーションさせる方法も有効です。野菜屑がきちんと発酵されるためにはそれなりの時間が必要なため、1つのバケツが一杯になったら2つ目のバケツに投入場所を移します。

2つ目のバケツに生ごみを入れている間は、1つ目のバケツはお休みさせてじっくり発酵させます。そして2つ目のバケツも一杯になったら、また1つ目のバケツに戻るというサイクルで運用します。

コンポストに入れるものと入れてはいけないもの

コンポストをうまく運用するためには、何を入れてよくて何を入れてはいけないのかを知ることが重要です。

入れてよいもの

  • 野菜くず・残飯
  • 卵の殻・茶がら
  • コーヒーかす
  • 枯葉・枯草

これらは微生物によって比較的簡単に分解され、良質なたい肥の材料となります。

入れてはいけないもの

  • 腐った生ごみ
  • タバコ
  • 肉類・魚類・油もの
  • 乳製品
  • 食用油
  • ペットのゴミ・排泄物

これらは害虫を寄せつけやすい、悪臭の発生源になる、病原菌を含む可能性があるなどの理由から、コンポストには入れないようにしましょう。

失敗しないためのポイントとトラブルシューティング

コンポスト作りで最も多い悩みは「臭い」と「虫」です。これらのトラブルを防ぐためのポイントと、もし問題が起きた場合の対処法を見ていきましょう。

臭い対策

コンポストから悪臭がする主な原因は、適切な分解がされていないことです。以下の対策を試してみましょう:

  1. 分解のための床の資材(腐葉土・発酵促進剤・米ぬかなど)が十分に入っているか確認しましょう。特に米ぬかには消臭効果があります。
  2. 水分量が多すぎると腐敗して悪臭の原因になります。水分量が多いと感じたら床の資材を多めに入れて調整します。
  3. 定期的に土をかき混ぜて好気性発酵を促進しましょう。これにより嫌気性発酵による悪臭を防げます。

カビが生えた場合の対応

コンポストにカビが生えることは珍しくありません。種類によって対応が異なります:

  1. 白カビ(糸状菌)や放線菌: これらは分解が進んでいる証拠なので問題ありません。そのまま続けて大丈夫です。
  2. 青カビ: 水分量が多い証拠です。床の資材を投入するなどして水分調整しましょう。少量なら問題ありませんが、大量の青カビが発生した場合は処分を検討した方がよいでしょう。

虫対策

コンポストには時に虫が発生することがありますが、基本的には分解を助けるものとして考えることもできます。それでも気になる場合は、以下の対策を試してみましょう:

  1. 生ごみを投入した後は必ず乾いた土や基材で覆っておきましょう。これは虫の発生防止に効果的です。
  2. バケツの上に布をかぶせて、虫が入るのを防ぎましょう。着古したTシャツなどが利用できます。
  3. コンポストを地面から10cm程度地中に埋めると、虫の侵入を防げます。

コンポストから作った堆肥の使い方

せっかく作った堆肥は、正しく使うことでその効果を最大限に引き出すことができます。

堆肥の熟成と完成の見極め方

堆肥が完成したかどうかを見極めるポイントは以下の通りです:

  1. 色が黒くなり、カビ臭さがする。
  2. 元の生ごみの形がほとんど残っていない。
  3. 土のような見た目と感触になっている。

一般的に、投入をやめてから1~2ヵ月程度で堆肥が完成します。

堆肥の効果的な使い方

完成した堆肥は次のように使用します:

  1. 家庭菜園やガーデニングの肥料として普通の土と混ぜて使います。
  2. 化成肥料と混ぜると肥料過多になり、葉野菜が苦くなる、害虫被害に遭いやすくなる、野菜が病気になりやすくなるなどの問題が起こるので注意しましょう。
  3. 完熟していない堆肥を使用すると植物の生育に悪影響を与えることがあるため、必ず十分に熟成させてから使用してください。

まとめ

ポリバケツを使ったコンポスト作りは、家庭から出る生ごみを有効活用し、環境に配慮した循環型の生活を送るための素晴らしい第一歩です。基本的なバケツコンポストから回転式の発展型まで、自分に合った方法を選んでトライしてみましょう。

コンポスト作りの成功のカギは、適切な材料選び、定期的な攪拌、そして水分管理にあります。これらのポイントを押さえることで、悪臭や虫の問題を最小限に抑え、良質なたい肥を作ることができます。たい肥ができるまでには少し時間がかかりますが、その過程自体も自然と触れ合う楽しみの一つとして捉えることができるでしょう。

生ゴミの分解・発酵は目に見えて進むため、次第に楽しくなっていくはずです。微生物たちの力を借りながら、家庭から始める小さなエコ活動に、ぜひチャレンジしてみてください。

参考サイト:
ダンシンスマイル https://danshin-smile.cardif.co.jp/homemade-compost/
ぬくもり https://nukumore.jp/articles/2413
ライフハガー https://lifehugger.jp/column/bucket-compost/

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