中国独自開発の大型水陸両用機「鯤竜」AG600、型式証明取得で実用化へ

# 中国独自開発の大型水陸両用機「鯤竜」AG600、型式証明取得で実用化へ

中国が独自開発した大型水陸両用機AG600「鯤竜(こんりゅう)」が2025年4月20日、中国民用航空局から型式証明を取得しました。このニュースは、中国の航空産業における大きなマイルストーンとなっています。型式証明の取得により、AG600は正式に市場参入への道が開かれ、2025年後半には実用化される見通しです。

「鯤竜」AG600とは?世界最大級の水陸両用機の全貌

AG600「鯤竜」は、中国航空工業集団(AVIC)が開発した世界最大の離陸重量を誇る民間用水陸両用機です。その名前の「鯤竜」は中国神話に登場する巨大な魚が変身した龍に由来しており、その名にふさわしい堂々たる機体サイズを誇ります。

全長38.9メートル、全高11.7メートル、翼幅38.8メートルというサイズは、現在市場で主流となっている単通路旅客機よりもわずかに大きいものです。最大離陸重量は60トンに達し、実用最大航続距離は4,500キロメートルという驚異的な性能を備えています。

「空を飛ぶ船であり、泳ぐことができる飛行機」とも表現されるAG600は、上部が航空機形状、下部が船底形状という独特の構成を持っています。巨大な翼の両側には4メートル以上の長さのフロートが設置されており、水面上での移動中に横転するのを防ぐ安全設計が施されています。

15年にわたる開発の軌跡――陸・湖・海での初飛行成功

AG600の開発は2009年に始まり、2012年に型式証明の申請が行われました。2016年に最終組立を完了し、2017年12月に広東省珠海で陸上での初飛行に成功しました。

その後も着実に開発が進み、2018年には湖北省荊門で水上初飛行、2020年には山東省青島で海上での初飛行に成功しました。これにより、陸上、内陸水域、海上の全ての環境での運用能力が確認されました。

2023年には消火任務を遂行する能力を獲得し、2025年2月には全ての認証試験飛行を完了。開発開始から約15年の歳月を経て、ついに型式証明を取得するに至ったのです。

驚異的な消火・救助能力を持つ多目的航空機

AG600の最大の特徴は、その多目的性にあります。消火活動では、わずか20秒で12トンの水を収集し、4,000平方メートルの区域に散布することが可能です。

最低水平飛行速度は時速220キロメートルで、樹上30$301C50メートルという超低空飛行も可能。これにより、森林火災現場の上空をゆっくりと飛行しながら、効率的に消火活動を行うことができます。

救助任務においては、最大50人を輸送でき、緊急医療設備も完備。救助範囲は1,500キロメートルに及び、1,000キロメートル離れた海域にも2時間以内に到達できる能力を持っています。

「中国製造」の誇り――国産技術の集大成

AG600の開発には、中国全土から22の省・市、292の企業・機関、16の大学が参加し、国を挙げての一大プロジェクトとなりました。

機体構造、エンジン、重要システムに至るまで、全てが中国国内で独自に開発されたことは特筆に値します。4基の国産WJ-6ターボプロップエンジンを搭載し、各エンジンは3,805kW(5,103馬力)を発生します。

アビオニクスシステムも上海アビオニクス研究所により国内で開発され、23のサブシステムと169のデバイスを統合しています。

今後の予定と展望

中国航空工業集団は、AG600の生産証明を2025年8月末までに取得し、同年10月に実際の納入を実現する計画を発表しています。

今後はAG600機体ファミリーの継続的な改良とシリーズ化開発を推進し、中国の航空緊急救助設備の運用能力を向上させることを目指しています。

世界の航空産業における中国の台頭

AG600の成功は、中国の大型特殊用途航空機部門と民間航空機製造業における重要なマイルストーンです。これまで欧米が主導してきた大型航空機の開発分野に、中国が独自の技術で参入したことの意義は非常に大きいといえるでしょう。

特に、広大な国土と複雑な地形を持つ中国では、全国規模の消火活動やその他の緊急救助任務に対応できる大型特殊用途航空機の重要性が高まっています。AG600の実用化により、中国の自然災害対応能力は大幅に向上することが期待されています。

まとめ――国家的プロジェクトの結実

中国独自開発の大型水陸両用機AG600「鯤竜」の型式証明取得は、15年にわたる研究開発の成果であり、中国の航空技術の飛躍的進歩を示すものです。陸、湖、海のいずれでも運用可能な世界最大級の水陸両用機の登場は、緊急救助システムや自然災害防止の面で大きな可能性を開くでしょう。

2025年10月の納入開始が予定される中、AG600がどのように実運用されていくのか、そして中国の航空産業がどのような発展を遂げていくのか、今後も目が離せません。

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