「お願いします」より先に差し出すものがある~佐藤考弘『起業家のための富を創る成功方程式 人脈づくり』が教えるギバーの法則

「あの人に相談してみたいけど、自分なんかが連絡していいのだろうか……」

職場で尊敬する先輩、業界で名の知れた専門家、社内で実績を持つ上位層の管理職。こういった「格上の相手」にアプローチしたいと思いながら、なかなか踏み出せずにいる、という経験はないでしょうか。

あるいはすでに動いてみたものの、なんとなく空振りに終わった経験をお持ちの方もいるかもしれません。メールを送ったのに返信がない。せっかくつながったのに、その後が続かない。相手との距離が縮まった気がしない……。

じつはその空振りの多くは、アプローチの方法ではなく、思考の出発点に問題があります。佐藤考弘著『起業家のための富を創る成功方程式 人脈づくり』は、その出発点をはっきりと指摘します。相手から何かを引き出そうとするテイカー(奪う人)の思考を捨て、まず自分が相手にとってどのような価値ある存在になれるかを考えるギバー(与える人)の思考を起点にせよ、と。

この転換は、仕事の人間関係だけでなく、家庭でのコミュニケーションにも静かで大きな変化をもたらします。

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「お願い」から始まる関係が、なぜ続かないのか

人と関わるとき、私たちは無意識のうちに「相手から何かを得ること」を前提に動いています。情報がほしい、紹介してほしい、助けてほしい、アドバイスがほしい。もちろん、そのこと自体は悪いことではありません。しかし最初の接点が「お願い」から始まると、相手との関係は最初から非対称なものになります。

一方が与え、もう一方が受け取る。その構造が固まると、与える側の負担が増すほど関係は続きにくくなり、受け取る側は「また何かお願いされるのかな」と身構えるようになります。

「もらいたい」から始まる関係は、じつは非常に脆いものです。

本書はこの構造を鋭く見抜きます。テイカーとは、相手の権威や資金、人脈から何かを自分に引き出そうとする思考の持ち主です。それは必ずしも悪意ある行動とは限りません。ただ、思考の起点が「自分の利益」にあるかぎり、相手にはその空気が伝わります。どこかぎこちない、どこか圧迫感がある……。その違和感の正体が、テイカーの思考なのです。

「先出し」が、格上の相手との扉を開く

では、ギバーの思考とは具体的にどういうものでしょうか。本書の例が非常にわかりやすいのでご紹介します。

業界の権威である著名な専門家にアプローチしたいとします。そのとき、いきなり自分の新規事業の相談を持ちかけるのは最悪の手だと著者は言います。相手はそういった依頼を毎日のように受け取っており、見知らぬ相手からの「お願い」には、もはやほとんど反応しません。

しかしここで発想を変えます。先生の最新の論文を拝読しました、私の会社が保有している独自のデータセットが、先生の次回の実証研究に役立つと考え、無償で提供したいのですが――。そのように申し出るのです。

圧倒的な価値を先出しすることで、格上の相手との関係の扉が開きます。

相手の立場から見れば、この接触はまったく異なる体験です。何かを要求されるのではなく、自分が必要としているものを差し出してもらえる。これは単なるテクニックではなく、相手の仕事や人生に対して本当の関心と敬意を持っているからこそできる接し方です。本書著者の佐藤考弘氏が「思考の起点」と呼ぶのは、まさにこの敬意のある関心のことです。

「お願い上手」だった自分が気づいた空回りの理由

管理職になる前、私は社内で「上位層との関係づくりが大切だ」と意識して、積極的に声をかけていた時期がありました。しかし振り返ると、そのほとんどは「相談があります」「聞いてほしいことがあります」という形でのアプローチでした。

相手はいつも親切に時間をとってくれましたが、その後が続かない。次に連絡するとき、また「相談があります」と言うしかなく、気づけばそのやり取りは「お願いする側」と「応じてあげる側」という構図で固まっていたのです。

あるとき、部署の先輩がこう言いました。「君はいつも持ってくるのが課題と質問ばかりだね。たまには何かを持ってきてくれると嬉しいな」と。

「受け取るだけの関係」は、いつか相手を疲弊させます。

その言葉が刺さりました。自分は無意識のうちに、常に受け取る側に立っていた。相手が何を必要としているか、自分に何が差し出せるかを、一度も起点にしたことがなかったのです。

翌週から変えました。その先輩が取り組んでいたプロジェクトで、自分が担当業務の中で得ていた情報が役立つかもしれないと思い、整理して共有しました。「こんなデータ、参考になりますか」と一言添えて。先輩からの返信はこれまでと違い、驚くほど温かいものでした。そしてそこから、対話の質がまったく変わっていきました。

部下への「先出し」が、信頼をつくる

ギバーの思考は、目上の相手へのアプローチだけに使うものではありません。部下との関係においても、同じ原則が働きます。

管理職は往々にして、部下に何かを求めることから関係を始めます。報告してほしい、成果を出してほしい、改善してほしい。これ自体は管理職の役割として当然ですが、求めることだけが続くと、部下は「この上司との関係は、何かを要求される場だ」と感じるようになります。

「要求する前に与える」姿勢が、部下との関係を根本から変えます。

部下が担当しているプロジェクトに役立ちそうな情報を、求められる前に渡す。業務の相談を受けたとき、自分の経験から使えそうな視点を惜しみなく開示する。部下の成長につながりそうな本や機会を、何のリターンも期待せずに紹介する。こういった先出しの積み重ねが、「この上司は自分のことを思って動いてくれる」という信頼の土台になっていきます。

本書著者が10年間離職者ゼロを達成した根底には、スタッフ一人ひとりに対してギバーとして向き合い続けた姿勢があります。それは評価や報酬だけでは生み出せない、深い結びつきです。

家族との会話も、「先出し」で変わる

この考え方は、家庭でも静かに効いてきます。

夫婦の会話を振り返ってみると、どちらかが常に「聞いてほしいこと」「わかってほしいこと」「やってほしいこと」を持ち込むことで会話が始まっていないでしょうか。あるいは帰宅後に「今日どうだった?」と聞きながら、じつは自分の話をしたいという気持ちが先にある、なんてことも。

それは相手を責めるべきことではなく、私たちが日常の中でいつの間にか身についてしまう「受け取るモード」の習慣です。

家族に先に与えることは、家庭の空気を変える一番の近道です。

妻が疲れているとわかっているなら、彼女が話したいことを話してもらう前に、今日大変だったね、と一言差し出す。子どもに宿題をやったかと確認する前に、今日どんなことが楽しかったかを先に聞く。相手のほしいものを先に渡すこの習慣が、家族の会話の質を少しずつ底上げしていきます。

「自分に何が差し出せるか」を問う習慣を持つ

本書のギバーの法則を実践するうえで最も大切なのは、日々の場面で「自分にとって何が得られるか」より先に「相手にとって自分が何を差し出せるか」を問う習慣を持つことです。

この問いは最初こそ意識的に立てる必要がありますが、繰り返すうちに自然と出発点になっていきます。そうなったとき、人間関係の質はどこかで確実に変わります。職場での信頼、部下との結びつき、家族との会話――すべてに共通する原則がここにあります。

佐藤考弘氏が本書で示すギバーの思考は、単なるビジネスの人脈術ではありません。人と関わるすべての場面で使える、人間関係の根本原則です。まず差し出すこと。その小さな勇気が、やがて大きな信頼となって自分のもとに返ってきます。

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