「最近の若い子は何を考えているかわからない」「昇進や給与アップの話をしても反応が薄い」そんな悩みを抱えていませんか?
実は、これは個人の問題ではなく、世代間の根本的な価値観の違いが原因かもしれません。30代以下の「乾けない世代」と呼ばれる若者たちは、私たちが思っている以上に異なるモチベーションの源泉を持っています。
この記事では、尾原和啓氏の『モチベーション革命』から、世代間ギャップを理解し、新たなモチベーションの源泉を探る方法をお伝えします。読み終えた頃には、若手社員との関わり方が劇的に変わるはずです。
「乾けない世代」と「乾いている世代」の決定的な違い
物質的な豊かさが生んだ価値観の変化
30代以上の「乾いている世代」は、テレビ、車、冷蔵庫、洗濯機といった物が不足していた時代を知っています。これらを手に入れるための「飢餓感」が、働く大きな動機となっていました。
一方、30代以下の「乾けない世代」は、すでに作り上げられた豊かな社会に生まれ育ちました。埋めるべき物質的な空白がないため、何かを勝ち得るために我慢することへのアンバランスさを感じています。
この違いを理解せずに、従来の報酬体系や評価基準だけで若手を動機づけようとしても、うまくいかないのは当然なのです。
幸福の軸が根本的に変わった
心理学者マーティン・セリグマンが提唱する人間の5つの幸福の軸があります。
「乾いている世代」が主に重視してきたのは:
- 達成(目標の達成、成功体験)
- 快楽(物質的・社会的な満足感)
しかし「乾けない世代」が重視するのは:
- 意味合い(仕事が誰かの役に立っているという実感)
- 良好な人間関係(チームとの絆や共感)
- 没頭(時間を忘れるほど夢中になれること)
つまり、外発的な動機から内発的な動機へと、根本的にモチベーションの構造が変化しているのです。
なぜ昇進話に若手が乗り気にならないのか
「残業が増えるなら…」の本当の理由
「昇進のチャンスだぞ」「給与アップの話があるんだけど」と伝えても、若手が「残業が増えるなら…」と躊躇する背景には、彼らなりの合理的な判断があります。
彼らにとって重要なのは:
- その仕事にどんな意味があるのか
- チームの人間関係は良好か
- 没頭できる環境が整っているか
金銭的な報酬よりも、これらの要素が満たされているかどうかを重視しているのです。
小さくて身近な幸せを働く動機にする
「乾けない世代」は、「国」や「社会」という大きな枠組みでの動機付けが難しいと感じています。代わりに「家庭」「友人」「自分」という身近な枠の中での幸せを働く動機にしています。
これは決して視野が狭いということではありません。むしろ、より人間的で持続可能な働き方を求めているのです。
効果的なマネジメントアプローチの転換
非金銭的報酬の重要性を理解する
従来の報酬体系や評価基準だけでなく、非金銭的報酬の価値を組織運営に組み込む必要があります。
具体的には:
- プロジェクトの社会貢献性を明確に伝える
- チーム内の協調性や関係性を重視する
- 没頭できる裁量や環境を提供する
目標達成よりもプロセスを大切にする
「乾けない世代」は、決められた目標への邁進は苦手ですが、好きなことにはとことんハマる特性があります。
マネジメント層は:
- 単に目標達成を強いるのではなく
- そのプロセスや過程を評価する
- 個人の興味や関心を業務に活かせる機会を作る
このアプローチにより、従来の「目標達成」一辺倒の思考から脱却し、より多角的な視点から人材を育成・活用できるようになります。
個人レベルでできる価値観の理解と実践
自分の価値観を客観視する
まず、自分自身がどちらの世代の価値観を持っているかを客観的に理解することから始めましょう。
チェックポイント:
- 物質的な成功を重視するか
- 仕事の意味や関係性を重視するか
- 大きな目標達成にやりがいを感じるか
- 没頭できる時間を大切にするか
相手の立場に立って考える
相互理解を深めるためには、世代間の価値観の違いを認め合うことが重要です。
「乾けない世代」の方は:
- 自分の価値観が人間としての自然な進化であることを認識する
- 自信を持って自分の「好き」や「意味」を追求する
「乾いている世代」の方は:
- 若手の行動原理を理解し
- より効果的なコミュニケーションを心がける
組織全体で取り組む変革のステップ
柔軟な働き方の導入
従業員が「ライフワーク」を追求できるような柔軟な勤務体系を導入することで、従業員のエンゲージメントを高められます。
具体的な施策:
- リモートワークの推進
- 副業の推奨
- 「ギブ」の文化の醸成
早期適応が競争優位性をもたらす
働き方のルールが「乾けない世代」の価値観に合っていないという現状を認識し、早期に対応することが他社に先んじるチャンスとなります。
この新しいモチベーション構造を理解し、それに基づいた組織設計や評価システムを導入できれば:
- 優秀な若手人材の確保と定着
- 組織全体の生産性向上
- 持続可能な成長
これらを実現することができるのです。
まとめ:世代間ギャップは成長のチャンス
世代間の価値観の違いは、決して乗り越えられない壁ではありません。むしろ、お互いの強みを活かし合える大きなチャンスなのです。
「乾いている世代」の持つ経験と推進力、「乾けない世代」の持つ新しい視点と価値観。これらが組み合わさることで、これまでにない革新的な組織を作ることができます。
まずは相手の価値観を理解することから始めてみてください。きっと、今まで見えなかった新しい可能性が見えてくるはずです。
変化の激しい時代だからこそ、多様な価値観を受け入れ、活かしていく力が組織の未来を決めるのです。

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