仕事で思うような結果が出ない時、あなたはどんな気持ちになりますか?
プロジェクトが失敗した時、部下が期待通りに成長しない時、新しい技術についていけない時──。40代のあなたなら、そんな場面に何度も遭遇してきたはずです。
そんな時、「失敗こそが人生を充実させる」と言い切れる人がいたら、あなたはどう思うでしょうか。
将棋界のレジェンド羽生善治九段は、52歳になった今でも自分を「いまだ成らず」の挑戦者だと言います。七冠制覇、永世七冠達成という偉業を成し遂げた後でも、です。
鈴木忠平著『いまだ成らず 羽生善治の譜』は、そんな羽生善治の探求者としての真髄を描いた一冊。この本を読めば、仕事や人生で壁にぶつかった時の向き合い方が、きっと変わるはずです。
羽生善治が語る「後悔の多い人生こそ充実している」の真意
「一局の将棋は後悔だらけですが、後悔の多い人生こそ充実している」
これは羽生善治の言葉です。一見すると逆説的に聞こえるかもしれません。しかし、この言葉には深い意味があります。
羽生にとって後悔とは、難しい状況にたくさん出会った証拠なのです。甲乙付けがたい局面、判断に迷う場面──そういった困難な状況こそが、人を成長させてくれる。
あなたの仕事でも同じではないでしょうか。
新しいプロジェクトを任された時、部下の指導で悩んだ時、技術選定で迷った時。そんな 「正解のない問題」 に直面することこそが、実は最も価値のある経験なのです。
羽生は勝利よりも、その過程で得られる経験に価値を見出しています。これは、結果主義に陥りがちな現代のビジネスパーソンにとって、重要な視点の転換を促してくれます。
「勝負師の顔から探求者の顔になる」瞬間の意味
本書で特に印象的なのは、羽生が対局後の感想戦で見せる姿です。
勝負が終わった瞬間、羽生は「勝負師の顔から探求者の顔になる」と表現されています。負けた対局であっても、その局面を徹底的に分析し、将棋の真理を追求する姿勢を崩しません。
この姿勢は、私たちのビジネスシーンでも活かせるものです。
プロジェクトが終了した時、あなたはどうしていますか?成功すれば次に進み、失敗すれば原因を簡単に分析して終わり──そんなパターンになっていませんか。
羽生のように 「探求者の顔」 になれれば、成功も失敗も等しく学びの機会に変えることができます。結果に一喜一憂するのではなく、そのプロセスから次につながる知見を得る。これこそが、真の成長につながる姿勢なのです。
順位戦B級陥落でも変わらない「いまだ成らず」の精神
羽生善治といえば、七冠制覇や永世七冠達成といった輝かしい実績で知られています。しかし本書は、そんな栄光の時代だけでなく、順位戦B級への降級という 「落日」の時期 も描いています。
ここで注目すべきは、羽生の姿勢が全く変わらないことです。
52歳になっても藤井聡太との対局に挑み、常に 「いまだ成らず」という飽くなき探求心 を持ち続けている。これは単なる負けず嫌いではありません。将棋という深淵な世界への純粋な探究心なのです。
40代のあなたも、似たような状況に直面することがあるでしょう。
新しい技術が次々と生まれ、若い世代が台頭してくる。以前のように簡単に結果が出なくなる。そんな時、多くの人は 「もう十分やった」 と現状維持に走りがちです。
しかし羽生は違います。どんな状況でも自分を 「いまだに成らず」の挑戦者 として捉え続ける。この姿勢こそが、彼を永遠の探求者たらしめているのです。
現代のビジネスパーソンが羽生善治から学べること
羽生善治の探求者としての姿勢は、現代のビジネスパーソンにとって多くの示唆を与えてくれます。
まず、失敗への向き合い方です。
羽生は敗北すらも次への糧とします。これは、失敗を恐れて挑戦を避けがちな私たちにとって、重要なマインドセットの転換です。失敗は避けるものではなく、学びの機会として積極的に受け入れるもの──そう考えられれば、新しい挑戦への恐怖は薄れるはずです。
次に、継続的な学習の重要性です。
IT業界で働くあなたなら、技術の進歩の速さを身をもって感じているでしょう。新しいフレームワーク、開発手法、マネジメント理論──学ぶべきことは山積みです。
羽生のように 「いまだ成らず」の精神 を持てれば、こうした学習も苦痛ではなく、楽しみに変わります。完璧を目指すのではなく、常に探求し続ける姿勢こそが、変化の激しい時代を乗り切る鍵なのです。
探求者として生きることの価値
本書を読んでいると、羽生善治という人物の本質が見えてきます。
彼は単なる 「勝負師」 ではなく、将棋という芸術の 「探求者」 なのです。勝ち負けという結果を超えた、もっと深いところに価値を見出している人物です。
これは、結果主義に疲れた現代人にとって、新しい生き方のヒントを与えてくれます。
成果を上げることは重要です。しかし、それ以上に大切なのは、その過程で何を学び、どう成長するかということ。羽生のように探求者として生きることで、仕事にも人生にも、より深い満足感を得ることができるのではないでしょうか。
結果に一喜一憂するのではなく、常に学び続ける姿勢を持つ。完璧を目指すのではなく、「いまだ成らず」 という謙虚さを忘れない。そんな生き方こそが、充実した人生への道筋なのかもしれません。
まとめ:「いまだ成らず」の精神で人生を豊かに
鈴木忠平著『いまだ成らず 羽生善治の譜』が教えてくれるのは、真の強さとは勝敗の数ではなく、探求し続ける姿勢にあるということです。
羽生善治の 「後悔の多い人生こそ充実している」 という言葉は、失敗を恐れず挑戦し続けることの大切さを教えてくれます。また、「いまだ成らず」 という謙虚な姿勢は、どんな年齢になっても学び続けることの価値を示しています。
40代のあなたがこれから迎える様々な困難も、羽生のように 「探求者の目」 で見ることができれば、すべてが成長の機会に変わるはずです。
この本を読んで、あなたも真の探求者としての歩みを始めてみませんか。

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