あなたの会社は今、本当に「安定」していますか?
多くの管理職が抱える悩みがあります。「変化の激しい時代に、どうやって会社を安定させればいいのか」「守りに入ると競争力が落ちるし、攻めすぎると基盤が不安定になる」そんなジレンマを感じていませんか?
実は、100年以上続く老舗企業には、この矛盾を解決する驚きの経営哲学がありました。それは「動的な安定」という考え方です。一見すると真逆に思える「変化」と「安定」を、どのように両立させているのでしょうか。
今回は、田宮寛之著『何があっても潰れない会社 100年続く企業の法則』から、老舗企業が実践する「変化し続ける安定経営」の本質をお伝えします。この記事を読むことで、あなたの組織運営に新たな視点が生まれ、真の強さを持った会社づくりのヒントが得られるでしょう。
「安定=停滞」という思い込みを捨てる
現代の間違った安定観
「安定している会社」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
多くの人が「変化のない」「保守的な」「リスクを取らない」といったイメージを持つのではないでしょうか。しかし、これは大きな誤解です。
本当に強い会社の安定は、全く違う性質を持っています。世界恐慌、オイルショック、リーマンショック、コロナ危機を乗り越えた老舗企業を調べると、驚くべき事実が見えてきます。
老舗企業が教える真の安定とは
1444年続く世界最古の企業である金剛組をはじめ、100年以上続く日本の老舗企業には共通点があります。それは「数知れぬイノベーションを継続的に起こしている」ということです。
つまり、安定とは静的な状態ではなく、動的なプロセスなのです。変化を恐れるのではなく、積極的に自社の在り方を変えながら、ビジネスの本質を貫き続ける。この姿勢こそが、結果として揺るぎない強さを築いているのです。
小野株式会社に学ぶ業態転換の極意
中四国発の手芸チェーンが見せた変化力
小野株式会社の事例は、変化への適応力の素晴らしい見本です。この会社は堅実な経営を維持しながら、2度の業態転換を成功させました。
最初は地域密着型として中・四国で基盤を固め、その後関西・関東へと事業を拡大していったのです。ここで注目すべきは、単純な規模拡大ではなく、地域ごとの特性に合わせて事業モデルを調整していった点です。
変化を恐れない組織文化の作り方
小野株式会社の成功には、変化を恐れない組織文化がありました。安定した基盤があるからこそ、新しい挑戦ができる。そして挑戦を続けるからこそ、さらに基盤が強固になる。
この好循環を生み出すには、失敗を恐れない風土が必要です。完璧を求めすぎず、試行錯誤を重ねながら最適解を見つけていく姿勢が、長期的な成功につながるのです。
ヤマト株式会社の「本業拡張戦略」
のり一筋から産業用フィルムまで
ヤマト株式会社の事例は、本業の可能性を無限に広げた好例です。「アラビックヤマトのり」で有名な同社ですが、実は自動車製造工程で使用されるマスキングテープやタイヤホイール保護フィルムまで製造しています。
核となる技術は「くっつける」こと。この本質を深く理解し、文具の枠を超えて産業用資材の分野まで事業を展開しました。
風通しの良い社風がイノベーションを生む
ヤマト株式会社のもう一つの特徴は、風通しの良い社風です。階層を超えたアイデアの交換が、新しい商品開発のヒントを生み出しています。
現場の声を大切にし、小さな改善から大きなイノベーションまで、あらゆるレベルの変化を歓迎する文化があります。これが継続的な成長の原動力となっているのです。
「変化への適応」と「本業の深化」を両立させる方法
変化と継続の絶妙なバランス
老舗企業が示すのは、変化への適応と本業の深化を対立させない考え方です。本業の核となる価値や技術を深く理解すればするほど、その応用範囲は広がります。
表面的な多角化ではなく、本質的な拡張。これが老舗企業の強さの秘密です。自社の強みを活かせる分野であれば、業界の壁を越えて挑戦していく。そんな柔軟性が求められています。
実践的な組織運営のポイント
あなたの組織でも実践できるポイントをまとめてみましょう:
まず、自社の本業の本質を明確にすることです。表面的な商品やサービスではなく、顧客に提供している根本的な価値は何かを問い直してください。
次に、その本質を軸にした応用可能性を探ることです。異業種であっても、同じ価値を求める顧客がいるかもしれません。
そして最も重要なのは、変化を前向きに捉える組織文化を育てることです。失敗を恐れず、小さな挑戦を積み重ねる風土があれば、自然と適応力が身につきます。
現代企業が学ぶべき動的安定経営
短期的思考から脱却する
現代の多くの企業が陥りがちなのは、四半期ごとの業績に一喜一憂する短期的思考です。しかし、本当の安定は長期的な視点から生まれます。
目先の利益よりも、持続可能な価値創造。この考え方が、危機に強い組織を作ります。老舗企業は常に10年、20年先を見据えた経営を行っているのです。
継続的学習の重要性
動的な安定を実現するには、組織全体の学習能力が欠かせません。市場の変化、技術の進歩、顧客ニーズの変化に敏感に反応し、それを新しい価値創造につなげる力が必要です。
個人レベルでも組織レベルでも、学び続ける姿勢が競争優位の源泉となります。変化を脅威ではなく機会として捉える視点を持ちましょう。
まとめ:真の安定は変化の中にある
老舗企業が教えてくれる最も重要な教訓は、真の安定は変化を受け入れることから生まれるということです。
停滞を安定と勘違いしていては、激しい変化の時代を生き抜けません。むしろ、継続的なイノベーションと自己変革こそが、長期的な成功の鍵なのです。
あなたの組織も、小野株式会社やヤマト株式会社のように、変化への適応力と本業の深化を両立させることで、真の強さを手に入れることができるでしょう。明日からでも始められる小さな変化から、動的な安定経営への第一歩を踏み出してみませんか。

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