チーム運営で悩む管理職必見!『チームレジリエンス』が教える困難を乗り越える具体的な3ステップとは?

管理職として部下を抱える中で、「また今月もプロジェクトが炎上してしまった」「主力メンバーが突然退職することになり、チーム全体が混乱している」「会議で発言しても、なかなかチーム全体がまとまらない」といった経験はありませんか?

現代のビジネス環境では、予期せぬトラブルや困難は日常茶飯事です。しかし、多くの管理職が「気合いで乗り切れ」「もっと頑張れ」といった精神論に頼ってしまい、根本的な解決に至らないまま同じ問題を繰り返しています。

本記事では、筑波大学の池田めぐみ氏と『問いのデザイン』の著者として知られる安斎勇樹氏による共著『チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方』から、具体的で実践可能な行動マニュアルとして活用できる内容をご紹介します。この本を読むことで、あなたのチームは困難に直面した際に慌てることなく、体系的に問題を解決し、さらには危機を成長の機会に変える力を身につけることができるでしょう。

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なぜ今「チームレジリエンス」が必要なのか?

従来の組織運営では、困難な局面において「優秀なリーダーが一人で解決する」という孤高のヒーロー型のアプローチが主流でした。しかし、このやり方には大きな問題があります。

まず、リーダーへの過度な依存が生まれてしまいます。あなた自身が長時間労働で何とか問題を解決しても、チームメンバーは「どうせ上司がやってくれる」という受け身の姿勢になりがちです。

さらに深刻なのは、リーダーが倒れた時のリスクです。過度なストレスでバーンアウトしてしまえば、チーム全体が機能不全に陥ってしまいます。

本書が提唱する「チームレジリエンス」とは、困難な経験を通じてチーム全体が回復し、さらに成長するための能力やプロセスとして定義されています。これは単なる精神論ではなく、50本を超える国内外の学術論文に基づいた強固な理論的基盤を持つ、実践的なアプローチなのです。

困難を乗り越える3ステップサイクル

本書の最大の特徴は、抽象的な理論ではなく具体的なステップバイステップの操作マニュアルを提供していることです。チームレジリエンスを実践するための3つのステップは以下の通りです。

ステップ1:課題を定めて対処する

多くのチームが困難に直面した際に犯してしまうのが、「性急な解決策に飛びつく」という罠です。しかし、本当に重要なのは適切な課題設定です。

本書では、まず困難を「外的要因/内的要因」と「急性/慢性」の2つの軸で分類する困難の4象限モデルを使用します。たとえば、顧客からのクレームは「外的・急性」、チーム内のコミュニケーション不足は「内的・慢性」に分類されます。

特に注意すべきは、チーム内部の慢性的な困難です。これらは他のあらゆる困難の元凶となるため、最優先で対処する必要があります。

次に、その課題が既存の知識やスキルで解決可能な「技術的課題」なのか、メンバーの価値観や行動様式の変容を必要とする「適応課題」なのかを見極めます。そして、迅速な応急処置を目的とする「緩和課題」と、根本的な原因を取り除く「根治課題」に分解することで、効果的にリソースを配分できるのです。

ステップ2:困難から学ぶ

レジリエンスの真価は、経験を組織の資産として定着させることにあります。しかし、多くのチームは振り返りの際に二つの罠に陥ります。

一つは「責任者断罪型」の振り返りで、特定の個人を非難して終わってしまうパターンです。もう一つは「仲良しサークル型」で、困難を乗り越えた達成感に満足し、具体的な教訓を得ることを怠ってしまうパターンです。

本書が提唱する「チームレジリエンス型」の振り返りでは、再利用可能な知識の創出に焦点を当てます。「何がうまくいったのか」「別のやり方はなかったか」「行動の前提となっていた思い込みは何か」といった問いを立てることで、ダブルループ学習を実現します。

重要なのは、教訓をその「痛み」の物語とセットで語り継ぐことです。記憶が風化する前に知識として定着させることが極めて重要なのです。

ステップ3:被害を最小化する

最終ステップでは、レジリエンスの焦点を事後対応から事前予防へとシフトさせます。真にレジリエントなチームは、危機を予見し、未然に防ぐ能力を高めていきます。

早期発見のためには、他チームや他業界で起きている「流行り病」から学ぶこと、そしてチーム内部の不調のサイン、特に「スケジュールの遅れ」に注目することが重要です。

発見されたリスクに対しては、潜在的な危機を想定した「避難訓練」の実施、明確な緊急時対応プロセスの整備、外部専門家リストの作成などの事前対策を講じます。

ただし、あらゆる困難を回避しようとすることの危険性も指摘されています。過度なリスク回避は組織の停滞を招くため、計算されたリスクを取りながらも、それに適切に対処できる能力を構築することが目的なのです。

レジリエンスの土台となる5つの基礎能力

3ステップサイクルが効果的に機能するためには、強固なチーム基盤が必要です。本書では、以下の5つの「チーム基礎力」を挙げています。

1. チームの一体感:共通の目標に向かって協力する力
2. 心理的安全性:非難を恐れずに発言し、挑戦できるという共通の信念
3. 適度な自信:「このチームならやり遂げられる」という集合的な自己効力感
4. 状況に適応する力:変化に対してメンバーが自律的かつ柔軟に行動できる能力
5. ポジティブな風土:楽観的で協力的な雰囲気がストレスを緩和し、創造性を促進する

これらの基礎能力なくして、真のチームレジリエンスは発揮できません。特に心理的安全性は、メンバーが「ステップ2:困難から学ぶ」を真に実践するための前提条件となります。

実践例:炎上プロジェクトの立て直し

本書のアプローチがいかに実践的かを示すため、よくある炎上プロジェクトの立て直し例を見てみましょう。

プロジェクトが炎上し、プロジェクトマネージャーが過度のストレスから休職してしまったとします。従来のアプローチでは、残されたメンバーが長時間労働でカバーしようとするかもしれません。

しかし、チームレジリエンスのアプローチは異なります:

対処:後任のリーダーは、まずチームで「課題」を定義する会議を開きます。問題は特定のバグという「技術的課題」か、クライアントとのコミュニケーションプロセス全体という「適応課題」かを見極めます。そして、直ちに行うべき「緩和課題」と根本的に解決すべき「根治課題」に分解し、立て直しのためのプロジェクト計画を策定します。

学習:状況が安定した後、チームは「チームレジリエンス型」の振り返りを実施します。前任者を非難するのではなく、「彼をバーンアウトさせた体系的な圧力は何だったのか?」「我々自身のコミュニケーション不足はどのようにそれに寄与したか?」といった問いを立てます。

被害の最小化:学習した教訓を仕組み化します。プロジェクトの健全性を定期的にチェックするミーティングを導入したり、業務負荷に関する懸念を危機に至る前に上申するための明確なルールを設けたりします。

個人の頑張りからチームの仕組みへ

本書の最も深遠な貢献は、レジリエンスの所在を「英雄的な個人」から「有能なチーム」へとシフトさせた点にあります。真の強さは一人の人間の精神力ではなく、人間関係とプロセスのシステムに宿ると説いています。

たとえば、チームの売上の大半を担っていたエース社員が突然退職した場合を考えてみましょう。個人レジリエンスに頼るアプローチでは、マネージャーが新たなヒーローになろうと週80時間働くかもしれません。

しかし、チームレジリエンスのアプローチでは:

  • まず心理的安全性の維持に注力し、チーム全体で状況に立ち向かう姿勢を示します
  • 一人が負担を背負うのではなく、チーム全体で解決策を考えます
  • エースの営業手法を分析してナレッジを共有し、他のメンバーの強みに基づいて顧客を再配分します
  • 一人のスターに依存しすぎていたプロセス自体を改善します

このアプローチにより、「エースが必要だ」という思い込みから、「我々自身がエースなのだ」という信念への転換を促すのです。

困難を成長の機会に変える組織へ

本書は、レジリエンスを単なる防御的な生存ツールではなく、組織の学習と成長を駆動するエンジンとして位置づけています。危機を体系的に教訓へと転換することで、チームは自らの「持病」を治療し、進化することができるのです。

慢性的なコミュニケーション不全に悩むチームの例を考えてみましょう。内部のコミュニケーション不足が原因で常に締切間際に混乱に陥るという「慢性的な持病」を抱えているチームが、辛い締切を乗り越えた後にこのフレームワークを適用したとします。

彼らは危機を変化の触媒として利用し、「情報共有の責任は誰にあるという暗黙の前提が我々にはあるか?」「早期に質問することを『安全でない』と感じさせる、我々の文化の何が問題なのか?」といった、より深い問いを立てます。

その結果得られるのは、新しいコミュニケーション・プロトコルだけではありません。チームは「能動的な透明性」という新たな共通の価値観を育み、メンバーはより強く結びつき、互いを信頼するようになります。これこそが心的外傷後成長(PTG)の一形態なのです。

『チームレジリエンス』は、単なるビジネス書を超えて、現代の管理職が直面する課題への実践的な解決策を提供しています。抽象的な精神論に終始せず、明日からでも使える具体的な方法論を手に入れることで、あなたのチームは困難を乗り越えるだけでなく、それを成長の機会に変える力を身につけることができるでしょう。

部下とのコミュニケーションに悩み、プレゼンテーションスキルの向上を目指し、職場でのストレスを減らしたいと考えているあなたにとって、本書は間違いなく強力な武器となるはずです。今こそ、個人の頑張りからチームの仕組みへと発想を転換し、真にレジリエントな組織を構築する第一歩を踏み出してください。

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NR書評猫048 チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方

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