スマホで「レストラン おすすめ」と検索すれば、無数の情報が出てきます。食べログのランキング、インスタグラムのハッシュタグ、まとめサイトの記事。でも、本当にあなたが求める店は、そこにあるでしょうか。
実は、多くの人が同じ情報源を見ているため、本当に良い店が埋もれてしまっています。ランキング上位の店は予約が取れず、話題の店は混雑していて落ち着けない。せっかくの外食が、情報に振り回される作業になっていませんか。
『東京最高のレストラン』編集長・大木淳夫氏の『50歳からの美食入門』は、そんな情報過多の時代に、本当に自分に合った店を見つけるための具体的な方法を教えてくれます。食べ歩き歴30年以上のプロが編み出した、SNSに頼らない店探しのノウハウは、すぐに実践できるものばかりです。
SNSの店情報は「氷山の一角」である
多くの人が頼りにする食べログやインスタグラム。しかし、これらに表示される情報は、実は飲食店全体のごく一部に過ぎません。
食べログに登録されていない店、インスタグラムに力を入れていない店、広告費をかけない店。こうした店の中にこそ、隠れた名店が存在します。オーナーシェフが料理に専念するあまり、情報発信に手が回らない店も少なくありません。
また、SNSの口コミには偏りがあります。見栄えの良い料理は写真映えするため高評価を得やすく、地味でも味わい深い料理は評価されにくい傾向があります。本当の美食は、必ずしも「いいね」の数と比例しないのです。
さらに、ランキング上位の店は常に混雑しており、予約が取りづらくなっています。せっかく良い店を見つけても、何ヶ月も先まで予約が埋まっていれば、外食の楽しみは半減してしまいます。
「食べログ」を賢く使う裏技
大木氏は、SNSに頼らない店探しの具体的な方法をいくつも紹介しています。その一つが、食べログの「投稿日順検索」です。
通常、食べログでは点数順やランキング順で検索する人が多いでしょう。しかし、大木氏が勧めるのは「投稿日順」での検索です。新しい投稿から順に見ていくことで、最近オープンした店や、まだ評価が定まっていない穴場を見つけることができます。
点数やランキングは、投稿数が多い店ほど上位に来る傾向があります。つまり、すでに有名な店が表示されやすいのです。しかし、投稿日順で見れば、新規オープンの店や、まだ知られていない店の情報をいち早くキャッチできます。
また、新しい投稿を追いかけることで、店の最新の状態を把握できます。数年前は良かったけれど、今はシェフが変わってしまった店もあります。投稿日順で見ることで、リアルタイムの情報を得られるのです。
求人サイトで「これから来る店」を見つける
大木氏が紹介するユニークな方法の一つが、飲食店の求人サイトを活用することです。
飲食店の求人サイトには、オープン予定の店が求人募集を出しています。まだ一般には知られていない段階で、どんな店が準備中なのかを知ることができます。シェフの経歴や、店のコンセプトも記載されていることが多く、自分の好みに合うかどうかを事前に判断できます。
求人情報から、その店の本気度も見えてきます。求人の文章が丁寧で、労働条件がしっかり記載されている店は、従業員を大切にしている証拠です。従業員を大切にする店は、客にも良いサービスを提供する傾向があります。
この方法なら、オープン直後の空いている時期に予約を入れることもできます。話題になって予約困難になる前に、落ち着いて食事を楽しめるのです。
クラウドファンディングで注目店を先取りする
もう一つ、大木氏が推奨するのがクラウドファンディングサイト、特にMakuakeを活用する方法です。
最近では、新規開店の資金調達にクラウドファンディングを利用するレストランが増えています。Makuakeなどのサイトを見れば、これからオープンする店の情報が詳しく掲載されています。
クラウドファンディングのプロジェクトページには、オーナーやシェフの想いが詰まっています。なぜこの店を開きたいのか、どんな料理を提供したいのか。こうした情報から、店の本質を理解できます。
また、支援者特典として、オープン前の内覧会や割引券が用意されていることもあります。支援することで、オープン前から店との繋がりを持てるのです。
PR TIMESで「プロの情報」を入手する
企業や店舗が正式な情報を発信するプラットフォーム、PR TIMES。大木氏はこれも店探しのツールとして活用することを勧めています。
PR TIMESには、レストランのオープン情報、新メニューの発表、シェフの交代などの公式情報が掲載されます。SNSの口コミと違い、店側が発信する正確な情報を得られます。
特に、グループレストランの新業態や、有名シェフの独立開業などの情報は、PR TIMESで早く知ることができます。プレスリリースには連絡先も記載されているため、直接問い合わせて予約を取ることも可能です。
また、メディア向けの試食会やイベントの情報も掲載されます。一般公開前の情報を入手できるため、他の人より一歩先に良い店を見つけられます。
高級店予約サイトで「本物」を知る
大木氏は高級店予約サイトOMAKASEの活用も提案しています。
OMAKASEは、一定レベル以上のレストランだけを扱う予約サイトです。掲載店は厳選されており、外れが少ないのが特徴です。食べログのように誰でも投稿できるわけではないため、情報の信頼性が高いのです。
OMAKASEを見ることで、飲食業界が「本物」と認める店を知ることができます。点数やランキングに左右されず、プロの目線で選ばれた店のリストは貴重な情報源です。
また、OMAKASE経由で予約すると、特別な対応をしてくれる店もあります。良質な客を紹介してくれるサイトとして、店側も大切に扱ってくれるのです。
情報収集を「趣味」にする楽しさ
大木氏が提案する店探しの方法に共通するのは、情報収集そのものを楽しむ姿勢です。
ランキング上位の店をただ訪れるだけでは、外食は受け身の娯楽にすぎません。しかし、自分で情報を集め、隠れた名店を発掘するプロセスには、能動的な楽しさがあります。
求人サイトを見ながら「この店は面白そうだ」と想像する。クラウドファンディングでシェフの想いに共感する。PR TIMESで業界の動きを追う。こうした行為は、店を訪れる前から楽しみを生み出します。
そして、自分で見つけた店で美味しい料理に出会えたとき、その喜びは格別です。誰かに教えられた店ではなく、自分で発掘した店だからこそ、愛着が湧きます。
「情報の質」が店選びの質を決める
情報過多の時代だからこそ、どこから情報を得るかが重要です。
多くの人が同じ情報源を見れば、同じ店に人が集中します。結果として、良い店でも予約が取れず、混雑で落ち着けない状況になります。
しかし、大木氏が提案する方法を使えば、人と違う情報にアクセスできます。投稿日順検索、求人サイト、クラウドファンディング、PR TIMES、OMAKASE。これらの情報源を組み合わせることで、自分だけの名店リストを作れるのです。
情報収集に少し手間をかけるだけで、外食の質は大きく変わります。SNSのランキングに頼らず、自分の足と目で店を見つける。その積み重ねが、本当の美食体験につながります。
「好み」を知ることが最強の武器
どれだけ情報収集の技術を磨いても、最終的に大切なのは自分の好みを知ることです。
大木氏の提案する方法は、単に新しい店を見つけるためだけのものではありません。様々な情報源に触れることで、自分がどんな店に惹かれるのか、どんな料理が好きなのかを理解できます。
求人情報を見て「この店のコンセプトは面白そう」と思うのか。クラウドファンディングで「このシェフの想いに共感する」と感じるのか。こうした反応から、自分の価値観が見えてきます。
自分の好みが分かれば、情報収集の精度も上がります。無駄な情報に振り回されず、本当に自分に合った店を効率的に見つけられるようになるのです。
今日から始める「自分だけの店探し」
『50歳からの美食入門』が教えてくれるのは、店探しの「技術」だけではありません。外食を趣味として楽しむための「視点」を与えてくれます。
SNSのランキングを追いかけるのではなく、自分の好奇心に従って情報を集める。誰かの評価ではなく、自分の直感を信じて店を選ぶ。その姿勢が、外食を特別な体験に変えてくれます。
今日から、投稿日順で食べログを検索してみませんか。求人サイトを覗いて、面白そうな店がないか探してみませんか。クラウドファンディングで、これからオープンする店を応援してみませんか。
その一歩が、あなたと「まだ見ぬ名店」との出会いを生み出します。情報に振り回されない、自分だけの美食の旅が、今日から始まります。

コメント