なぜあなたの部下は「やる気がない」のか?能力主義を超えた新しいマネジメント術

毎日の部下との面談で、こんな悩みを抱えていませんか?

「あの人はやる気がないのかな」
「もっと能力を磨いてもらわないと困る」
「なんで同じように指導しても、結果にこんなに差が出るんだろう」

40代のあなたなら、きっと一度は感じたことがあるでしょう。部下のモチベーション管理、人事評価の難しさ、そして自分自身のキャリアへの不安。これらすべての根源には、私たちが無意識に信じている「能力主義」という価値観があるかもしれません。

今回ご紹介する勅使川原真衣氏の『働くということ 「能力主義」を超えて』は、そんな現代の働き方の常識を根底から見直し、チーム全体が活き活きと働ける新しいマネジメントの可能性を示してくれる一冊です。

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1. 「選ばれる人材」から「関係性を紡ぐ人材」へのパラダイムシフト

これまでのマネジメントでは、個人の能力を高めて組織に貢献することが当たり前とされてきました。しかし、本書は全く違う視点を提示します。

著者は「個人が『選ばれる』ために能力を磨き続けるという、疲弊する競争のパラダイムから脱却すべき」と主張しています。つまり、部下に「もっと頑張れ」と言い続けることが、実は組織全体の疲弊を招いている可能性があるのです。

あなたも経験があるでしょう。どんなに優秀な人材を集めても、なぜかチームがうまく機能しない。個人の成績は良いのに、プロジェクトが思うように進まない。これらの問題の背景には、個人の能力だけに注目し、関係性を軽視してきた組織運営があるのかもしれません。

新しいマネジメントの核心は「関係性」にあります。部下一人ひとりの能力を競わせるのではなく、それぞれの「持ち味」や「個性」を活かし、互いが協力し合える環境をつくることこそが、真のリーダーシップなのです。

2. 一人ひとりの「持ち味」を活かす組織づくりの実践法

では、具体的にどうすれば関係性を重視した組織をつくれるのでしょうか。

本書で紹介されている考え方は実にシンプルです。「『持ち味』同士が周りの人の味わいや、要求されている仕事内容とうまく噛み合ったときが『活躍』」だというのです。

これは従来の人事評価を大きく変える視点です。例えば、あなたの部下に資料作成が苦手な人がいたとします。従来の評価では「能力不足」として扱われがちですが、関係性重視の視点では違います。その人が持つコミュニケーション力や調整力を活かせる役割を見つけることで、チーム全体のパフォーマンスを向上させられるのです。

実際の職場での活用方法を考えてみましょう。

まず、部下それぞれの「得意なこと」「やっていて楽しいこと」「自然とできてしまうこと」を把握することから始めます。これは能力評価ではなく、その人の「持ち味」を発見する作業です。

次に、プロジェクトの役割分担を考える際、個人の能力の高低ではなく、「誰と誰が組み合わさると、どんな化学反応が起きるか」を重視します。一人では解決できない課題も、異なる持ち味を持つメンバーが協力することで、想像以上の成果を生み出すことができるのです。

3. 「他者を選ぶ」から「自分のモードを選ぶ」へ

さらに興味深いのは、「他者を選ぶ」のではなく「自分のモードを選ぶ」という考え方です。

これまでのマネジメントでは、管理職であるあなたが部下を評価し、適材適所に配置することが重要とされてきました。しかし、この新しいアプローチでは、部下自身が自分の「モード」や「態勢」を選択できる環境をつくることに重点を置きます。

具体的には、部下との1on1面談で「今日はどんな気分で仕事に取り組みたい?」「今のプロジェクトで、あなたが最も力を発揮できそうな場面はどこ?」といった質問から始めてみるのです。

これは決して甘やかしではありません。むしろ、部下が自分自身の状態や能力を客観視し、最適なパフォーマンスを発揮できる環境を整える、高度なマネジメント手法なのです。

結果として、部下は「選ばれる」ことに集中するのではなく、自分の内面と向き合い、チームへの最適な貢献方法を見つけるようになります。これにより、組織全体のエンゲージメントが向上し、持続可能な成長を実現できるのです。

4. 他者とのコラボレーションが生み出す真の成果

本書が強調するもう一つの重要な点は、「仕事の成果は個人単位ではなく、常に他者とのコラボレーションによって成り立っている」という認識です。

あなたも日々の業務を振り返ってみてください。本当に一人だけで完結する仕事がどれだけあるでしょうか。資料一つ作るにも、データを提供してくれる人、チェックしてくれる人、最終的に活用してくれる人がいるはずです。

従来の人事評価システムの問題点は、この協調性や相互依存性を正しく評価できないことにあります。個人の成果だけを切り取って評価することで、本来のチームワークの価値を見落としてしまうのです。

関係性を重視したマネジメントでは、チーム全体の成果を個人の貢献として評価します。例えば、プロジェクトが成功した時、「誰が一番活躍したか」ではなく、「どのような協力関係が成功につながったか」を分析し、それぞれの貢献を認めるのです。

これにより、メンバー間の競争ではなく協力が促進され、組織全体のパフォーマンスが向上します。また、個人も自分だけでなく、チーム全体の成功を考えて行動するようになり、より充実感のある働き方を実現できるのです。

5. 実践!関係性重視のマネジメントを始める5つのステップ

では、明日からあなたの職場で実践できる具体的な方法をご紹介しましょう。

ステップ1:チームメンバーの「持ち味マップ」を作成する
まずは、各メンバーの得意分野、興味関心、過去の成功体験を整理します。能力の高低ではなく、その人らしさや個性に注目することがポイントです。

ステップ2:プロジェクトの役割分担を見直す
従来の「この人には無理だろう」という思い込みを捨て、異なる持ち味の組み合わせを意識して役割分担を決めてみましょう。

ステップ3:1on1での質問を変える
「進捗はどう?」ではなく、「今、どんなことにやりがいを感じている?」「チームの中で、あなたが最も力を発揮できる場面はいつ?」といった内面に焦点を当てた質問に変えてみます。

ステップ4:成果の振り返り方法を変える
個人の成績だけでなく、チーム全体の協力関係や相互作用に注目して振り返りを行います。

ステップ5:失敗に対する捉え方を変える
個人の能力不足ではなく、「どのような環境設定や協力関係があれば、より良い結果になったか」を考える習慣をつけます。

これらのステップを通じて、あなたのチームは競争ではなく協力を基盤とした、より人間的で持続可能な働き方を実現できるでしょう。

まとめ:能力主義を超えた新しいリーダーシップへ

勅使川原真衣氏の『働くということ』は、私たちが当たり前だと思っていた働き方の常識を見直し、より人間的で協調的な組織運営の可能性を示してくれます。

個人の能力を競わせる従来のマネジメントから、関係性を重視し、一人ひとりの持ち味を活かす新しいリーダーシップへ。この変化は、部下のモチベーション向上だけでなく、あなた自身の管理職としての充実感も大きく変えてくれるでしょう。

明日からの部下との関わり方を、少し変えてみませんか。きっと、これまで見えなかった可能性や、新しいチームの力を発見できるはずです。

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NR書評猫319 勅使川原真衣著[働くということ 「能力主義」を超えて」

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