AIは敵じゃない!創造性を拡張する最高のパートナーとして捉え直す新時代の思考法

あなたはAIの進歩に不安を感じていませんか? 「AIが人間の仕事を奪う」「創造性だけが人間の最後の砦」といった話を聞くたび、なんだか息苦しさを感じている方も多いでしょう。

でも、ちょっと待ってください。もしかすると、その不安の根源は「AIか人間か」という対立の構図で物事を考えているからかもしれません。

今回ご紹介する徳井直生氏の『創るためのAI 機械と創造性のはてしない物語』は、そんな二項対立の発想を根本から覆し、AIと人間が協働する豊かな未来を描いた画期的な一冊です。本書を読めば、AIに対する見方が180度変わり、創造性を拡張する最高のパートナーとして捉え直すことができるでしょう。

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従来の「AIvs人間」論への根本的な疑問提起

多くの議論が「AIが人間を超える」「人間は創造性で勝負するしかない」という単純な対立軸で展開される中、著者の徳井直生氏はまったく異なる視座を提示します。

徳井氏はアーティスト、AI研究者、起業家という三つの顔を持つ稀有な存在です。だからこそ、技術論に偏ることなく、また感情論に流されることもなく、実践に基づいた深い洞察を展開できるのです。

本書の核心的なメッセージは明確です。「機械は創造性を持ち得ない」という先入観を疑うべきだということ。そして「AIも人とは違う創造性を持ち得るのではないか」という新しい仮説を提案しています。

この視点の転換により、AIは単なる「道具」や「脅威」ではなく、人間とは異なる性質を持つ共生の対象として再定義されます。

「AI DJ」が示す協働の可能性

理論だけでなく、著者自身の実践例が説得力を持たせています。特に注目すべきは「AI DJ」という活動です。

これは人間がひとつの楽曲を選び、AIがそれを受けて次の楽曲を選択し、さらに人間がその流れを受けて選曲するという、交互に音楽を選択していく共同作業です。

ここで重要なのは、AIを単なるツールとして使うのではなく、パートナーとして対話している点です。AIの選択に人間が影響を受け、人間の選択にAIが影響を受ける。この相互作用から、単独では到達し得ない新しい表現が生まれるのです。

このプロセスは、創造性が「人間だけのもの」でも「AIだけのもの」でもなく、両者の相互作用から生まれることを実証しています。

歴史が教える「不完全な技術」の創造力

著者は過去の技術史からも興味深い教訓を引き出しています。

例えば、ローランドのドラムマシン「TR-808」は、発売当時は本物のドラム音を模倣することに失敗したため商業的には成功しませんでした。しかし、その「不完全さ」から生まれた独特のサウンドが、後にヒップホップやダンスミュージックといった新しい音楽ジャンルの基礎を築いたのです。

同様に、AIの創造性を評価する際も、その完璧な模倣能力ではなく、ズレや不協和音にこそ価値を見出すべきだと著者は主張します。AIが「人間らしく」振る舞うことではなく、AIならではの異質な創造性を発揮することに真の可能性があるのです。

創造性の新しい定義と類型

本書では、英国の心理学者マーガレット・ボーデンが提唱する創造性の三つの類型が紹介されています。

組み合わせ的創造性は既存のアイデアを新しく組み合わせること、探求的創造性は特定のルールの中で新しい可能性を探ること、そして変革的創造性は既存のルール自体を変革することです。

現在の生成AIは主に「組み合わせ的創造性」の領域で力を発揮します。しかし、これは決して劣った創造性ではありません。むしろ、人間とAIがそれぞれ得意な創造性を活かして協働することで、より豊かな表現が生まれる可能性を示しているのです。

クリエイターと消費者の境界を溶かす未来

AIの発展は、従来の「クリエイター→作品→消費者」という一方向的なモデルも変えようとしています。

AIが消費者からのフィードバックを学習し、作品を絶えず更新していく「創造のループ」が生まれる可能性があります。これにより、クリエイターと消費者の境界が曖昧になり、すべての人が創造プロセスに参加できる時代が到来するかもしれません。

新時代の創造性への招待

本書を読むと、AIに対する見方が根本的に変わります。「AIに仕事を奪われる」という恐怖から「AIと一緒に新しいものを創る」という期待へと、心境が大きく変化するでしょう。

著者が実践してきた数々の協働プロジェクトは、理論だけでなく実際の成果として、AIとの新しい関係性の可能性を示しています。

AIを敵視するのでも、盲信するのでもなく、対等なパートナーとして向き合う。この姿勢こそが、創造性豊かな未来への扉を開く鍵なのです。

本書は、AI時代を生きるすべての人にとって必読の一冊です。技術の進歩に不安を感じている方も、創造的な仕事に携わっている方も、きっと新しい視点と希望を見つけることができるでしょう。

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#NR書評猫1005 徳井 直生 創るためのAI 機械と創造性のはてしない物語

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