業績向上の隠れた鍵:「やめること」の力を見直す


43歳のマーケティング部門マネージャーとして、日々様々な課題に直面していることでしょう。新しい施策を積み重ねることばかりに意識が向きがちですが、実は「やらない方がいいこと」を排除する方が、はるかに効果的な改善をもたらすことが、最新の研究で明らかになっています。

なぜ「やめること」が重要なのか

多くの組織では、業績向上のために新たな取り組みを次々と開始しますが、これが逆効果を生むことが少なくありません。業績がいまいちな個人や組織は、往々にして「新たに何をやるのか?」に目が向きがちで、どんどんやることばかりが増えてしまいます。

実際のところ、組織において最も課題となっているのは「パフォーマンス発揮度を客観的に把握していない」ことが第一位で、次点が「パフォーマンス発揮と結びついたフィードバックや評価の欠如」であることが、2023年の組織環境調査で明確になっています。

無意識に業績を下げる5つの隠れた要因

会議の無駄

現代の職場では、会議の30%の時間しか本来の目的に使われていないという調査結果があります。特に問題となるのは以下の会議です:

  • 準備に時間がかかりすぎる会議:社内会議で過度な資料作成を求める
  • 目的が定まっていない定例会議:慣例として行われるだけの報告会議
  • 参加者が多すぎる会議:必要のないメンバーまで巻き込む
  • 決議が先延ばしされる会議:結論を出すことなく終わる

コミュニケーションの無駄

日常的なコミュニケーションにも多くの無駄が潜んでいます。特に注目すべきは:

  • 不要な敬語の多用:「させていただく」の不自然な使用
  • 冗長な言い回し:本質的でない接続詞や修飾語の連発
  • 一方的な情報発信:相手のニーズを考慮しない自社商品のアピール

デジタル機器による集中力の分散

アメリカの調査によると、就業者の約9割が仕事中にインターネットを私的に利用しており、8割以上が私的メールを送信しています。これらの行動は無意識に行われることが多く、生産性に大きな影響を与えています。

完璧主義による作業効率の低下

完璧主義は一見良いことのように思えますが、実際には以下の問題を引き起こします:

  • 作業効率の低下:細部にこだわりすぎて優先順位を見失う
  • ストレスとバーナウトのリスク:過度な責任感による燃え尽き症候群
  • 創造性の欠如:失敗を恐れて新しい挑戦を避ける
  • チームワークの妨げ:他人にも同じ基準を要求してしまう

フィードバック不足による悪循環

上司からのフィードバックが不足すると、以下の悪循環が生まれます:

  • 従業員のモチベーション低下
  • 業務改善の機会損失
  • パフォーマンスの停滞

40代マネージャーが今すぐやめるべき5つのこと

1. 意味のない定例会議の継続

毎週行っている定例会議を見直してください。議題が乏しい場合は開催を見送る判断も必要です。質問の余地がない伝達事項だけなら、メール連絡で十分です。

2. 過剰な資料作成

社内会議のために時間をかけて資料を作成することをやめましょう。重要データのみをまとめた簡易レポートに変更し、電子化ファイルで共有することで準備時間を大幅に削減できます。

3. 不必要な承認プロセス

いくつもの承認を必要とする手続きは簡素化しましょう。「上司の承認を必須とする業務」を減らすことで、作業効率が格段に向上します。

4. 完璧主義的な品質追求

過剰な仕上げ作業や、品質基準を上回る精度での作業を見直してください。「できる範囲で最善を尽くす」ことを認め、実行可能な結果に価値を置くことが重要です。

5. 無駄な気遣いやコミュニケーション

日本企業の低い生産性は、無駄な会議や無駄なレポート、無駄な気遣いが多すぎることに起因しています。相手の時間を効率的に活用するため、余計な言葉は省くよう心がけましょう。

「やめる」ことで得られる具体的な成果

時間の有効活用

無駄な会議を減らすことで、その時間分を手持ちのタスクに充てることができ、生産性が大幅にアップします。実際に、JAC Recruitmentではジュニアクラスの求人を「注力しない」と意思決定することで、成約単価も上がり、求人決定率も向上しています。

チームの結束力向上

効率の良い会議に切り替えることで、円滑なコミュニケーションが求められ、メンバー全員の意見が必要とされるようになります。これにより仲間意識が高まり、結束力がアップします。

ストレスレベルの軽減

自己批判的な態度を改めることで、リスクを過大に捉えて消極的になることを防げます。パフォーマンスの高いチームは、ネガティブなフィードバック1つに対してポジティブなフィードバックが6つある状態を保っています。

明日から実践できる3つのアクション

1. 週次会議の棚卸し

今週参加したすべての会議をリストアップし、それぞれの必要性を「高・中・低」で評価してください。「低」評価の会議は次週から参加を見直しましょう。

2. コミュニケーションの簡素化

自分の話し方を録音し、不要な言葉や冗長な表現をチェックしてください。「させていただく」「〜の方ですが」などの無駄な表現を減らすだけで、相手の理解度が向上します。

3. デジタル断食時間の設定

1日2時間、スマートフォンやSNSを完全に遮断する時間を設けてください。この集中時間を最も重要なタスクに充てることで、フロー状態を維持できます。

未来への展望

デジタル化や業界変化が加速する中で、「やらないこと」を明確にする能力は、40代マネージャーにとって最も重要なスキルの一つとなります。限られたリソースを最大限に活用し、本当に価値のある活動に集中することで、個人の市場価値向上と組織の競争力強化を同時に実現できるでしょう。

強い営業組織は「やると決めたらやる組織」であると同時に、「やめると言ったら全員即座にやめる組織」でもあります。この考え方を身につけることで、あなたのマネジメント能力は格段に向上し、チーム全体のパフォーマンス向上につながるはずです。

注意

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