日本では「お金の話はタブー」とされ、稼ぐことに対して罪悪感や居心地の悪さを感じる人が非常に多いのが現実です。しかし、冷静に考えてみれば、お金を稼ぐということは社会に価値を提供している証拠に他なりません。この記事では、日本人特有の「稼ぐことへの罪悪感」の正体を明らかにし、40代のビジネスパーソンが今後のキャリアを考える上で必要な「お金のマインド改革」について詳しく解説します。なぜ私たちは堂々と「稼ぎたい」と言えないのか、そしてどうすればその思い込みから解放されるのかを一緒に考えていきましょう。
日本人特有の「清貧の美徳」がもたらす稼ぐことへの罪悪感
江戸時代から続く身分制度の影響
日本人がお金を稼ぐことに罪悪感を抱く背景には、江戸時代の「士農工商」という身分制度が深く関わっています。武士階級では「清貧の美徳」が重視され、お金よりも心が大事という価値観が根付いていました。この時代、武士は茶屋や飲み屋で「いくらだ?」と値段を尋ねることなく支払いを済ませることが社会的な品位を保つ方法とされていました。こうした「お金の話をするのは下品」という感覚が、現代の日本人にも無意識に受け継がれているのです。
江戸時代の武士にとって、金銭のやり取りを明確に値段を問うことなく済ませることは社会的な立場を示す重要な行為でした。価格を尋ねる行為は身分を下げると考えられており、上級階級は自分の社会的地位に恥じない行動をとることが求められていました。このような文化的背景から、お金について積極的に語ることが「品のない行為」として捉えられる土壌が形成されたのです。
また、戦後の高度経済成長期に根付いた「終身雇用」「年功序列」の考え方も大きな影響を与えています。年功序列制度では、年齢や勤続年数が増えると賃金も上昇する仕組みが確立され、「会社に尽くせばなんとかなる」という考えが多くの人の中に染みついています。この制度は従業員の帰属意識を高め、定着率を向上させる効果がある一方で、「自分で稼ぐ力を持つ必要はない」という思考を生み出しました。
現代に残る「お金は汚いもの」という思い込み
現代の日本社会でも、「お金の話をするのは下品」という空気が根強く残っています。家庭においても学校においても、お金に関する教育は十分に行われておらず、多くの人が「お金の貸し借りは絶対にやめなさい」程度の教育しか受けていません。学校での金融教育も「資本主義とは〇〇である」という単語の説明程度にとどまり、実践的なお金の知識を学ぶ機会がほとんどありません。
この状況について、ある研究では日本人の67.5%が「お金に関して他人に嫉妬をしたことがある」と回答しており、その最大の理由は「同僚のほうが給与が高いことがわかった時」(29.3%)でした。日本人の平均年収は30年間ほぼ変わっておらず、社会が豊かにならない中で他人が大きく稼ぐ様子を目にすると、無意識のうちに「なぜ自分は報われないのか」という感情が湧き上がります。
特に注目すべきは、日本では「努力すれば必ず報われる」という教育を長年受けてきたにも関わらず、現実は必ずしもそうではないと知ったとき、他人の成功を称賛するよりも妬みという形で処理してしまう傾向があることです。これが稼ぐことに対する罪悪感を増幅させる要因となっています。
欧米との価値観の違いが示す「稼ぐことの本質」
海外では「稼ぐこと=素晴らしいこと」という常識
一方、アメリカやヨーロッパでは「稼ぐこと」はむしろポジティブな意味で語られます。「どうやって稼ぐ?」「何に投資する?」「自分の資産をどう増やす?」といったお金の話は、日常の中で自然に交わされる会話の一部です。この背景には、欧米では子どもの頃から「金融教育」が当たり前に行われているという事実があります。投資、資産形成、ビジネスの考え方を学校でも学ぶため、稼ぐことに引け目を感じる必要がないのです。
欧米の企業文化では、同じ会社に居続けることは当たり前ではなく、むしろ「ずっと同じところにいるのは能力がないバロメーター」という考えの人もいるほどです。日本では同じ会社で出世する人が能力が高いと言われる一方で、海外では転職やキャリアアップを繰り返すことが自然な成長過程として受け入れられています。
成果主義と年功序列の根本的な違い
成果主義制度では、年齢や勤続年数に関係なく、個々の実力や成果によって給与や昇進が決まります。これは個々人の実力や成果に関係なく、年齢や勤続年数によって処遇を決める年功序列制度とは対照的です。成果主義の環境では、力さえあれば若い人材でも評価されやすく、個人の生産性向上が期待できます。
しかし、日本の年功序列制度にもメリットがあります。従業員にとってキャリアプランが立てやすく、「入社後数年で主任、10年以内に係長、十数年で課長」といった見通しが立つため、結婚や住宅購入などの人生設計も立てやすくなります。また、評価基準がわかりやすく、従業員の帰属意識が高まり定着率が向上するという効果もあります。
現代日本における「自分で稼ぐ力」の重要性
終身雇用神話の崩壊と新しい働き方
かつての「会社にいれば安心」という時代は、もう過去のものとなりました。終身雇用は崩れ、若い世代ほど転職やキャリアアップを繰り返すのが当たり前になっています。賃金格差も広がり、倒産やリストラによる整理解雇は、いつ誰に起きてもおかしくない時代です。
現在の日本は「誰も守ってくれない時代」に突入しており、これからは「自分の身は自分で守る」時代だと言えます。会社や誰かが守ってくれるという考えは、もはや幻想に過ぎません。数年後の未来を考えたとき、「自分で稼ぐ力」を持つことが最強の武器になるのです。
副業・複業時代の到来
現代のビジネス環境では、会社員として働きながら副業や複業に取り組む人が増えています。アンケートモニターのような手軽な副業では、月1万円程度の収入を得ることができますが、本格的な収入源として考えるには限界があります。一方で、本格的な副業に取り組む場合、「知り合いが副業で稼いでいることがわかったとき」に嫉妬を感じる人が18.5%いるという調査結果もあります。
しかし、このような嫉妬の感情に囚われるのではなく、むしろ稼いでいる人から学ぶ姿勢が重要です。ひろゆき氏が指摘するように、「お金持ちに嫉妬すること」をやめ、大富豪や成功者の足を引っ張るのではなく、うまく共存する道を探ったほうが建設的です。成功している人たちは日本国内にお金を落としてくれる存在でもあり、経済全体にとってプラスの効果をもたらします。
お金に対する考え方を変える具体的な方法
「稼ぐこと=価値提供」という認識の転換
お金を稼ぐことに罪悪感を抱く人の多くは、お金を稼ぐことを「他人から奪う行為」だと誤解しています。しかし、実際にはお金を稼ぐことは「価値の交換」であり、相手が自分の意思でお金と商品やサービスを交換しているのです。
人に何かを売るということは、商品の価値とお金の価値が同じだから交換が成立するのであり、これは「略奪」ではなく「交換」なのです。お金は便利な価値の媒体として機能し、どんなサイズの価値にも合わせることができる優れたツールです。社会の発展にはお金が必要であり、道路、病院、学校の建設から救急車による命の救助まで、すべてにお金が必要です。
「お金=感謝のエネルギー」という考え方
お金に対する見方を変える有効な方法の一つは、「お金=感謝のエネルギー」という考え方を採用することです。お客さんが商品やサービスに対価を支払うということは、その価値に対する感謝の表現でもあります。この視点から見ると、お金を受け取ることは相手からの感謝を受け取ることであり、罪悪感を抱く理由はありません。
また、自分の価値を認め、適正な対価を求めることは健全な経済活動の一部です。「好きなことを仕事にする=甘い」という思い込みを捨て、「好きなことだからこそ価値を提供できる」という考え方に転換することが重要です。楽しみながら稼ぐことは決して悪いことではなく、むしろ持続可能で質の高い価値提供につながります。
幼少期からの刷り込みを認識し克服する
お金に対する罪悪感の多くは、幼少期の親や身近な人からの刷り込みによるものです。「うちは貧乏なんだからそんな高いもの買えない」「金持ちは大抵卑劣な人間ばかりだ」「一生懸命汗水流してこそお金をいただける」といった言葉を聞いて育った人は、お金に関するマインドがネガティブに形成されがちです。
しかし、これらの思い込みは変えることができます。過去を深掘りして、お金に対するネガティブな感情の原因を特定し、それが単なる思い込みであることを認識することが第一歩です。多くの場合、本人も比較的すんなりと原因となった出来事を思い出すことができ、それを客観視することで感情的なブロックを解除できます。
40代からの「稼ぐマインド」構築法
堂々と「稼ぎたい」と言える自分になる
「お金を稼ぎたい」と思うのは、誰もが持つ当たり前の感情です。より良い暮らしがしたい、家族に美味しいものを食べさせたい、旅行に行きたい、欲しいものを買いたい──これらはすべて健全な欲求です。「稼ぎたい」と声に出して、堂々とその想いを持つことから始めましょう。
もし「そんなにお金が欲しいの?」と聞かれたら、「はい、もちろんです!5億円くらい欲しいです!」と返すくらいの気持ちを持つことが大切です。これは決して恥ずべきことではなく、むしろ誠実で健全な姿勢だと言えるでしょう。
市場価値向上への投資マインド
40代のビジネスパーソンにとって重要なのは、自分の市場価値を継続的に向上させることです。デジタルマーケティングの台頭で従来のスキルや知識の陳腐化を実感している人も多いでしょうが、これは新しいスキルを身につける絶好の機会でもあります。
会社に依存しない収入源や専門性を作るためには、まず「稼ぐ側の考え方」を学ぶことから始めることが効果的です。稼ぐためのマインドセット、日本人特有の思い込みの外し方、小さく稼ぐ最初の一歩、実際に稼いでいる人の考え方を段階的に身につけていくことで、選べる未来を持つ側に移行することができます。
継続的な学習と実践の重要性
40代からのキャリア戦略では、現在の仕事を続けながら新しい収入源を開拓することが現実的です。高額な副業コースや教育プログラムに参加して成果を上げている人も多く、12万円から50万円程度の自己投資で大きな成果を得ている事例も報告されています。
重要なのは、投資した金額以上の価値を提供できるよう自分を高め続けることです。70代でも新しいビジネスに挑戦し、オンラインサロンで220名の集客に成功したり、25万円の高額商品を販売したりしている事例もあり、年齢を理由に諦める必要はありません。
まとめ:稼ぐことを肯定し、豊かな未来を築く
日本人特有の「稼ぐことへの罪悪感」は、江戸時代から続く文化的背景と戦後の雇用システムによって形成された思い込みに過ぎません。欧米では稼ぐことがポジティブに捉えられており、金融教育も充実していることから、私たちも意識を変える必要があります。
現代は終身雇用神話が崩壊し、自分で稼ぐ力を持つことが最重要な時代です。お金を稼ぐことは価値提供の証拠であり、社会に貢献する行為でもあります。40代からでも遅くありません。堂々と「稼ぎたい」と言い、継続的に学習し、自分の市場価値を向上させることで、経済的自立と心の豊かさの両方を手に入れることができるのです。
今後の展望として、日本でも金融教育の充実や起業支援制度の拡充が期待されます。個人レベルでは、お金に対する古い価値観を手放し、新しい時代に適応したマインドセットを身につけることが、豊かで自由な人生を送るための鍵となるでしょう。
参考情報
- note「日本人はなぜ『お金を稼ぐこと』に罪悪感を抱いてしまうのか?」https://note.com/hidesbiz/n/n7d8d4a016fef
- note「なぜ、日本人はお金の話をしないのか」https://note.com/tomoshiro1023/n/nb1d0280928ed
- ダイヤモンド・オンライン「ひろゆきが呆れる『お金持ちに嫉妬する人』の残念な特徴」https://diamond.jp/articles/-/300962

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