戦略の本質は「捨てること」にあり!負けてもいい勝負から考える経営戦略の極意


現代のビジネス環境で生き残るためには、戦略的思考が欠かせません。特に中小企業のマーケティング部門では、限られたリソースで最大の成果を上げる必要があります。「すべてに全力」では勝てない時代、何を捨て、何に集中するかが成功の鍵となっているのです。

戦略とは「捨てること」である-マイケル・ポーターの洞察

経営学の巨人、マイケル・ポーターは「戦略とは何かを捨てること」と明言しています。この一見シンプルな言葉に戦略の本質が凝縮されています。

なぜ「捨てる」ことが重要なのでしょうか?それは企業の「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源が有限だからです。あれもこれもと手を広げすぎれば、結果的にどれも中途半端になってしまいます。

ポーターはさらに「真の戦略は、トレードオフを伴うものである」とも述べています。トレードオフとは、何かを選ぶ代わりに何かを捨てる決断のことです。例えば、高品質を追求すれば低価格は難しくなり、専門性を高めれば総合性は失われます。

「選択と集中」の経営戦略

この考え方は「選択と集中」という経営戦略にも通じています。中核となる事業(コア事業)に経営資源を集中させ、非中核事業を縮小または売却することで企業価値を高める戦略です。

この戦略はピーター・ドラッカーが提唱し、GEのCEOだったジャック・ウェルチが実行に移したことで世界中に広まりました。ウェルチは「市場で1位もしくは2位になれそうな部門だけを社内に残し、それ以外の部門は縮小または閉鎖する」という徹底ぶりで、GEの業績を飛躍的に成長させたのです。

「負けてもいい勝負」から戦略を考える重要性

ここで重要なのが「負けてもいい勝負」という発想です。すべての戦いで勝とうとするのではなく、あえて「ここは負けてもいい」と決めることで、真に「負けてはいけない勝負」が明確になります。

例えば、APEXやValorantといったゲームの世界では、小さな勝負に相手の注意を引きつけ、本命の手駒で王手をかけるという戦略が有効です。これはビジネスでも同様で、すべての市場で戦うのではなく、勝てる市場を見極めることが大切なのです。

なぜ「負ける勝負」を明確にすることが重要か

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」という野村克也元監督の言葉があります。これは「負けるときには必ず理由があり、勝つときでも何か負ける要素があるかもしれない」という意味です。

つまり、成功には偶然の要素がありますが、失敗には必ず再現性があります。戦略とは「戦いを略す」と書くように、戦わずして勝つこと、やってはいけないことを知ることが重要なのです。

大企業VS中小企業の戦略の違い-ランチェスターの法則から学ぶ

戦略を考える上で役立つのが「ランチェスターの法則」です。この法則によれば、弱者(中小企業)と強者(大企業)では取るべき戦略が異なります。

第一法則:弱者が強者を倒す法則

戦闘力=武器効率(質)× 兵力数(量)

この法則は、弱者がニッチなジャンルに特化して局地戦を挑むべきことを示しています。中小企業は特定の市場や製品に集中し、そこで圧倒的な強みを持つことで大企業に勝てるのです。

第二法則:強者が勝ち続ける法則

戦闘力=武器性能(質)× 兵士数(量)× 兵士数(量)

大企業は資本を活かしてあらゆるジャンルに参入し、局地戦を許さない戦略を取ります。マーケットでの地位が強い企業は、商品戦略を総合的に、地域戦略を広域的に展開することで優位に立てるのです。

実践!戦略立案の具体的手順

では、具体的にどうやって「負けてもいい勝負」と「負けてはいけない勝負」を見極め、効果的な戦略を立てればよいのでしょうか?

1. 自社と競合の位置関係を把握する

コトラーの「4つのポジション」理論によれば、市場での地位は「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」「ニッチャー」に分類できます。まずは自社がどのポジションにあるかを見極め、それに応じた戦略を取ることが重要です。

中小企業の多くは、大きな市場では「フォロワー」にならざるを得ませんが、小さな市場では「ニッチャー」として独自のポジションを確立できる可能性があります。

2. 事業ポートフォリオを作成する

自社の各事業の収益性・成長性・安全性などを可視化し、コア事業と非コア事業を見極めます。限られた経営資源をどの事業に集中させるべきかを判断するための基礎となります。

3. プレモータム・シンキングを実施する

「自己中心性バイアス」から脱却するために、仮想敵を想定して「この施策が失敗するとしたら、なぜか?」を考えるプレモータム・シンキングが有効です。

例えば、新製品開発において「競合他社が3カ月先行して発売する」という最悪のシナリオを想定することで、計画の穴を事前に発見できます。

4. 集中戦略の実行

市場を細分化し、自社の強みを最大限に生かせる市場セグメントを選び、そこに経営資源を集中投下します。例えば、小さな居酒屋が大手チェーンと競争するには、特徴あるメニューへの絞り込みや地域限定の広告など、資源を集中した戦略が効果的です。

5. 定期的な戦略の見直し

市場環境や競合状況は常に変化します。「負けてもいい勝負」と「負けてはいけない勝負」の区別も固定ではなく、定期的に見直す必要があります。

戦略は「何をするか」より「何をしないか」を明確にすること

良い戦略の基本は「最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつけること」、あるいは「最も効率が上がりそうなところに最強の武器を投じること」です。そのためには、限られたリソースを集中させるべき場所と、あえて手を出さない領域を明確にする必要があります。

多くの組織が的を絞った戦略を立てようとしない理由は、様々な利害関係者の要求に応えようとするからです。良い戦略に必要なのは、様々な要求にノーと言えるリーダーシップなのです。

戦略を立てるときは「負けてもいい勝負」から決めることで、本当に集中すべき「負けてはいけない勝負」が浮き彫りになります。これは資源が限られた中小企業こそ実践すべき考え方です。

リソースの限られた中小企業やベンチャー企業でも、ランチェスターの第一法則をもとに工夫を重ねれば、大企業に勝ることができます。大手企業の反撃(第二法則)を意識しつつ、「特許」や「小さい会社ならではの強み」で守りを固めていきましょう。

最後に、成功条件を追い求めることは不可能に近いですが、失敗の本質を学び、「踏んではいけない地雷」を知って除去することが、結果的に成功への近道となるのです。

参考サイト

シンダンクラウド
https://shindancloud.com/trend/893/

気づき、今ここ、つながり
https://ameblo.jp/nyr-esalen/entry-12365597148.html

日本M&Aセンター
https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2022/x20220907-1/

一望千里
https://www.1bousenri.jp/blog/421/

「7つの片付け習慣術」
https://omuranobuo.com/538/


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