
移籍を繰り返す「ノウハウ横流し」管理職への対処法
社外秘の知識を武器にステップアップを狙う??
一見スマートでも、法的リスクと信頼損失の両刃の剣です。
1. そもそも法的にアウト?
- 日本では営業秘密を持ち出す行為は不正競争防止法で禁じられ、懲役10年以下または罰金2,000万円以下の刑事罰が科されるおそれがあります。
- 退職後も秘密保持義務は基本的に存続。競合企業で「前職の資料を共有して活用」すれば、差止め請求や損害賠償の対象になります。
2. 「情報を持っている=優秀」は錯覚
- 短期的な成果は出せても、組織に浸透した後は新ネタが尽き失速しやすい。
- ノウハウ流用が評判になれば、業界内で「あの人=リスク」の烙印。中長期のキャリアを逆に狭めます。
3. 見抜くポイント
| チェック項目 | 具体例 | リスク度 |
|---|---|---|
| 発言の中身 | 「前職で○○を抜いた Excel を持っている」 | 高 |
| コミュニケーション | 組織外でのオフレコ話がやたら多い | 中 |
| 書類管理 | 会社PCではなく私物USBに保存 | 高 |
4. マネージャーが取るべき3ステップ
- 契約ベースを固める
- 入社時のNDAと競業避止条項を再確認し、曖昧なら労務・法務と改訂。
- 再発防止プロセスを作る
- ファイル持出しをログで監視。権限管理を部署任せにしない。
- 「姿勢」で線を引く
- 機密持出しを暗示する発言があればすぐに面談。「成果より信頼が先」を明言して握る。
5. 信頼こそ長期的な経営スキル
- 真に強い経営者は知識の深さより“信頼資本”の厚さで周囲を動かします。
- 部下・取引先が安心して情報を共有できる環境をつくる方が、結局は競合優位を築く近道です。
まとめ
ノウハウの横流しで出世を狙う手法はリスクが大きく、長期的にはキャリアも組織も損ないます。法的枠組み+組織体制+マネージャーの姿勢の3点セットで「誘惑」を封じ、信頼と公正を軸にした競争力強化を図りましょう。
参考情報
・経済産業省「営業秘密の保護・活用ハンドブック」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook.pdf
・ひまわり法律事務所「不正競争防止法による営業秘密の保護」 https://www.himawari-law.jp/column/tradesecret.html
・IPA「情報セキュリティ10大脅威(内部不正)」 https://www.ipa.go.jp/security/

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