社内の若手にSNSの活用法を聞かれて答えに詰まったことはありませんか?刻々と変わるデジタル環境に追いつけず、自分の市場価値が下がっているのではないかと不安になることも多いのではないでしょうか。現代のビジネスパーソンにとって、情報発信力は必須のスキルとなりました。
情報発信の女王・安藤美冬とは誰か
安藤美冬さんは、1980年東京生まれ。慶應義塾大学在学中にオランダ・アムステルダム大学への交換留学を経験し、卒業後は集英社で働いた後に独立しました。
彼女が注目を集めたのは、2010年代初頭。FacebookやTwitterなどのSNSを駆使して情報発信を行い、「SNSの女王」「元祖ノマドワーカー」と呼ばれるようになりました。パソコンとスマートフォンだけを持ち、世界48ヵ国を旅しながら仕事をする彼女のライフスタイルは、多くの人の憧れとなりました。
彼女の活動が注目されるにつれ、2012年には人気番組『情熱大陸』にも出演。SNSを活用した情報発信により、まったく無名のOLが退職からたった1年半で、雑誌やwebの連載を複数抱え、報道番組のコメンテーターとして活躍するまでになったのです。
「ノマドワーカー」という新しい働き方の先駆者
「ノマドワーカー」という言葉は、「遊牧民」を意味する「ノマド」と「働く人」を意味する「ワーカー」を組み合わせたもので、ノートパソコンやスマートフォンなどを使い、オフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指します。
この働き方が広く知られるようになったのは、安藤美冬さんの活動が注目されるようになった2012年頃からです。彼女は場所に縛られない働き方を実践し、自由なライフスタイルと仕事の両立を可能にしました。
当時としては非常に先進的なこの働き方は、今や「テレワーク」「リモートワーク」として一般化し、特にコロナ禍以降は多くの企業で導入されています。彼女が10年以上前に実践していた働き方が、今や新しい標準になっているのです。
SNSからの決別と新たな情報発信へのシフト
しかし興味深いことに、「SNSの伝道師」と呼ばれた安藤美冬さんは、2018年にすべてのSNSを手放す決断をしました。Twitterのフォロワー数は5万人を超え、Facebookでは友達申請の数がパンクするほどの人気を誇っていたにもかかわらず、彼女はSNSと訣別したのです。
この決断について安藤さんは、むやみやたらに人と「つながらない」選択が重要だと考えるようになったと語っています。SNSの刹那性や、常に情報を発信し続けなければならないプレッシャーから解放されるために、一度すべてのSNSを削除したのです。
2020年3月頃から、彼女は再び情報発信を始めました。しかし今度はSNSではなく、ネットラジオ、ブログ、そしてYouTubeを中心とした発信に切り替えています。彼女の新しい発信方法は、SNSの「今」伝わることを意図するメディアから、ブログのような「いつか」伝わることを目的としたメディアへとシフトしたのです。
情報過多時代に生き残るセルフブランディング術
安藤美冬さんの軌跡から、私たちビジネスパーソンが学べることは多くあります。特にマーケティング部門で働く方々にとって、彼女の情報発信術は参考になるでしょう。
質の高いコンテンツで差別化を図る
安藤さんは「肩書きや専門領域にとらわれず多種多様な仕事を手掛ける」と言われていますが、実際には「自分の体験から得た学びや気づきを著作や講演で発信」するという一貫した姿勢を持っていました。数多くの情報が飛び交う現在、自分自身の経験や専門知識に基づいたオリジナルのコンテンツを提供することが重要です。
メディアを「所有」する意識を持つ
SNSは便利なプラットフォームですが、そのルールはいつでも変更される可能性があります。安藤さんが後にブログなどの「自分が所有するメディア」へと移行したように、企業も自社サイトやメールマガジンなど、自分たちでコントロールできるメディアを持つことが大切です。
一貫したメッセージを発信する
安藤さんは「海外を旅しながら働く」という自身のライフスタイルと、そこから得られた知見を一貫して発信してきました。雑誌連載やテレビ出演、講演など様々な場で「パソコンひとつで、地球全体が仕事場」というメッセージを伝え続けたことで、彼女の強いブランドイメージが形成されたのです。
メディアの変化に敏感になる
安藤さんがSNSから離れた理由の一つは、メディアの本質を見極めたからでしょう。SNSの流行り廃りを敏感に察知し、新しいメディアへと柔軟に移行する姿勢は、デジタルマーケティングに携わる私たちにとって重要な示唆となります。
40代のキャリア戦略に不可欠な情報発信力
40代のビジネスパーソンにとって、情報発信力を高めることは今後のキャリア戦略において非常に重要です。特にデジタル化が進む現代において、情報発信ができないことは致命的な弱点になりかねません。
自分自身のメディア化で市場価値を高める
安藤さんの成功は、自分自身をメディア化したことにあります。特定のスキルや経験を持つだけでなく、それを効果的に発信することで、自分の価値を社外にも知らしめることができるのです。専門性を高めながら、それを発信する術も身につけることで、会社に依存しない自分ブランドを構築できます。
転職市場での優位性を確保する
年齢を重ねるほど転職市場でのハードルは上がりますが、情報発信を通じて自分の専門性や人柄を広くアピールすることで、新たなチャンスを引き寄せることができます。会社の肩書だけではなく、自分自身の強みを市場に知らしめることが重要です。
副業・複業につなげる足がかり
情報発信はそれ自体が副業になり得るだけでなく、新たな仕事の機会を生み出す可能性も秘めています。安藤さんのように、発信した内容から講演依頼や執筆依頼を受けることもあるでしょう。本業で培ったスキルや知見を発信することで、副収入の柱を作ることも可能になります。
「つながらない」選択も大切にする
安藤さんがSNSを手放した決断からも学ぶべき点があります。常に情報を発信し続けることは大きな負担になります。時には「つながらない」選択をすることで、自分自身を見つめ直す時間を確保することも大切です。
短期的な反応を追い求めるSNSよりも、長期的に価値を持つコンテンツの制作に注力することで、より持続可能な情報発信が可能になります。SNSは便利なツールですが、それに振り回されないようにコントロールすることが重要です。
これからの情報発信のあり方
安藤美冬さんの軌跡は、情報発信のあり方が常に進化していることを教えてくれます。SNSからブログ、ネットラジオ、YouTubeへと形を変えながらも、本質的な価値提供を続けることの重要性を示しています。
これからのビジネスパーソンに求められるのは、単なる情報の発信ではなく、自分だけの視点や経験を活かした独自のコンテンツを作り出す力です。そして何より、メディアや手法に固執せず、時代の変化に合わせて柔軟に適応していく姿勢が重要でしょう。
安藤美冬さんのように、一度立ち止まって自分の発信のあり方を見直す勇気も必要かもしれません。それが結果的に、より本質的で価値のある情報発信につながるのです。
参考サイト:
安藤美冬 OFFICIAL SITE https://andomifuyu.com
エール株式会社 https://aile-official.co.jp/media/woman202008/
不二草紙 本日のおススメ http://fuji-san.txt-nifty.com/osusume/2020/03/post-b33f55.html

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