「このままでいいのだろうか」と感じることはありませんか?毎日同じルーティンをこなし、安定した日々を送ることは心地よいものです。しかし、その快適さの裏で私たちの脳は徐々に活力を失っているかもしれません。新しい挑戦こそが、脳の活性化と成長の鍵なのです。
新しい挑戦をしないとどうなるのか
日々の生活やビジネスにおいて、ルーティン作業は避けられないものです。しかし、長期間にわたって新しいことに挑戦せず、同じパターンを繰り返していると、実は私たちの脳は徐々に機能を低下させていきます。
「ルーティンは、脳機能の向上にとって最大の敵です」と指摘されています。習慣化された手順で物事を進めることで日常生活は楽になりますが、考える必要がほとんどなくなり、頭をあまり使わなくなってしまうのです。これは脳の神経回路が固定化され、新たな接続が生まれにくくなることを意味します。
私たちのビジネスパーソンとしての競争力も同様です。特に40代のキャリアにおいては、これまでの経験や知識だけに頼っていると、急速に変化する市場環境や新しいテクノロジーについていけなくなるリスクがあります。変化を恐れ、新しいことに挑戦しない姿勢は、キャリアの停滞や市場価値の低下につながりかねません。
脳が退化するメカニズム
脳が活性化するためには、脳神経細胞を増やすこと、神経細胞同士のつながり(ネットワーク)を増やすこと、神経細胞そのものを専門的な機能を持つ細胞に変えることが重要です。しかし、いつも同じことを繰り返しているだけでは、これらのプロセスは十分に機能しません。
たとえば、「テレビで見る番組はいつも決まっている」「買い物をする店はいつも同じだ」「ここ半年間、新しい友人はできていない」という状態が続くと、脳に新しい刺激が与えられず、活性化する機会が減っていきます。これは日常のルーティンに安住することで、脳が本来持っている可塑性や適応能力を十分に発揮できなくなる状態です。
新しい挑戦がもたらす脳への効果
では、新しいことに挑戦するとどのような効果があるのでしょうか。研究によれば、慣れていない新しいことをするときにだけ、脳の可塑性が発揮されます。脳は新しい刺激に対して、神経細胞間の新たな接続を作り出し、脳のネットワークを拡大させるのです。
脳の活性化と認知機能の向上
新しい挑戦は脳に良い「負荷」をかけます。たとえば、旅行のような新しい環境では、見るもの、食べるもの、匂い、すべてが新しい刺激となり、脳は非常に活性化されます。また、新しい動きを次々と行うことで脳のネットワークを増やす「ライフキネティック」のような手法も注目されています。
さらに、「シナプソロジー®」というプログラムでは、ゲーム感覚で脳を活性化させることができます。例えば「相違じゃんけん」のように、慣れ親しんだルールを変更して行うゲームは、脳をしっかり働かせることができます。
自己成長と自信の獲得
新しいことに挑戦することで、自己成長も促されます。新しいスキルを習得したり、困難を乗り越えたりする経験は、自己肯定感や自信を高めることにつながります。特に40代のビジネスパーソンにとって、自己成長の実感は仕事へのモチベーション維持や将来への不安解消に大きく寄与します。
「新しいことに挑戦することで、今までになかったスキルや知識が身に付いて人間として成長することにつながる」というメリットは見逃せません。この成長は単に知識やスキルだけでなく、精神的な強さや柔軟性も含まれます。
成長サイクルの構築:挑戦から次の挑戦へ
新しい挑戦から成長していくプロセスには一定のパターンがあります。それは「挑戦(試行錯誤)→型が生まれる→ルーティン化→認知/時間/体力の余剰発生→収穫安定→新たな挑戦」というサイクルです。このサイクルを理解し、意識的に回していくことで、人生もビジネスも継続的に底上げされていくのです。
ステップ1:挑戦と試行錯誤の段階
最初の挑戦段階では、新しいことに取り組み、失敗と成功を繰り返しながら学んでいきます。この段階では「間違えることがいい」という考え方が重要です。失敗を恐れずに様々なアプローチを試し、最適な方法を見つけていく過程です。
スタートアップ企業が成長するプロセスと似ていますが、ビジネスにおいても「試行錯誤は継続的なプロセス」であり、「積極的な行動、継続的な改善、柔軟な発想」が基本となります。同様に、個人の成長においても、新たな取り組みに対して柔軟な姿勢で臨むことが大切です。
ステップ2:型の確立とルーティン化
試行錯誤を重ねると、やがて最適な方法が見つかり、「型」が確立されます。この型をベースにして作業を効率化し、ルーティン化することで、同じタスクにかける時間や労力が減少します。
この段階でのルーティン化は必ずしも悪いことではありません。むしろ、確立された型に基づくルーティンは効率性を高め、安定した成果を生み出します。例えば、ある業務プロセスを標準化することで、そのタスクの品質が安定し、時間も短縮できます。
ステップ3:余剰資源の発生と収穫
ルーティン化によって認知的リソース、時間、体力などに余裕が生まれます。この余剰リソースは、さらなる改善や新たな挑戦に向けられるべき貴重な資源です。また、確立されたルーティンによって安定した収穫(成果)が得られるようになります。
この状態に安住せず、次のステップに進むことが重要です。「慣れていない新しいことをするときにだけ、脳の可塑性が発揮される」ことを忘れてはいけません。安定期に入ったからこそ、次の挑戦に向けて準備を始める好機なのです。
ステップ4:新たな挑戦へ
余剰リソースと安定した基盤をもとに、次の新しい挑戦に取り組みます。このサイクルを繰り返すことで、人生もビジネスも継続的に成長し、底上げされていくのです。
日常に取り入れる小さな挑戦
大きな挑戦は勇気がいりますが、日常に取り入れられる小さな挑戦から始めることで、脳の活性化と成長のサイクルを回し始めることができます。
1日1新の習慣
「1日1新」とは、毎日新しいことを1つ行う習慣です。「毎日新しいチャレンジを続けると、保守的にならず視野が広がり、失敗を恐れなくなる。さらに思考が柔軟になり、アイディアが湧きやすく、行動力がつく」という効果が期待できます。
例えば、通勤ルートを少し変えてみる、新しいランチスポットを開拓する、未経験の業務に手を挙げるなど、小さな挑戦から始めることができます。「新しい挑戦を習慣化させる1日1分」という考え方も効果的です。わずか1分でも新しいことに取り組む習慣を持つことで、挑戦のハードルを下げることができます。
脳トレーニングとしての挑戦
日常生活に「脳トレ」の要素を取り入れることも効果的です。例えば、利き手と反対の手で歯磨きをする、目を閉じて靴下を履いてみる、新しい言語の単語を5つ覚えるなど、日常動作に小さな変化を加えることで脳に新しい刺激を与えることができます。
また、スマートフォンアプリで提供されている脳トレゲームなども手軽に始められる挑戦です。「ブレパサイズ®」のように音楽に合わせて手足を動かしながら知的課題にも挑戦するデュアルタスクの運動は、体と脳の両方を活性化させる効果があります。
ビジネスにおける小さな挑戦
ビジネス面でも、毎週1つは新しい業務に挑戦する、新しいツールやテクノロジーを学ぶ時間を設ける、異なる部署の人と定期的に意見交換するなど、小さな挑戦を設定することができます。
金融業界の例では、「変革のキーワードとなるのが「挑戦」」であり、「一人ひとりの市場価値を高めていくことを重要視した人事施策」が注目されています。自ら学び、成長するための自己啓発や新しいスキルの習得は、個人の市場価値を高めるだけでなく、企業の変革の原動力にもなるのです。
挑戦と成長のサイクルで人生を豊かに
新しい挑戦は脳を活性化させるだけでなく、視野の拡大、創造性の向上、ストレスの軽減、人脈の拡大、挑戦心の育成、そして人生の充実につながります。特に40代は、今までの経験や専門性を活かしつつ、新たな知識やスキルを獲得することで、次のステージへと進むための重要な時期です。
「挑戦(試行錯誤)→型の確立→ルーティン化→余剰資源の発生→新たな挑戦」というサイクルを意識的に回していくことで、人生もビジネスも継続的に成長し、底上げされていくでしょう。このサイクルは、単なる自己成長の手段ではなく、変化の激しい現代社会を生き抜くための必須スキルとも言えます。
今日から、小さな挑戦を始めてみませんか?それが明日の大きな成長につながります。脳を活性化させ、人生とビジネスを底上げしていくサイクルを、ぜひ自分のものにしてください。
参考情報:
- VILLA LODOLA ONLINE(https://www.villalodola.jp/magazine/column-378/)
- ダイヤモンド・オンライン(https://diamond.jp/articles/-/248405)
- KENJINS(https://kenjins.jp/magazine/expert-interview/45978/)

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