日本衰退の真相:デジタル化遅れが招く生産性低下と英国行政の効率化に学ぶ道


日本の経済力が低下している事実をご存知でしょうか?かつて世界第2位の経済大国だった日本が、今や一人当たりGDPでは韓国よりも下位になってしまいました。一方、イギリスをはじめとする先進国はデジタル化を積極的に進め、行政サービスの効率化を実現しています。なぜ日本は「貧乏」になったのか、その真の原因と解決策を探ります。

「レターパックで現金送れ」が詐欺ではない英国の常識

日本では「レターパックで現金を送れ」というのは詐欺の典型的な手口とされていますが、英国では日常的に行われていることをご存知でしょうか。英国在住の筆者が海外旅行のためにドバイとモーリシャスの現地通貨を銀行に注文したところ、翌日には郵便で自宅に届いたといいます。万が一の事故にも保険でカバーされるため、何の問題もないと考えられているのです。

さらに、郵便サービスの利便性も日本とは大きく異なります。英国では郵便局(Royal Mail)に直接出向く必要はなく、オンラインで必要事項を入力し、クレジットカードで支払いを済ませるだけです。自宅のプリンターでバーコード付きの送付状を印刷し、封筒や小包に貼れば、あとはポストに投函するだけで済みます。

このような便利なサービスは、Royal Mailが長年にわたってデジタル化を推進してきた結果です。同社は1516年に設立された歴史ある郵便サービスですが、時代の変化に合わせて進化を続けています。

日本はなぜ世界ランキングで転落したのか

日本のGDPはかつて米国に次いで世界第2位でしたが、2010年に中国に抜かれ、2023年にはドイツにも抜かれて世界第4位に転落しました。さらに衝撃的なのは一人当たりGDPで、日本は3万3899ドルで世界34位に過ぎず、プエルトリコ(29位)や韓国(31位)よりも下位という情けない状況です。

対照的に英国は一人当たりGDPが4万9648ドルで世界22位につけています。2023年の日本のGDP総額は約4.2兆ドルであるのに対し、英国は約3.38兆ドルと総額では日本が上回っていますが、一人当たりでは大きな差が生じています。

2024年の最新データによれば、日本の一人当たりGDPはさらに悪化し、OECD加盟38カ国中22位まで落ち込み、G7諸国の中では2年連続で最下位という結果になっています。

デジタル化の遅れが日本凋落の真の原因

日本経済凋落の理由としては、バブル崩壊後の公共投資や企業の設備投資の低迷、円安によるドル建てGDPの減少などが一般的に指摘されています。しかし、より根本的な問題は「デジタル化の遅れ」と「過重なペーパーワーク」による労働生産性の低さにあるのではないでしょうか。

専門家によれば、日本の行政のデジタル化は欧米に比べて少なくとも30年は遅れているといわれています。この問題は早稲田大学の「電子政府・デジタル政府世界ランキング2023」でも明らかになっており、日本は調査開始以来初めてトップ10から転落しました。一方、デンマークが3年連続で1位、英国は前年の6位から3位に上昇しています。

OECD(経済協力開発機構)の「デジタル政府指標2023」でも、韓国、デンマーク、英国、ノルウェー、オーストラリアがトップ5を占め、日本は大きく後れを取っています。

英国行政のデジタル改革と大胆な効率化

英国は行政効率化のために、できるものはすべてデジタル化する方針で改革を進めています。その一例が「eVisa(電子ビザ)」システムの導入です。これは英国に6カ月以上滞在できるビザを保有する約460万人の外国人が持つBRP(Biometric Residence Permit)カードやパスポートのスタンプを廃止し、すべて電子化する野心的な計画です。

2024年12月31日までに、すべてのBRPカードは失効し、eVisaへの移行が必要になります。これにより、物理的な書類確認からデジタル証明へとシフトし、行政コストの大幅な削減が期待されています。

特筆すべきは、英国行政がサービスの差別化を図り、「料金に応じたスピード」という概念を導入している点です。例えば、審査結果が5営業日以内に出る優先サービスは500ポンド(約9万4000円)、24時間で結果が出る超優先サービスは1000ポンド(約18万9000円)と、急ぐ人には相応の負担を求めています。

日本企業にも蔓延するペーパーワーク文化

この問題は行政だけでなく民間企業にも広がっています。記事の筆者がかつて勤務していた銀行では、問題が発生するたびに担当部署が「対策を実施した」と上層部に報告するために新たな制度や報告書を作成し、その結果、現場は膨大な時間を書類作成に費やし、本来の業務に支障をきたすという悪循環に陥っていたといいます。

日本企業の多くがこのような非効率的なプロセスに悩まされており、それが国全体の労働生産性の低下につながっています。2023年度の日本の実質GDP成長率は1.2%と低調であり、GDP当たりの資本支出も伸び悩んでいます。

今後の日本に必要な改革の方向性

日本がこの状況から脱却するためには、行政と企業の両方でデジタル化を徹底して推進し、不必要なペーパーワークを撲滅する必要があります。英国のように大胆なデジタル改革を実施し、利用者の利便性を高めつつ、行政コストの削減を図ることが求められます。

特に重要なのは、「サービスに応じた対価」の概念を導入することです。英国では行政サービスに「松竹梅」のメニューを設け、急ぐ人には相応の料金を求めることで、クレーマー対策にもなっています。日本の行政も財政難に苦しむ今こそ、このような柔軟な発想を取り入れるべき時ではないでしょうか。

デジタル化の推進は単なる効率化だけでなく、新たな産業や雇用の創出にもつながります。日本経済を再び成長軌道に乗せるために、デジタルトランスフォーメーションを国家戦略として位置づけ、官民一体となって取り組むことが求められています。

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