ドローンによる3Dスキャン技術の最前線!活用事例と導入メリット

技術


ドローン技術の進化に伴い、3Dスキャン技術も飛躍的に発展しています。建設現場や測量、インフラ点検など様々な分野で活用されているドローン3Dスキャン。この記事では、最新のドローン3Dスキャン技術や機器、活用事例について詳しく解説します。短時間で広範囲の3次元データを取得できるこの技術は、ビジネスの効率化とコスト削減に大きく貢献しています。

ドローン3Dスキャン技術の基礎知識

ドローンによる3Dスキャン技術は大きく分けて「フォトグラメトリ(写真測量)」と「LiDAR(ライダー)」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、用途に合わせて選択することが重要です。

フォトグラメトリ(写真測量)とは

フォトグラメトリは、ドローンで撮影した複数の写真から3Dモデルを生成する技術です。撮影した地点の位置情報と写真のオーバーラップ(重複)を利用して立体的なモデルを構築します。

フォトグラメトリの特徴:

  • 比較的安価な機材で始められる
  • カラー情報を含んだ鮮やかな3Dモデルが作成可能
  • 植生が密集した場所や水面下の地形データ取得は苦手
  • 後処理のソフトウェア処理に時間がかかる

フォトグラメトリでは、「アライメント処理」と呼ばれる写真の位置合わせが重要です。広い範囲のメッシュモデルを作成し、必要に応じて詳細な部分をモデル化していくのが一般的なワークフローとなっています。

LiDAR(ライダー)技術とは

LiDARは「Light Detection And Ranging」の略で、レーザー光を照射し、その反射時間から距離を計測する技術です。

LiDARの特徴:

  • 高精度な点群データをリアルタイムで取得可能
  • 植生の下の地形も計測できる(レーザーが植物の隙間を通過するため)
  • 暗所や夜間でも計測可能
  • 機材が比較的高価
  • カラー情報の取得には別途RGBカメラが必要

特に注目すべきは、LiDARは「植生を貫通する能力」を持っているため、森林地帯の地形測量などにも活用できる点です。

最新の3Dスキャン用ドローン機器

最新のドローン3Dスキャン機器をいくつか紹介します。用途や予算に応じた選択が可能です。

DJI Zenmuse L1

DJIが提供するLiDARシステムの代表格です。Matrice 300 RTKドローンに搭載して使用します。

主な特徴:

  • Livox製LiDARモジュール、高精度IMU、3軸安定化ジンバル搭載
  • 1インチCMOSセンサーを備えたカメラ内蔵
  • 検知範囲:最大450m(反射率80%時)
  • 点数:最大240,000ポイント/秒(シングルリターン)
  • システム精度:水平10cm、垂直5cm(50m地点)
  • IP54等級の防水防塵性能
  • リアルタイムでトゥルーカラー点群モデルを生成

DJI Terraソフトウェアと連携することで、高精度の3Dモデル構築が可能です。

Skydio 3D Scan

Skydio社の飛行支援ソフトウェアで、構造物を認識し自動的に撮影しながら飛行します。

主な特徴:

  • GPSが取得しづらい環境や複雑な構造物でも安全に飛行
  • 撮影対象を高さと面で指定し、目的に応じたラップ率などを設定可能
  • 飛行後、操作タブレット上から撮影結果をすぐに確認可能
  • 3Dおよび2Dで合計5つのモードを利用可能
  • 建物、鉄塔、室内など様々な構造物に対応

「Skydio 3D Scan」は特に点検作業での活用が進んでおり、橋梁やダムの点検、船舶の検査などで使われています。

イエロースキャン

ドローンに搭載するタイプの3Dレーザースキャナで、点群データを素早く取得できます。

活躍する現場:

  • 急斜面や天災現場など、立ち入りが困難な場所
  • 写真測量では計測が困難だった、地面を視通できない森林地帯
  • 地上型スキャナでは何度も移動が発生する、広大な現場や複雑な地形の現場

RIEGL VUX-100-25

最新のUAV LiDARセンサーで、広域のマッピングに最適です。

主な特徴:

  • 160度の広い視野角
  • 最大1,500kHzのパルスレート
  • 重量わずか2.36kg
  • 最大1.3百万測定/秒の高性能
  • 最大360mの飛行高度に対応

3Dモデル作成に必要なソフトウェア

ドローンで取得したデータを3Dモデル化するには専用のソフトウェアが必要です。主要なソフトウェアをいくつか紹介します。

PIX4Dmapper

世界200カ国以上で利用される人気のドローンマッピング向け写真測量ソフトウェアです。

主な特徴:

  • ドローン搭載カメラ以外にも、汎用的なデジタルカメラ、マルチスペクトルカメラ等多彩なカメラに対応
  • 視認性が高く、直感的な日本語インターフェイス
  • 基本3STEPで、点群・3Dメッシュから、DSMやオルソモザイクを作成可能

活用シーン:

  • 測量:ドローンで取得した画像を用いた写真測量
  • 建設:スマートな建設プロジェクト管理でコスト削減と生産性向上
  • 農業:ドローンマッピングで農業をデジタル化、持続可能な農業を実現

DJI Terra

DJIが提供するマッピングソフトウェアで、DJI製ドローンとの親和性が高いのが特徴です。

3Dモデル作成手順:

  1. Terraを起動し、「新規ミッション」をクリック
  2. ミッションの種類として「オブリーク」を選択
  3. ミッション名を入力
  4. 取り込む写真データとモデルの形式を選択
  5. 「構築開始」をクリックしてモデル作成開始

DJI Terraは特にZenmuse L1やP1などのDJI製のセンサーとの連携が優れており、IMUとGNSSのデータを融合した高精度なモデル生成が可能です。

ドローン3Dスキャンの活用事例

ドローン3Dスキャン技術は様々な分野で活用されています。実際の活用事例を見てみましょう。

建設・土木分野での活用

建設現場でのドローン3Dスキャンは、進捗管理や出来形管理に革命をもたらしています。

具体的な活用例:

  • ダム建設現場の法面工事における出来形管理で効率が6割アップ
  • 土量計算の自動化と高精度化
  • 建設プロジェクトの進捗モニタリング
  • 地形や構造物の3Dモデル化による設計検討

インフラ点検での活用

橋梁やダム、送電線などの点検業務にもドローン3Dスキャンが活用されています。

具体的な活用例:

  • 橋梁点検での暗梁内部の壁面を効率的に撮影
  • 取得データをオルソ画像化することでひび割れなどの変状の検出を支援
  • ライブストリーミングによる災害発生時のリアルタイムな状態把握
  • 目視外飛行による点検の効率化

船舶検査での活用

船舶のメンテナンス検査にもドローン3Dスキャンが活用されています。

具体的な活用例:

  • ばら積み貨物船のカーゴホールド内のサビ等の腐食状況を網羅的に撮影
  • 磁気の影響を受けやすく、GNSSが正確に取得しづらい環境での点検
  • カーゴホールド上面、クロスデッキ天井部などの高所の点検

ドローン3Dスキャンの精度と信頼性

ドローン測量の精度は、機器の性能や計測方法によって異なります。精度に影響を与える要素を理解しましょう。

測量精度に影響を与える4つの要素

  1. ドローン搭載のカメラ性能:高解像度カメラほど詳細なデータ取得が可能
  2. RTK(Real Time Kinematic):高精度の位置情報が取得できる機能
  3. 標定点(Ground Control Point):精度を高めるための基準点
  4. PPK(Post Processing Kinematic):測量後に誤差調整できるシステム

写真測量とレーザー測量の精度比較

写真測量とレーザー測量では、得られる精度自体は結果的にそれほど変わりません。写真測量時に標定点といった基準ポイントを測量範囲内に設置したり、高性能カメラや高精度なRTK搭載ドローンを使用することで、レーザー測量と同等の精度を確保できます。

両者の違いは精度よりも、測量できる範囲や作業効率にあります。植生が多い場所や複雑な地形ではLiDARが有利ですが、コストや機動性では写真測量が優れています。

ドローン3Dスキャンに関する法規制

ドローンを活用した3Dスキャンを行う際には、航空法をはじめとする各種法規制に注意する必要があります。

航空法による規制

ドローン運用に最も大きく関わる規制は航空法です。具体的には以下のような規制があります。

飛行空域の規制:

  • 人口集中地区の上空
  • 地表又は水面から150m以上の上空
  • 空港等の上空
  • 緊急用務空域

飛行方法の規制:

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 人又は物件と30m以上距離を確保できない飛行
  • 催し場所上空での飛行
  • 危険物輸送
  • 物件投下

これらの規制対象となる飛行を行う場合は、事前に許可・承認を受ける必要があります。

機体登録制度

2022年6月20日より、屋外を飛行させる100g以上のすべてのドローン・ラジコン機は事前に国土交通省のシステムへ機体登録し、登録記号の機体への表示と遠隔発信(リモートID)が必要になりました。

測量のための許可申請

測量のためにドローンを飛ばす場合、人口集中地区上空や空港周辺での飛行には許可が必要です。人口集中地区は国土地理院の地理院地図や「j STAT MAP」などで確認できます。

また、私有地の敷地内であっても人口集中地区内であれば許可が必要です。ただし、四方や上部がネット等で囲われている場合は屋内とみなされ許可不要となります。

ドローン3Dスキャン技術の将来展望

ドローン3Dスキャン技術は今後も進化を続け、より高精度で使いやすいものになっていくでしょう。特に以下のような発展が期待されています。

  • センサーの小型化・軽量化によるドローンの飛行時間延長
  • AIと組み合わせた自動点検・診断システムの発展
  • 5G通信を活用したリアルタイム3Dデータ共有システム
  • 建設現場のBIM/CIMとの連携強化
  • 自動運転技術との融合による完全自律型3Dスキャンシステム

まとめ

ドローン3Dスキャン技術は、建設・土木、インフラ点検、測量など多くの分野で革新をもたらしています。フォトグラメトリとLiDARという2つの主要技術があり、用途に応じて選択することが重要です。

最新の機器やソフトウェアを活用することで、従来の方法では困難だった作業が効率化され、コスト削減にもつながります。ただし、航空法をはじめとする法規制には十分注意する必要があります。

今後もドローン3Dスキャン技術はさらに進化し、私たちの仕事や生活に大きな変革をもたらすでしょう。技術の進歩を積極的に取り入れ、ビジネスの効率化と新たな可能性を追求していきましょう。

参考情報

注意

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