ストレスを跳ね返す力「レジリエンス」- 心の強さを磨く7つの方法

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現代社会では仕事や人間関係、将来への不安など、さまざまなストレスに日々さらされています。同じような状況でも、すぐに立ち直れる人と長く落ち込んでしまう人がいるのはなぜでしょうか?その違いは「レジリエンス」と呼ばれる心の力にあります。この記事では、誰もが身につけられるレジリエンスの高め方をご紹介します。

レジリエンスとは?その意味と重要性

レジリエンスとは、元々は物理学の用語で「外力による歪みを跳ね返す力」を意味していました。心理学では「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」と定義されています。日本語では「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」「再起力」などと訳されることが多いですが、そのままレジリエンスと表記して使われることも多いです。

レジリエンスが注目される理由は、PTSDや抑うつなど精神的な問題との関連が明らかになってきたからです。ある研究によれば、アメリカ人の50%~60%が何らかの外傷的体験に遭遇するものの、PTSDを発症するのはそのうちわずか8%~20%にとどまるといいます。この差を生み出すのがレジリエンスなのです。

レジリエンスが高い人の特徴

レジリエンスが高い人には、どのような特徴があるのでしょうか。研究によって明らかになった主な特徴を見ていきましょう。

一喜一憂しない安定した心

レジリエンスの高い人は、結果がきちんと出るまで一喜一憂せず、感情の起伏をコントロールする能力に長けています。短期的な結果に一喜一憂するのではなく、長期的な視点を持ち、はやる気持ちを抑えて適切な行動を取ることができるのです。

自己効力感と楽観性

「自分はこの課題をうまく実行できる」という自己効力感や、「次は何とかなる」という楽観的な思考も重要な要素です。うまくいかないことが続いても「もう無理だ」とは考えず、失敗も次へ向けた糧として前向きに捉えることができます。

周囲との信頼関係

レジリエンスが高い人は、周囲の応援や励ましに感謝の気持ちを持っています。自分一人だけで困難に立ち向かうのが難しいことを理解し、日頃から信頼関係を構築するための行動をとっているのです。

レジリエンスを構成する3つの因子

小塩真司らの研究によると、レジリエンスは以下の3つの因子で構成されています:

  1. 新奇性追求:新しいことに挑戦する姿勢や好奇心
  2. 感情調整:ネガティブな感情をコントロールする能力
  3. 肯定的な未来志向:将来に対して前向きな見通しを持つこと

また、2007年にアーミッドが提唱した「レジリエンス因子」には、「自尊感情」「安定した愛着」「ユーモアのセンス」「楽観主義」「支持的な人がそばにいてくれること」などが含まれています。

レジリエンスの測定方法

レジリエンスの高さを測定するためのさまざまな尺度が開発されています。主なものをご紹介します。

コナー・デビッドソン・レジリエンス尺度(CD-RISC)

2003年にコナーらにより開発されたCD-RISCは、レジリエンスを評価するための25項目から構成される評価尺度です。日本語版は2009年にItoらにより作成されました。この尺度は5つの要素(自己効力感と粘り強さ、ストレス耐性と楽観性、環境適応力と人間関係、コントロール感、スピリチュアルな側面)から構成されています。

その他の主な尺度

他にも以下のようなレジリエンス測定尺度があります:

  • レジリエンススケール(RS、Resilience Scale):25項目
  • 森敏昭氏らのレジリエンス尺度:29項目
  • 精神的回復力尺度(ARS、Adolescent Resilience Scale):21項目
  • 二次元レジリエンス要因尺度(BRS、Bidimensional Resilience Scale):21項目

これらの尺度はいずれも、簡単な質問に回答することでレジリエンスの高さを測定できるものです。

レジリエンスを高める7つの方法

アメリカ心理学会は「レジリエンスを築く10の方法」を提唱しています。その中から特に重要と思われる方法と、他の研究からわかった効果的な方法を7つご紹介します。

1. 良好な人間関係を構築する

親戚や友人との良好な関係を維持することは、レジリエンス向上の基盤となります。困ったときに相談できる相手がいるだけで、心の支えになります。積極的に周囲の人とコミュニケーションを取り、信頼関係を築きましょう。

2. 視点を変える訓練をする

危機やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ないよう努めましょう。「この経験から何を学べるか」という視点で考えると、ネガティブな状況でも意味を見出せます。

3. 変えられないことを受け入れる

すべてをコントロールしようとするのではなく、変えられない状況を受け入れる柔軟性も重要です。エネルギーを無駄に使わず、変えられることに集中しましょう。

4. 目標を立てて行動する

現実的な目標を立て、それに向かって日々小さな一歩を踏み出すことで、達成感を積み重ねられます。「今日できることは何か」と考え、行動に移しましょう。

5. 自分の感情に気づく訓練をする

自分の感情に気づき、それを適切に表現できることもレジリエンスの重要な要素です。感情日記をつけるなど、自分の気持ちを定期的に振り返る習慣をつけると良いでしょう。

6. 前向きな自己イメージを育てる

自分の強みや過去の成功体験を思い出し、「自分はできる」という自己イメージを育てることが大切です。自己肯定感を高めることで、困難に直面したときの心の支えになります。

7. 体と心のケアを怠らない

定期的な運動、十分な睡眠、バランスの良い食事など、基本的な健康習慣を維持することもレジリエンス向上に欠かせません。心と体は密接に関連しているため、身体的な健康が精神的な回復力を支えます。

レジリエンスはトレーニングで高められる

レジリエンスは生まれつきの性格だけでなく、後天的にも育成できる能力です。Penn Resiliency Program(PRP)と呼ばれるグループ認知行動介入などの取り組みにより、レジリエンスの様々な側面を向上させることが可能だとわかっています。

17件のPRP研究のメタアナリシスでは、介入によって抑うつ症状が有意に軽減されることが示されました。このことからも、レジリエンスは訓練や学習によって高められることがわかります。

まとめ:レジリエンスを味方につけてストレス社会を生き抜く

レジリエンスは現代社会を生きる上で欠かせない心の力です。竹のようにしなやかに、タンポポのように力強く、外からの圧力を跳ね返す能力を身につけることで、ストレスや困難に負けない自分を育てることができます。

今日から少しずつでも意識的にレジリエンスを高める取り組みを始めてみませんか?小さな成功体験を積み重ねることで、あなたの心はきっと強くしなやかに成長していくはずです。

参考サイト

Wikipedia レジリエンス (心理学) https://ja.wikipedia.org/wiki/レジリエンス_(%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6)

HR Trend Lab レジリエンスとは?折れない心で逆境もパワーに https://hr-trend-lab.mynavi.jp/column/human-resource-development/1151/

レジリエンス(精神的回復力)とは?その促進方法と測定方法 https://www.cc.aoyama.ac.jp/~well-being/resilience/index.html

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