人工着色料と食品の関係 – 知っておくべき安全性と最新動向

食品


人工着色料(合成着色料)は多くの加工食品に使われていますが、その安全性や規制については国によって違いがあります。最近ではアメリカで一部の人工着色料の使用禁止が決定されるなど、世界的に注目が集まっています。この記事では、人工着色料の基本情報から安全性、最新の規制動向まで詳しく解説します。

人工着色料とは?種類と使われ方

人工着色料(合成着色料)は、別名タール色素とも呼ばれています。かつてはコールタールから得られる成分を原料としていましたが、現在は石油を原料とした化成品から作られています。これらは食品に色をつけて見た目を良くする目的で使用されています。

日本で認められている主な合成着色料には以下のものがあります:

  • 食用赤色2号(アマランス)
  • 食用赤色3号(エリスロシン)
  • 食用赤色40号(アルラレッドAC)
  • 食用赤色102号(ニューコクシン)
  • 食用黄色4号(タートラジン)
  • 食用黄色5号
  • 食用青色1号
  • 食用青色2号
  • 食用緑色3号

人工着色料が使われている主な食品としては、清涼飲料水、菓子類、アイスクリーム、かき氷のシロップ、漬物などがあります。これらは色延びがよく、光や熱に対する安定性に優れているため、食品に使いやすいという特徴があります。

日本と海外での規制状況の違い

人工着色料の規制は国によって大きく異なります。最近のニュースでは、アメリカの食品医薬品局(FDA)が「赤色3号」を含む合成着色料8種類の段階的な使用禁止を発表しました。

アメリカでの規制

アメリカでは、以下の合成着色料がすでに禁止されています:

  • バターイエロー
  • 緑1号、緑2号
  • オレンジ1、オレンジ2、オレンジB
  • 赤色1号、赤色2号、赤色4号、赤色32号
  • 紫色1号
  • 黄色1号、黄色2号、黄色3号、黄色4号

ヨーロッパでの規制

欧州連合(EU)では、以下の合成着色料を含む製品に対して「子どもの注意力に影響を与える可能性がある」との警告表示を義務付けています:

  • 赤色40号
  • 黄色5号
  • 黄色6号

日本の状況

一方、日本では上記のアメリカやEUで規制されている着色料の多くが依然として使用許可されています。例えば、赤色3号について消費者庁は「通常の使用では安全上の懸念はなく、健康被害のデータもない」としています。

人工着色料の安全性と健康への影響

人工着色料の安全性については様々な見解があります。国連のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)では、一日摂取許容量(ADI)を設定しています。

ADI(一日摂取許容量)について

ADIとは「生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの摂取量」のことです。例えば、食用黄色4号のADIは7.5mg/kgとされていますが、実際の摂取量はこれをはるかに下回っています。

実際の食事調査では、日本人の人工着色料の摂取量はADIの0~1.39%程度で、安全性に問題はないとされています。

懸念されている健康影響

しかし、一部の人工着色料には以下のような健康への懸念が指摘されています:

  • 赤色2号:多量摂取すると発がん性の可能性があるとされ、アメリカでは使用禁止
  • 黄色4号:蕁麻疹、鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー症状を引き起こす可能性
  • 青色1号:動物実験により発がん性が確認されており、ヨーロッパ諸国では使用禁止
  • 英国の研究では、一部の合成着色料が子どもの注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連の疑いがあるとされています

食品での使用制限と表示ルール

日本では人工着色料の使用が禁止されている食品があります。これは主に消費者が食品の鮮度や品質を誤認する可能性があるためです。

使用禁止の食品

以下の食品への人工着色料の使用は禁止されています:

  • 生鮮食品:野菜、豆類、食肉、わかめ類、こんぶ類、鮮魚介類、のり類
  • 加工食品:きなこ、しょうゆ、茶、みそ、カステラ、魚肉漬物、鯨肉漬物、食肉漬物、スポンジケーキ、マーマレード、めん類

これらの規制は、過去に食材詐欺が横行したことが理由とされています。例えば、カステラは卵を使わずに黄色の着色料で見た目を良くする詐欺が明治時代に行われていたためです。

表示ルール

食品添加物としての着色料は、原則として使用した全ての物質を「物質名」で表示する必要があります。食品添加物とそれ以外を区分し、重量の多いものから順に記載します。

例えば、チョコレートの表示には「着色料(黄4、黄5、赤40、青1)」のように記載されます。この場合、「黄4」は食用黄色4号、「黄5」は食用黄色5号を指しています。

天然着色料と人工着色料の比較

近年は、消費者の健康志向から天然着色料への注目が高まっています。天然着色料は植物等から抽出されたもので、日本では121種類が認められています。

主な天然着色料

  • ベニバナ色素(赤色)
  • クチナシ色素(黄色)
  • ウコン色素
  • コチニール色素
  • カラメル色素

しかし、天然だからといって完全に安全というわけではありません。例えば、コチニール色素はカイガラムシという昆虫から抽出されるもので、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。

また、カラメル色素は処理方法によって4種類に分類され、そのうち3番と4番の処理方法は健康への懸念が指摘されています。

消費者としての賢い選択方法

人工着色料について知識を持ち、賢い選択をするためのポイントをご紹介します。

チェックすべきポイント

  1. 食品の原材料表示を確認し、「○色○号」と記載されている添加物の有無をチェックする
  2. 子どもや敏感な方は、特にアレルギー反応が報告されている黄色4号などに注意する
  3. 天然着色料も含め、必要以上に着色料を避ける必要はないが、過剰摂取は控える
  4. 保存料など他の添加物とは違い、着色料は見た目のためのものなので、必要性を考慮する

近年は合成着色料不使用を訴える企業の取り組みも広がっています。例えばセブンイレブンはコンビニエンスストアとして初めて弁当や惣菜類などから合成着色料・保存料を使わない方針を展開しています。

食品添加物は通常、その安全性が科学的に検証されたものについて使用が認められています。合成着色料も例外ではありませんが、自分自身や家族の健康のために、食品表示をチェックする習慣をつけることが大切です。

まとめ

人工着色料は見た目を良くするために多くの加工食品に使用されていますが、その安全性や規制は国によって異なります。日本では科学的根拠に基づいて安全と評価されていますが、一部の着色料は海外では規制されています。

最近はアメリカが「赤色3号」など複数の合成着色料の使用禁止を決定するなど、世界的に規制が厳しくなる傾向にあります。消費者としては過度に心配する必要はありませんが、食品表示を確認して自分に合った選択をすることが大切です。

参考情報

日農食品販売 https://nichinokagaku.co.jp/color/715/
大阪健康安全基盤研究所 https://www.iph.osaka.jp/s017/070/2023/02/20230307120905.html
紅不二化学工業株式会社 https://www.benifuji.jp/smarts/index/39/

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