人工着色料と合成着色料の違いとは?実は同じものだった!特徴と安全性を徹底解説

食品


食品のパッケージを見ると「着色料」という表示を目にすることがありますよね。特に「人工着色料」や「合成着色料」という言葉を見かけることもあるでしょう。これらは実際には違うものなのでしょうか?結論から言うと、人工着色料と合成着色料は同じものを指します。今回は、これらの着色料について詳しく解説するとともに、天然着色料との違いや安全性についても触れていきます。

人工着色料と合成着色料は同義語

「人工着色料」と「合成着色料」という言葉を見ると、何か違いがあるように感じるかもしれませんが、実は両者は同じものを指しています。

合成着色料(人工着色料)は別名タール色素とも呼ばれており、かつてはコールタールから得られるベンゼンやフェノールといった芳香族化合物を原料としていました。これが「タール色素」という名前の由来です。ただし、現在は石油を原料とした化成品から製造されています。

この「タール色素」という名称は、元々アゾ基(-N=N-)を持つ色素として繊維の染料に使われていたことから来ていますが、現在はアゾ基を持たない食用の合成着色料もタール色素と呼ばれています。

合成(人工)着色料の特徴

合成着色料には以下のような特徴があります:

  1. 鮮やかな発色: 少量でも強い発色が得られる
  2. 色の均一性: 一定の色調を安定して得られる
  3. 耐熱性・耐光性: 光や熱に対する安定性に優れている
  4. 混色の容易さ: 色素同士を混ぜ合わせて様々な色を作りやすい
  5. コストパフォーマンス: 天然色素に比べて一般的に安価

これらの特徴から、食品製造において広く利用されてきました。特に工業的に大量生産される食品において、色の均一性を保つ目的で重宝されています。

日本で認可されている合成着色料

日本では12種類20品目の合成着色料が食品添加物として認可されています。代表的なものには以下があります:

  • 食用赤色2号(アマランス)
  • 食用赤色3号(エリスロシン)
  • 食用赤色40号(アルラレッドAC)
  • 食用黄色4号(タートラジン)
  • 食用黄色5号(サンセットイエローFCF)
  • 食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)
  • 食用青色2号(インジゴカルミン)
  • 食用緑色3号(ファーストグリーンFCF)

これらの他に、上記色素のアルミニウムレーキ(油溶性の加工食品に分散させるために処理したもの)が8品目あります。

天然着色料との違い

合成着色料と対比されるのが天然着色料です。天然着色料と合成(人工)着色料には以下のような違いがあります:

天然着色料

  • 原料: 食品や生物から抽出
  • 発色: 比較的柔らかな発色で、食品によってはくすんだ色味になることもある
  • 安定性: 合成着色料と比べると光や熱に弱いものが多い
  • コスト: 一般的に高価な場合が多い
  • イメージ: 消費者からは「安全・自然」というイメージで受け止められることが多い

代表的な天然色素には、クチナシの実から抽出されるクロシンやケルセチン、ブドウ糖や砂糖、でんぷん類から得られるカラメル色素などがあります。

合成着色料

  • 原料: 石油などを原料とした化成品から化学的に合成
  • 発色: 鮮やかで強い発色
  • 安定性: 光や熱に強く安定している
  • コスト: 比較的安価
  • イメージ: 消費者からは「人工的・危険」というイメージを持たれることがある

着色料の役割と使用目的

着色料が食品に使用される主な目的は以下の通りです:

  1. 見た目の改善: 食品を視覚的に魅力的にし、消費者の購買意欲を高める
  2. 品質の均一化: 製造バッチによる色のばらつきを抑え、製品の均一性を確保する
  3. 本来の色の復元: 加工過程で失われた食品本来の色を取り戻す
  4. 製品の識別: 異なる風味や種類の製品を視覚的に区別しやすくする

例えば、複数の色の着色料を混ぜ合わせることで様々な色調を実現できます。緑色は黄色と青色の混合、オレンジ色は赤色と黄色の混合で作ることができます。

着色料の安全性と規制

合成着色料については、その安全性に関して様々な議論があります。

安全性評価と規制

合成着色料は製造の際に副生成物が生じる可能性があるため、日本では厚生労働省の機関である国立医薬品食品衛生研究所で原体の検査が行われ、製剤については厚生労働省の指定検査機関で製造ロットごとに純度や規格の検査が実施されています。

合格した製品には検査合格証のシールが貼られ、食品衛生法に基づいて作成されている食品添加物公定書に規格が収載され、製造・使用・表示基準が定められています。

国際的な動向

欧米では科学的根拠に基づいて安全性が確認されていれば許容されるという文化がある一方、日本では天然や天然をイメージさせるものを無条件に安全とみなす傾向があります。

しかし近年は欧米諸国やアジア諸国でも天然色素への注目が集まりつつあります。例えば、2008年に英国食品基準庁は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連の疑われる合成着色料6種類について自主規制を勧告しました。

企業の対応

こうした背景から、企業の中には合成着色料不使用を訴求する取り組みが広がっています。例えば、セブンイレブンはコンビニエンスストアとして初めて弁当や惣菜類などから合成着色料・保存料を使わない方針を展開しています。

着色料の見分け方

表示の確認

食品に使用されている着色料は、原則として全ての食品添加物を「物質名」で表示しなければなりません。食品添加物とそれ以外を区分し、重量の多いものから順に記す必要があります。

例えば「着色料(青色1号、黄色4号)」のような表示がされています。略称で表示されることもあり、「黄4」は食用黄色4号、「赤40」は食用赤色40号を指します。

実験による見分け方

興味深いことに、合成着色料と天然着色料は実験によって見分けることもできます。例えば、食品の着色料で毛糸を染め、洗ったときに色が落ちるかどうかで区別することができます。

石油を原料とした合成着色料の多くは、タール色素が主な成分で、酸性になるとタンパク質にくっつくという性質を持っています。そのため、食品と水に酢(酸性)と白い羊毛の毛糸(タンパク質)を入れると色がつき、洗っても落ちにくくなります。

一方、天然着色料で染めた毛糸は、洗うと色が落ちやすい傾向があります。

タール色素以外の合成着色料

あまり知られていませんが、タール色素以外にも合成着色料に分類されるものがあります:

  1. β?カロテン: パーム油やニンジンから得られる天然カロテンと、化学合成で得られるカロテンがあり、物質的には同じですが、日本では天然カロテンは既存添加物、合成カロテンは指定添加物とされています。
  2. 水溶性アナトー: 水に溶けないアナトー色素をアルカリ下で加水分解を行って水溶化したもので、この工程が化学処理にあたるとして合成着色料の範疇に含まれています。
  3. 銅クロロフィリン(銅クロロフィリンナトリウム): 植物に含まれるクロロフィルを元に作られますが、クロロフィルの構造に含まれるマグネシウムを銅に置き換える処理や、油溶性の銅クロロフィリンをアルカリ加水分解して水溶化する処理が化学処理にあたるとされています。

まとめ:食品の着色料について知っておくべきこと

人工着色料と合成着色料は同じものを指し、主に石油由来の原料から化学的に合成されたものです。一方で天然着色料は食品や生物から抽出された色素です。

合成着色料は鮮やかな発色や安定性に優れていますが、消費者の間では安全性への懸念もあります。しかし、日本で使用が認められている合成着色料は厳しい安全性評価と規制のもとで使用されており、定められた用法・容量を守れば安全に使用できるとされています。

最近では「合成着色料」「人工着色料」という文言を法律の文書から削除する方針が示されており、表示上での区別がなくなる動きもあります。これは食品添加物は国が安全性を確認したものであり、合成と天然を区別する必要はないという考えに基づいています。

食品選びの際には、着色料の種類を確認し、自分の健康や好みに合った選択をすることが大切です。過度に恐れる必要はありませんが、気になる方は表示をチェックして選択するとよいでしょう。

参考情報

カラーマーケット https://www.colormarket.jp/blog/1382/
株式会社鹿光生物科学研究所 https://www.rokkou-co.jp/wp/art-color/
日農食品販売 https://nichinokagaku.co.jp/color/715/

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