身の回りの製品に表示されているリサイクルマーク。「このマークはどういう意味だろう?」「どう分別すればいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?実はリサイクルマークには様々な種類があり、それぞれ重要な意味を持っています。この記事では、リサイクルマークの意味や種類、見分け方を詳しく解説します。適切な分別でリサイクルに貢献するための知識を身につけましょう。
リサイクルマークの基本と役割
リサイクルマークとは、分別方法をわかりやすく伝えたり、環境への負荷が少ない製品であることを知らせたりするために表示されているマークです。日常生活で目にする多くの製品や容器包装に付けられています。
リサイクルマークの主な目的は以下の3つです。
- 消費者が容易に分別排出できるようにする
- 市町村の分別収集を促進する
- リサイクル可能な素材であることを示す
リサイクルマークは、「リサイクル製品」や「エコ製品」に表記されています。リサイクル製品とはゴミを再利用して作られた製品、エコ製品とは環境への負荷が少ないと認められた製品を指します。
2001年4月に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)」により、特定の容器包装にはリサイクルマークの表示が義務づけられました。この法律は、事業者に製品の省資源化、長寿命化などによる廃棄物の発生抑制(Reduce)、回収した製品の部品などの再使用(Reuse)、原料としての再利用(Recycle)、いわゆる3Rを推進するためのものです。
リサイクルマークを確認して適切にリサイクルすることで、環境保護やエネルギーの節約に貢献できます。
法律で表示が義務づけられているリサイクルマーク
資源有効利用促進法により、いくつかのリサイクルマーク(識別表示)は法律で表示が義務づけられています。これらのマークは「識別表示」と呼ばれ、1991年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」により表示が義務化されました。主なマークを見ていきましょう。
飲料缶の識別マーク
飲料缶には、アルミ缶とスチール缶があり、それぞれ分別しやすいように異なるマークが表示されています。
- アルミ缶マーク:ビール、炭酸飲料などのアルミニウム製の缶に表示
- スチール缶マーク:缶コーヒー、緑茶飲料、果実飲料などのスチール製の缶に表示
アルミ缶はやわらかくて軽く、スチール缶は強度が高く熱に強いという特徴があります。こうした特性に合わせて用途が異なるため、リサイクル時の分別が重要です。
ペットボトルマーク
ペットボトルマークは、ペットボトルと、ペットボトル以外のプラスチック製容器を区別するためのマークです。飲料、酒類、特定調味料(しょうゆ、しょうゆ加工品、みりん風調味料、食酢・調味料、ノンオイルドレッシング)のPETボトルに表示が義務づけられています。
PETボトルマークが表示されている主な製品は、飲料、調味料、ドレッシングなどです。
プラスチック製容器包装マーク
プラスチック製容器包装マーク(プラマーク)は、ペットボトルを除いたプラスチック製容器につけられるマークです。飲料、酒類、特定調味料用PETボトル以外のプラスチック製容器包装に表示が義務づけられています。
プラマークが表示されている製品には以下のようなものがあります。
- ビニール袋
- 化粧品のパッケージ
- シャンプーなどの容器
- 卵パック、食品トレー、ヨーグルトの容器
- 緩衝材、発泡スチロール
紙製容器包装マーク
紙製容器包装マーク(紙マーク)は、紙製の容器や包装につけられているマークです。段ボール、アルミニウムを使用していない飲料用紙パックを除く紙製の容器包装に表示が義務づけられています。
紙マークが表示されている製品には、紙袋、包装紙、アルミ付き液体紙容器などがあります。
小形二次電池マーク
小形二次電池マークは、リサイクルが定められている小形二次電池(充電式電池)につけられるマークです。電話やノートパソコンなどに使われている以下のような電池が対象です。
- リチウムイオン電池
- ニカド電池
- ニッケル水素電池
- 小形制御弁式鉛蓄電池
塩化ビニル製建設資材マーク
塩化ビニル製建設資材マークは、塩化ビニル製建設資材と他のプラスチック製建設資材を区別するためのマークです。「塩化ビニル樹脂」(塩ビ)は、壁紙や電線被覆などさまざまな建設資材に使用されています。
自主的に表示されているリサイクルマーク
法律での義務付けはありませんが、団体や事業会社などが自主的に表示しているマークもあります。
段ボールマーク
段ボールマークは、段ボール製容器包装の識別表示です。法的な表示義務はありませんが、段ボール産業は国際段ボール協会が制定した「国際リサイクル・シンボル」を段ボールのリサイクルマークとして、リサイクル可能な全ての段ボールに表示することを決めています。
紙パックマーク
紙パックマーク(飲料用紙パックマーク)は、アルミニウムを使用していない紙パック製容器包装の識別表示です。こちらも法的義務はありませんが、関係業界団体が自主的に表示しています。
プラスチックリサイクルマークの数字の意味
プラスチックのリサイクルマークには、三角形の中心に数字が入っているものがあります。この数字はプラスチックの種類を表しています。
日本では、プラスチックのリサイクルマークは主に2種類に統一されています。
- PETマーク(番号1):ペットボトルが対象
- プラマーク:PET以外のプラスチック製容器が対象
数字付きのリサイクルマークは、米国プラスチック産業協会(the Society of the Plastics Industry)が定めたSPIコードに基づくもので、材質によって1~7までの数字が割り振られています。
- 1番:ポリエチレンテレフタレート(PET、ペットボトル)
- 2番:高密度ポリエチレン(食品容器、各種フィルムなど)
- 3番:ポリ塩化ビニル(パイプ、電線被覆など)
- 4番:低密度ポリエチレン(袋・ラップなどの包装材)
- 5番:ポリプロピレン(PP)
- 6番:ポリスチレン(PS)
- 7番:その他のプラスチック
日本では1990年代までは材質区分別に表示を推奨していましたが、複合樹脂の容器包装が増えたことから正確な区分が難しくなり、現在ではペットボトルの1番のみプラマークを使用し、他の数字入りのプラマークは使用していません。
リサイクルマークの表示ルール
リサイクルマークの表示には、位置やサイズなどの決まりがあります。
表示位置
リサイクルマークは消費者が見やすい位置に表示することが義務づけられています。ふたやパッケージの内側など、梱包すると外から見えにくい位置は適していません。一方、パッケージの底面や側面への表示は問題ありません。
サイズ
リサイクルマークのサイズも規定されています。プラマークと紙マークの場合:
- 印刷・ラベルの場合:一辺の長さ6mm以上
- 刻印・エンボスの場合:高さ8mm以上
複数容器包装の場合
1つの商品に複数の容器包装を使用している(多重容器包装)場合、原則として個々の容器包装に直接表示が必要ですが、ほぼ同時に捨てられる複数の容器包装の場合は、いずれかの容器包装に一括表示することも可能です。その場合、各構成部分の名称をリサイクルマークに併記します(例:「紙:ふた」)。
プラスチック製容器包装の材質表示
プラスチックの材質は多種多様なため、材質名も表示することが推奨されています。材質表示には、プラスチック製容器包装に使われているプラスチックの種類が記載されています。
主な樹脂記号には以下のようなものがあります:
- PE:ポリエチレン
- PS:ポリスチレン
- PP:ポリプロピレン
「ボトル:PE、キャップ:PP」のように、包装資材の部位と樹脂記号が識別マークと一緒に表示されていることがあります。2つ以上の樹脂が使用される場合は、最大重量の原材料記号に下線を付けて表示します。
材質表示は法的義務ではありませんが、識別マークと一緒に表示するよう推奨されています。
リサイクルの対象外となるプラスチック製品
プラスチック製品でも、全てがリサイクルの対象になるわけではありません。リサイクルマークの表示義務がある容器包装は、「商品が消費されたり、商品と分離された場合に不要になるもの」と定義されています。
以下のようなものは容器包装に該当せず、リサイクルマーク表示の対象外です:
- 日本人形のガラスケース
- CDケース
- 楽器やカメラのケース
これらは商品と分離されても不要にならないため、容器包装リサイクル法の対象外となります。
識別表示義務と再商品化義務の違い
識別表示義務と再商品化義務は別の法律に基づく異なる義務です。
- 識別表示義務:資源有効利用促進法に基づき識別表示義務者に課せられた義務
- 再商品化義務:容器包装リサイクル法に基づき特定事業者に課せられた義務
小規模事業者には識別表示義務はありますが、再商品化義務は免除されています。また、事業のために消費する商品(景品など)の容器包装には、原則としてどちらの義務も適用されません。
リサイクルマークの歴史と国際的背景
リサイクルマークの原型となるユニバーサルリサイクルシンボルは、1970年に開催された最初のアースデーに合わせて行われたコンテストで選ばれました。当時南カリフォルニア大学の23歳の大学生だったゲイリー・アンダーソンの作品が最優秀作に選ばれ、そのマークは今日ユニバーサルリサイクルシンボルとして知られています。
このシンボルはパブリックドメイン(著作権フリー)であり、誰でも自由に使用できます。世界各国で様々な変種が存在し、各国の法律や規制に基づいて使用されています。
リサイクルマークの重要性と私たちにできること
リサイクルマークの表示は、消費者の分別排出を容易にし、市町村の分別収集を促進するという重要な役割を担っています。
リサイクルマークを確認して適切に分別することで:
- 環境保護に貢献できる
- エネルギーの節約につながる
- リサイクルコストの低減と品質向上が図れる
日常生活の中で、製品や容器包装に表示されているリサイクルマークを確認し、お住まいの自治体のルールに従って正しく分別することが、持続可能な社会の実現に向けた第一歩です。
まとめ
リサイクルマークには様々な種類があり、それぞれが異なる意味を持っています。法律で表示が義務づけられたものから、業界団体が自主的に表示しているものまで様々です。
プラスチック製品においては、日本では主にPETマークとプラマークの2種類が使用されており、適切なリサイクルを促進する重要な役割を果たしています。
リサイクルマークの知識を深め、正しく分別することで、私たち一人ひとりが環境保全に貢献することができます。次回ゴミを捨てるとき、ぜひリサイクルマークを確認して、適切な分別を心がけてみましょう。
参考情報
- 岩渕グループ「よく目にするリサイクルマークとは?意味や表記の見方を解説!」https://iwafuchi-group.co.jp/news/520/
- Perplexity.ai「リサイクルマークの数字の意味や種類を解説」https://www.pla-mirai.net/column/recycle-mark.html
- 環境のミカタ「プラスチックのリサイクルマークの意味や表記の見方をご紹介」https://kankyounomikata.co.jp/corporate/business/service/column/plastic-recycle-mark/


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