あふれるプラスチックゴミ問題が深刻化する中、環境にやさしい生分解性プラスチックが注目されています。実は、家庭にある身近な材料でも生分解性プラスチックを作ることができるんです!今回は、おうちで簡単にチャレンジできる生分解性プラスチックの作り方をご紹介します。
カゼインプラスチックとは?
カゼインプラスチックは、牛乳に含まれるタンパク質「カゼイン」を使って作る生分解性プラスチックです。このプラスチックのすごいところは、土に埋めておくとボロボロになって微生物によって分解されることです。通常のプラスチックは石油から作られ、環境中でほとんど分解されないため、海の生き物が誤って食べてしまったり、環境を汚してしまう問題があります。カゼインプラスチックはそんな環境問題の解決策の一つとして期待されています。
カゼインプラスチックの特徴
カゼインプラスチックには以下のような特徴があります:
- 土の中に埋めると微生物によって分解される
- 硬さや手触りは通常のプラスチックに似ている
- 色付けも簡単にできる
- 身近な材料で簡単に作れる
- 最終的には水と二酸化炭素になる
牛乳からつくるカゼインプラスチックの作り方
必要な材料
- 牛乳 100ml
- レモン汁(大さじ2)または酢(15ml程度)
- 耐熱容器(マグカップなど)
- 温度計
- コーヒーフィルターまたはガーゼ
- キッチンペーパー
- シリコンカップやクッキー型(好きな形に成形するため)
- スプーンなどのかき混ぜ道具
手順
1. 牛乳を加熱する
計量カップで牛乳100mlを量り、耐熱容器に入れて約80℃まで加熱します。電子レンジや鍋で温めることができますが、沸騰させすぎないように注意しましょう。
2. レモン汁または酢を加える
温めた牛乳に、レモン汁(大さじ2)または酢を少しずつ加えながらかき混ぜます。すると、牛乳の中のカゼインというタンパク質が固まり始め、白いかたまりと透明な液体に分かれます。
3. かたまりを取り出す
別の容器にガーゼやコーヒーフィルターをセットし、2の液体を注いでカゼインのかたまりだけを取り出します。
4. 水洗いする
取り出したかたまりは、ガーゼに包んだまま水で軽く洗います。水を3$301C4回替えながら洗うとよいでしょう。
5. 水気を切る
ガーゼからかたまりを取り出し、キッチンペーパーで包むなどして水気をよく切ります。
6. 形を作る
水気を切ったかたまりを、シリコンカップやクッキー型に入れて好きな形に成形します。この時、ぽろぽろとくずれやすいので優しく扱いましょう。
7. 乾燥させる
形を整えたら、電子レンジで1分ずつ加熱していきます(500Wの場合)。様子を見ながら、固まるまで数回加熱します。通常は合計5$301C7分程度で固まりますが、厚みや量によって調整してください。または自然乾燥させることもできますが、そのばあいは1$301C2日かかります。
科学的な仕組み
牛乳の中には「カゼイン」というタンパク質が含まれており、これが水分の中でバラバラになって浮かんでいます。そこに酸性のレモン汁や酢を加えると、タンパク質同士が集まってねん土のようなかたまりになります。
このかたまりを乾燥させると、含まれている水分がぬけて、残されたカゼイン同士が強く結びついて「ポリマー(重合体)」となり、固いプラスチックができるのです。このプロセスは、牛乳中のカゼインが高分子化する現象です。
アレンジ方法
色付け
乾燥前のカゼインに食紅などの食用色素を混ぜると、カラフルなプラスチックを作ることができます。また、乾いた後に絵の具で色を塗ることもできます。
強度アップの工夫
カゼインプラスチックの弱点は脆さにありますが、イヌリンという食物繊維を適量添加することで強度が向上するという研究結果もあります。イヌリンはニンニク、ゴボウ、タマネギなどのキク科の野菜に含まれています。
実験アイデア
作ったカゼインプラスチックを使って、以下のような実験もできます:
- 異なる種類の牛乳(低脂肪乳、無脂肪乳など)での違いを調べる
- 豆乳でも同様にプラスチックが作れるか試す
- 土に埋めて分解速度を観察する(どのくらいの期間で分解されるか)
- 強度テスト(どのくらいの重さまで耐えられるか)
デンプン系生分解性プラスチックの作り方
カゼインプラスチックとは別に、デンプンを使った生分解性プラスチックも簡単に作ることができます。
必要な材料
- コーンスターチ(大さじ1)
- グリセリン(小さじ1)※薬局やネットで購入可能
- 酢(小さじ1)
- 水(大さじ4)
- 食品着色料(お好みで)
手順
- すべての材料を小さな鍋や耐熱容器で混ぜ合わせます
- 弱火または低温で加熱しながら、透明になるまでよくかき混ぜます
- 透明になったら火から下ろし、好きな型に入れて冷まします
- 完全に冷えたら型から外し、完全に乾燥させます(1$301C2日かかります)
生分解性プラスチックの種類と原料
生分解性プラスチックは大きく分けて以下の3種類があります:
- バイオマス由来:植物の糖(デンプン・セルロース)や油脂を原料とする
- 化石資源由来:石油・石炭や天然ガスを原料とする
- バイオ・化石混合系:バイオマス・化石資源の混合材を原料とする
製造方法は主に「発酵法」と「化学合成法」の2通りがあります。発酵法では植物由来の糖類・油脂から生成したエタノールで樹脂が作られます。一方、化学合成法は植物原料や化石資源の化学反応を利用する製法です。
まとめ
生分解性プラスチックは、環境問題の解決に貢献できる素晴らしい素材です。家庭にある身近な材料を使って簡単に作ることができるカゼインプラスチックは、子どもの自由研究にもぴったりです。また、このような実験を通じて、プラスチックゴミ問題や環境保護について考えるきっかけにもなります。
ぜひ、おうちで生分解性プラスチック作りにチャレンジしてみてください。使い終わったら土に埋めて、どのように分解されていくかを観察することも面白い発見になるでしょう!
参考サイト
川口市立科学館 http://www.kawaguchi.science.museum/
うちラボ https://uchilab.jp/
STEAM JAPAN https://steam-japan.com/


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