生分解性プラスチックの作り方:牛乳以外の材料を活用しよう

技術

地球環境問題が深刻化している現在、通常のプラスチックに代わる環境にやさしい素材として注目されているのが生分解性プラスチックです。中でも、家庭で簡単に作れるカゼインプラスチックは自由研究や環境学習にもぴったり。今回は、牛乳以外の材料を使った生分解性プラスチックの作り方をご紹介します。

豆乳を使った生分解性プラスチックの作り方

牛乳からカゼインプラスチックが作れることはよく知られていますが、実は豆乳を使っても同様のプラスチックを作ることができます。さらに研究によれば、豆乳の方が生成効率が良いという結果も出ています。

必要な材料

  • 無調整豆乳 150$301C200ml
  • お酢またはレモン汁 4ml程度(材料の量に対して約2:75の割合)
  • マグカップか耐熱容器
  • かき混ぜ棒(スプーンでも可)
  • コーヒーフィルターかガーゼ
  • キッチンペーパー
  • 電子レンジ(500W$301C700W)
  • 好きな形の型(クッキー型など)

作り方手順

  1. 豆乳を沸騰させる
    豆乳を耐熱容器に入れ、沸騰するまで熱します。電子レンジでも構いませんが、吹きこぼれに注意しましょう。
  2. 酸を加える
    沸騰した豆乳に、お酢やレモン汁を少しずつ加えていきます。白いかたまりが出来るまでゆっくりと混ぜ続けましょう。豆乳タンパク質は酸性になると固まる性質があります。
  3. かたまりを取り出す
    ガーゼやコーヒーフィルターで液体をこし、かたまり(豆乳タンパク質)だけを取り出します。
  4. 水洗いする
    取り出したかたまりを水でよく洗います。この作業を3$301C4回繰り返しましょう。これにより余分な酸や豆乳が取り除かれます。
  5. 水気を取る
    キッチンペーパーなどで包み、軽く押して水気を取ります。
  6. 成形する
    水気が取れたら、好きな形に成形します。クッキー型などを使うとキレイな形になります。
  7. 乾燥させる
    形が決まったら、電子レンジで乾燥させます。500Wで1分ずつ様子を見ながら加熱し、硬くなるまで繰り返します。通常5$301C7分程度で完成します。

豆乳から作ったプラスチックは、牛乳から作ったものと同じようにカチカチに固まります。土に埋めると1週間から1ヶ月程度で分解され、自然に還ります。

豆乳が効率的な理由

豆乳の方が牛乳よりも生分解性プラスチックの生成効率が良い理由は、タンパク質含有量の違いにあります。豆乳に含まれる植物性タンパク質は、牛乳のカゼイン(動物性タンパク質)と同様に酸性環境で固まる性質がありますが、豆乳の方がタンパク質含有量が多いため、より多くのプラスチックが生成できるのです。

大阪教育大学附属天王寺中学校の研究では、牛乳と豆乳の同量(150ml)から作った生分解性プラスチックの重量を比較したところ、無調整牛乳では11.83g、豆乳では11.92gのプラスチックが生成され、豆乳の方がわずかに多い結果となりました。

その他の生分解性プラスチックの種類と原料

工業的に作られる生分解性プラスチックにはさまざまな種類がありますが、原材料の由来によって大きく3つに分類できます。

1. バイオ素材由来

サトウキビやキャッサバ、トウモロコシなどの植物から抽出されるデンプンや糖を原料とする生分解性プラスチックです。主なものに以下があります:

  • ポリ乳酸(PLA):発酵させた植物性デンプンから得られるもので、最も期待される生分解性プラスチックの一つです。
  • ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート(PHBH):糖や脂質の微生物発酵によって生産されます。

2. 化石素材由来

石油や天然ガスなどの化石燃料を原材料としながらも、生分解される性質を持つプラスチックです:

  • ポリビニルアルコール(PVA)
  • ポリグリコール酸(PGA)
  • ポリブチレンサクシネート(PBS)
  • ポリブチレンアジペート/テレフタレート(PBAT)

3. 混合素材

化石燃料由来とバイオ素材由来、それぞれの弱点を補うために両者を掛け合わせて開発されたプラスチックです:

  • デンプンポリエステル
  • バイオPBS
  • PLA+PBATコンパウンド

生分解性プラスチックの特性と課題

生分解性プラスチックの最大の特徴は、微生物の働きによって「水」と「CO2」に分解され、自然に還る性質を持っていることです。これにより、海洋プラスチックごみ問題などの環境問題に対して効果を発揮すると期待されています。

しかし、以下のような課題も存在します:

  • コストが高い:通常の樹脂材料と比較すると材料コストが高く、例えばポリプロピレン(PP)が約300円/kgなのに対し、ポリ乳酸(PLA)は約1000円/kgと、かなりの価格差があります。
  • 品質保証が難しい:分解しやすい構造であるため、製品としての品質保証が難しく、基本的に使い捨てが前提となります。
  • 分解には条件が必要:実際の分解は温度・湿度・微生物の状態などの周辺状況に大きく左右されるため、自然界に流出した際、分解にどの程度の時間がかかるか見通せない部分があります。

自分で作った生分解性プラスチックの観察実験

家庭で作った生分解性プラスチックを使って、以下のような観察実験を行うことで、その特性をより深く理解することができます:

  1. 分解速度の観察:作ったプラスチックを土に埋め、1週間ごとに観察して分解の様子を記録する。
  2. 強度テスト:どのくらいの力をかければ壊れるか、水に浮くかなどを調べる。
  3. 熱に対する反応:お湯で煮たときの変化や、燃やしたときの様子を観察する。
  4. 材料による違い:牛乳と豆乳で作ったプラスチックの特性の違いを比較する。

まとめ

生分解性プラスチックは環境問題の解決策として期待されていますが、コストや安定性などの課題もあります。家庭で簡単に作れる豆乳プラスチックは、環境教育や自由研究の題材として最適です。

環境にやさしいライフスタイルを考えるきっかけとして、豆乳プラスチック作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。通常のプラスチックと生分解性プラスチックの違いを実感することで、プラスチックごみ問題についてより深く考えるきっかけになるでしょう。

参考サイト

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