家庭から出る生ごみを有効活用して環境にも優しい堆肥を作れる土中式コンポスト。正しく使えば生ごみの処理に困ることなく、家庭菜園やガーデニングに最適な有機肥料が手に入ります。この記事では、土中式コンポストの基本から使い方、メリットまで徹底解説します。
土中式コンポストとは?初心者でもわかる基本の仕組み
土中式コンポストとは、プラスチック製の容器で大きなバケツをひっくり返したような形状をした堆肥化容器です。地面に穴を掘り、容器の一部を土中に埋め込んで使用します。生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で分解し、栄養豊富な堆肥へと変える環境に優しいシステムです。
コンポストの仕組みは、土の中に住む分解者(ミミズ、蛆虫、ダニ、菌類、細菌類)が有機物を食べて分解するというシンプルなもの。容器の中に生ごみや有機物を入れると、これらの分解者が次々と分解してくれます。
堆肥化のメカニズム
土中式コンポストでは、微生物の働きにより有機物が分解されます。この過程で熱が発生し、その熱が堆肥化をさらに促進させる仕組みになっています。生ごみが分解されると細かい有機物の粒子ができあがり、これが栄養豊富な堆肥となります。
土は水分調整、臭いの吸着、発酵促進を助け、土中の微生物が生ごみを発酵・分解して堆肥化していきます。
土中式コンポストの設置方法
土中式コンポストの設置は特別な道具がなくても簡単にできます。以下の手順で進めましょう。
最適な設置場所の選び方
まず、日当たりと水はけ、風通しの良い場所を選ぶことが重要です。これは微生物の活動を促進し、堆肥化のプロセスをスムーズに進めるためです。
設置の手順
- 選んだ場所に深さ20〜30cmの穴を掘ります
- コンポスト容器を地中に5〜10cm程度埋め込みます
- 容器の周りはしっかりと土をかぶせて踏み固めます
- 容器の底に枯葉や枯草を敷いて床を作ります(微生物の活動基盤となります)
「容器の周りにしっかりと土をかぶせることで、虫の侵入や猫・ネズミ等のほじくり、風などによる転倒を防ぎます」と、豊明市の資料でも説明されています。
生ごみの投入と管理方法
土中式コンポストを上手に使いこなすポイントは、生ごみの入れ方と日々の管理にあります。
投入できる材料と避けるべき材料
【入れて良いもの】
- 野菜くず・残飯
- 卵の殻・茶がら
- コーヒーかす
- 枯葉・枯草
【入れてはいけないもの】
- 腐った生ごみ・タバコ
- 肉類・魚類・油もの
- タマネギの皮
日々の使い方
- 水分をよく切った生ごみをコンポストに入れます(水切りは臭い防止の重要ポイント)
- 生ごみを入れたら、スコップ一杯程の土をかぶせます
- これを繰り返しながら容器がいっぱいになるまで続けます
- 半月に1回程度、容器の中身をかき混ぜて空気を送り込みます
「生ごみ投入後、乾いた土で覆っておくと悪臭や虫発生の防止に効果があります」と環境資料でも強調されています。
発酵促進のコツとトラブル対策
より効果的に堆肥を作るためのコツやよくあるトラブルへの対策を紹介します。
発酵を促進するポイント
- 大きなものは細かくしてから入れる(5〜10cm程度に切ると良い)
- 水分の多いものは水気をよく切る(ギュッと絞るくらいが目安)
- 野菜くず等は新鮮なうちに入れる
- 米ぬかや発酵促進剤を入れると微生物の活動が活発になり、発酵が促進される
「水分が多いと腐敗して悪臭を発し、うまく発酵しなくなってしまいます」と注意点が記載されています。
虫や臭い対策
- 天気の良い日はフタを開けて通気を良くする(虫が入らないようネット等をかぶせる)
- 虫が発生した場合は熱湯や石灰で殺虫する(殺虫剤は使わない)
- 臭いが気になる場合は、材料に混ぜる土や上からかける土を増やす
- 水分調整をしっかり行い、悪臭の発生を防止する
実はプロの方々は「虫は生ごみを堆肥にするありがたいもの」と考えているため、過度に心配する必要はありません。
堆肥の収穫と活用法
堆肥が完成したら、どのように収穫し活用すればよいのでしょうか。
完成までの期間と判断方法
- 堆肥の完熟には、季節や投入したものにもよりますが、夏場で約1ヶ月、冬場で約2〜3ヶ月程度かかります
- 堆肥が完熟してくると投入物にかかわらず色が黒くなりカビ臭くなります
収穫の方法
- 容器がいっぱいになったら容器を引き上げます
- 上部の未発酵の生ごみは移し替えたコンポストに再投入します
- 発酵した生ごみは、庭などの土と混ぜて1か月ほどおくとより良い堆肥ができます
堆肥の活用方法
完成した堆肥は家庭菜園やガーデニングの肥料として最適です。以下のように活用できます:
- 畑や花壇の土に混ぜて土壌改良
- 鉢植えの植え替え時に土に混ぜる
- 野菜や花の追肥として活用
「熟成していない堆肥を使うとかえって植物の根を傷めるので、発酵が完了するまでは根が触れないようにすること」という注意点も忘れないようにしましょう。
土中式コンポストのメリットと継続のコツ
土中式コンポストを続けることで得られるメリットとその継続のコツを紹介します。
環境面でのメリット
- 廃棄物の削減:家庭から出る生ごみの約30%を占める有機廃棄物を削減できます
- 化学肥料の使用削減:自然な有機肥料で植物を育てられます
- CO2排出量の削減:生ごみの焼却処理を避けることでCO2排出量の削減に貢献します
- 自治体のコスト削減:焼却や埋め立てに伴う費用を削減できます
個人的なメリット
- 生ごみの臭いを減らせる:キッチンのごみ箱の臭い問題が解決します
- 家庭菜園の肥料ができる:健康で栄養価の高い有機肥料が手に入ります
- 環境教育のきっかけに:特に子供の自由研究や教育に役立ちます
「コンポストを使用して30年以上、4人暮らしですが生ごみを一度もごみとして出したことはありません」という長年の実践者の声もあります。
まとめ:明日からできる土中式コンポスト実践法
土中式コンポストは、初期設定が簡単で維持管理もしやすい、家庭での堆肥作りの優れた方法です。正しい設置と管理により、家庭の生ごみを有効活用し、環境への負荷を減らしながら質の高い有機肥料を得ることができます。
初めての方は、小さめのコンポストから始めると容器の引き上げなどが楽になるためおすすめです。まずは自宅の一角に設置して、生ごみの分別から始めてみましょう。
生ごみが黒い栄養豊富な堆肥へと変わる様子は、自然の循環の素晴らしさを実感させてくれます。環境にも家計にも優しい土中式コンポスト、ぜひ試してみてください。
参考サイト
土中式コンポストの使い方 – 豊明市
https://www.city.toyoake.lg.jp/4630.htm
コンポストとは?3つの種類と基本的な使い方 – DEN-ZEN
https://den-zen.net/blog/composter/what-compost/
コンポスト(土中式)容器の使い方 – 越前町
https://www.town.echizen.fukui.jp/kurashi/05/01/p000709_d/fil/tsukaikata_compost.pdf


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