電気や水を使わずに排泄物を処理できるコンポストトイレは、環境に優しい生活を目指す方にとって理想的な選択肢です。昨今では、災害時のバックアップとしてだけでなく、日常的に使える家庭用コンポストトイレが注目を集めています。この記事では、家庭用コンポストトイレの基本から選び方、おすすめ製品まで徹底解説します。
コンポストトイレとは?微生物の力で排泄物を処理する次世代トイレ
コンポストトイレは、おがくずや腐葉土などの微生物を含む「基材」の力を利用して排泄物を分解するトイレシステムです。従来の水洗トイレとは異なり、水を使わずに排泄物を堆肥化することができます。
主な特徴:
- 水や下水道設備が不要
- 工事なしで設置可能
- 環境負荷が少ない
- 最終的に堆肥として活用可能
基本的な仕組みは、排泄物を微生物の力で分解し、二酸化炭素と水に変える過程で、排泄物に含まれる窒素やリン、カリウムなどの栄養素を堆肥化するというものです。分解過程で温度が50℃を超えるため、大腸菌や寄生虫などの有害菌は死滅します。
家庭用コンポストトイレの種類とそれぞれの特徴
家庭用コンポストトイレには、大きく分けていくつかのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、自分の環境や用途に合ったものを選びましょう。
大小分離型と一体型
大小分離型:
- 便と尿を分けて処理
- 基材の水分過多を防ぎ、処理効率が高い
- 臭いが軽減される
- メンテナンス頻度が少ない
大小分離型は、トイレの基本構造として「大小セパレーター部分」があり、尿は専用タンクに集め、便のみを撹拌槽で処理します。女性には使いこなすまでに少し慣れが必要な場合もあります。
一体型:
- 便と尿を同時に処理
- 電熱線などで水分を蒸発させる機能を持つ
- 電気使用量が多い
- 使いやすいが電気代がかかる
電気使用型と非電気型
電気使用型(バイオトイレ):
- 電動で撹拌・乾燥させる
- 処理能力が高い
- 家庭用から公共施設まで幅広く対応
- 電気代がかかる(月2,000$301C3,000円程度)
非電気型:
- 電気を使わず手動で撹拌
- 少人数向け
- 災害時や電気のない場所でも使用可能
- メンテナンスの手間がやや多い
家庭用コンポストトイレのメリット・デメリット徹底比較
家庭用コンポストトイレには多くのメリットがありますが、デメリットも理解した上で検討することが大切です。
メリット
環境への貢献:
- 水資源の節約になる
- 下水処理の負荷を減らせる
- 排泄物を資源として活用できる
設置の手軽さ:
- 「工事が不要で、ただ置くだけで設置完了」できるものが多い
- 水道や下水道がない場所でも使用可能
- 「インフラが全く来てなくても、平らな床さえあればどんなところにも設置可能」
ランニングコスト:
- 水道料金がかからない
- 非電気型なら電気代もゼロ
- 長期的に見れば経済的
デメリット
初期費用:
- 製品によっては10万円以上する場合も
- DIYキットでも材料費がかかる
メンテナンス:
- 「尿が撹拌槽に入りトラブルが発生することもある」
- 「尿タンクに溜まった尿の処理が煩わしい」場合がある
- 「一人一日、およそ1リットルの尿」が溜まる
使用制限:
- 「あくまでご自宅用・個人使用向け」で「不特定多数向けのイベントとかには使えない」
- 「一日の使用回数」に制限がある場合がある
おすすめ家庭用コンポストトイレ製品5選
様々な家庭用コンポストトイレがありますが、特におすすめの製品を紹介します。
1. RELIFE(エコばかクリエイション)
特徴:
- 大小分離セパレーター搭載
- 置くだけで設置可能
- 完成品で10万円程度、DIYキットはさらに安価
- メンテナンス性を重視した構造
「RELIFEの商品開発で一番力を注いだのがこの大小分離便器のメンテナンス性」とされており、蓋、座る部分、中間板すべてが開く特殊構造になっています。
2. こまらんeトイレ(コンポス技研)
特徴:
- 非電気型の手動撹拌式
- サイズ別に20型$301C50W型まで展開
- 価格帯は13.5万円$301C19.5万円
- FRP製で丈夫で長持ち
「便座までの高さを46センチに低く抑え、座りやすさを重視」し、「奥行き65センチ、横幅45センチ」とコンパクトなサイズ感も魅力です。
3. Sun-Mar「エクセル」
特徴:
- 世界で最も多く使われているコンポストトイレ
- 処理能力は毎日2人分
- 臭気が少ない
- 価格は約28万円
「1971年に最初に発明されて以来、全世界で最も多く使われているコンポストトイレ」で、「歴史が長い製品は故障率も低い」とされています。
4. 自作コンポストトイレ(DIY)
特徴:
- 低コストで導入可能
- 自分の環境に合わせたカスタマイズが可能
- 材料費1万2千円程度から可能
- 腐葉土を使用すると水分吸収性が良い
「低予算1万2000円で作ったコンポストトイレを使ってみたら思いのほか快適」という体験談もあり、「腐葉土はかなり水分を浸透する」ため、大小分離がうまくいくことが報告されています。
5. 分離型携帯式コンポストトイレ
特徴:
- 持ち運びが容易
- アウトドアや非常時に便利
- 軽量でコンパクト
- 設置が簡単
「軽量でコンパクトな構造のため、設置が簡単で特別な工事や大がかりな設備も必要ありません」と、手軽に導入できる点が魅力です。
家庭用コンポストトイレの設置と使用方法
コンポストトイレを効果的に使うためには、正しい設置と使用方法が不可欠です。
設置のポイント
- 設置場所の選定
- 「通風が良く湿度が低い場所」が理想的
- 「日常的にアクセスしやすく使いやすい場所」であること
- 「生活空間から適度に離れた」場所が良い
- 必要な準備
- 排気設備(必要な場合)
- 尿タンク(大小分離型の場合)
- 基材(おがくず、腐葉土など)
- 設置のステップ
- 平らな場所に本体を置く
- 排気管を外に出す(必要な場合)
- 尿配管を設置(大小分離型)
- 基材を投入して準備完了
「こまらんeトイレ50W型の設置は、排気管、尿配管を外に出すため壁に穴を開けるだけ」というように、比較的簡単に設置できます。
日常的な使用方法
- 大便時
- 左手側のバーを引き上げて便器底の扉を開ける
- 用を足す
- 使用後はバーを戻して扉を閉める
- ハンドルで1$301C2回撹拌する
- 小便時
- 扉が閉まっていることを確認
- 用を足す
- 使用後は少量の水(50$301C100ml)で流す
「使用後は、コッポ1杯の水を便器にかけ排水口に流してください。尿の臭い成分が便器に付くと被膜に付着しなかなか取れなくなります」と注意点も記載されています。
家庭用コンポストトイレのメンテナンス方法
コンポストトイレを長く快適に使うためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
日常のメンテナンス
- 便器の洗浄
- 中性洗剤を使用(塩素系洗剤は使用禁止)
- 水で洗い流した後は柔らかい布で拭き取る
- 合成樹脂用保護剤を塗布すると良い
- 尿タンクの処理
- タンクがいっぱいになったら処理が必要
- 処理方法:
- 5$301C10倍に希釈して畑に撒く
- コンポスターに入れる
- 市町村のし尿回収に依頼
- 浄化槽で処理
定期的なメンテナンス
- 撹拌槽の基材交換
- 6ヶ月$301C1年に1回程度
- 「基材は未発酵分を含んでいる状態なので一旦土嚢袋などの通気性を確保できる袋や容器に入れ替える」
- 「雨の当たらない場所で1$301C3ヶ月ほど放置」して完全に堆肥化させる
- コンポスト状態のチェック
- 水分量が適切か定期的に確認
- 「温水洗浄便座を使用すると、少量の水は撹拌槽に入る」ため注意
- 「水分過多、ペースト状態になればコンポスト化できなくなる」
あると便利!コンポストトイレの使用に役立つアイテム
コンポストトイレをより快適に使うための便利アイテムを紹介します。
基材と添加物
- おがくず:「水分の吸収性がよく、消臭性、抗菌性もある」
- 腐葉土:水分吸収性が高く、臭いも抑える
- もみ殻:無料で手に入りやすい
- コンポスト促進剤:寒冷期に微生物の活性を高める
維持管理用品
- 保温マット:「気温が4,5度以下が続くようなら寒冷仕様として保温マットを撹拌槽の下に入れ加温」
- 排気ファン:臭いを外に出すためのシステム
- 消臭剤:天然由来のものを選ぶとよい
- ウォシュレット便座:「温水洗浄便座は機種も多く、価格帯も広い」
まとめ:あなたに合った家庭用コンポストトイレの選び方
家庭用コンポストトイレは環境にも優しく、災害時のバックアップとしても重宝する素晴らしいシステムです。あなたのライフスタイルや住環境に合ったものを選ぶことで、快適なエコライフを実現できます。
選ぶ際のポイント:
- 使用人数と頻度
- 設置スペース
- 予算
- メンテナンスの手間を許容できるか
- 電気の有無
「処理能力は基材12リットルで、一日の回数2回、連続使用回数、50回から60回程度」など、製品によって処理能力が異なるため、家族の人数や使用頻度に合わせて選ぶことが重要です。
電気や水がなくても使える環境に優しいコンポストトイレで、サステナブルな暮らしを始めてみませんか?
参考情報
ecobaka.com – コンポストトイレRELIFEのメンテナンスについて
https://ecobaka.com/relife-maintenance/
コンポス技研 – トイレの諸問題解決
https://www.comaran.com
環境トイレ研究所 – バイオトイレとコンポストトイレの違い
https://コンポストトイレ.com/toilet-composition/


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