「542万円のバッグ、原価は2万円」!エルメスもルイ・ヴィトンも中国産?「暴露系」TikTok動画が

米中の貿易摩擦が激化する中、中国発の「高級ブランド原価暴露動画」がSNSで大きな話題となっています。エルメスのバーキンバッグが原価20万円で販売価格は542万円という衝撃の情報が拡散され、アメリカを中心に大きな議論を巻き起こしています。これらの動画は単なる暴露なのか、それとも米中貿易戦争の新たな局面なのでしょうか?
原価と販売価格の大きな乖離の真実に迫ります。

爆発的に拡散する「原価暴露」動画の実態

TikTokやX(旧Twitter)などのSNS上で、エルメス、ナイキ、ルルレモンなど有名ブランド品の製造原価を公開する動画が爆発的に拡散しています。特に注目を集めているのは、超高級ブランド・エルメスのバッグ「バーキン」に関する暴露動画です。

2025年4月13日にXで公開された動画では、エルメスのバーキン・ケリーの原価が1395ドル(約20万円)であるのに対し、実際の販売価格は3万8000ドル(約542万円)に達するという内容が公開され、あっという間に780万回の再生数を記録しました。

動画の中では、中国の工場関係者が流暢な英語でバッグの製造に必要な革や副資材などの原価を一つずつ詳細に説明し、バーキンの価格の9割は「エルメスのロゴマーク代」だと主張しています。

このような暴露はエルメスだけではありません。別のTikTokインフルエンサーは「アメリカで100ドル(約1万4000円)以上で販売されているルルレモンのヨガレギンスは、中国の工場では実際には5〜6ドル(約710〜850円)で製造されている」と暴露しています。

さらに、ディオールのブックトートについても、裁判所の判決文によれば定価45万円のところ原価はわずか9200円(原価率2%)という情報も報じられています。

暴露動画の背景にある米中関税戦争との関連性

これらの動画が突如として拡散されるようになった背景には、米中の関税戦争の激化があるという見方が強まっています。トランプ大統領が中国に対して145%に達する高率関税を追加で課したことで貿易摩擦の緊張が高まる中で、これらの動画が登場したためです。
主に中国の工場で撮影されたこれらの動画は、世界第2位の経済大国である中国で、高級ブランド品などがどのように生産されているのかを暴露することを目的としていると、ブルームバーグ通信は報じています。

さらに中国外交部の報道官や駐米中国大使館も米国の関税政策を批判する内容をXに相次いで投稿しており、中国の官・民が協力して世論戦を展開しているという疑惑は拭い切れないとの分析もあります。

単なる暴露ではないマーケティング戦略の側面

これらの動画は単なる暴露にとどまらず、実際の購入を誘導するマーケティング手段としても活用されていることが明らかになっています。多くのアカウントがウェブサイトのアドレスや連絡先を一緒に公開し、「我々に直接連絡すれば、信じられない価格でこれらの製品が購入できる」と宣伝しているのです。

これは、中国のブランドOEM(委託生産)企業がTikTokを新たな流通経路として開拓しようとする戦略だとの見方も出ています。

ルルレモン側は、こうした動画に対して「中国本土で生産されている完成品は3%に過ぎない」として「正規品のレギンスはルルレモンの店舗か公式ウェブサイトでのみ購入できる」と釈明しています。

高級ブランド商品の価格設定の真実

「ぼったくりだ」という声もある一方で、高級ブランド商品の価格設定には原価以外にも多くの要素が含まれていることを指摘する声もあります。

あるブログでは「ブランドには、その地位を築くのにかかったコスト」「その地位と信頼を維持するのにかかるコスト」があり、マーケティング費・宣伝費はもちろん、品質管理費やデザイン料などが含まれていると説明しています。

また、ピカソのエピソードを例に挙げ、30秒で描いた絵に1万ドル(約110万円)を請求したことについて「違います。40年と30秒がかかっています」と答えたという話を引用し、ブランド価値の本質を説明しています。

中国における高級ブランドの位置づけ

中国市場では、高級ブランドの中でも明確な階層が形成されています。中国人インタビューによれば「高級品のグレードは非常に明確で、1番目がエルメス、2番目がシャネル、次がルイヴィトンとなる」とされています。

「買える経済力がある人は基本的にこの3つを選び、それ以外はそのブランドのスタイルが好きかどうかで選ぶことになる」という声もあり、ハンドバッグの分野ではエルメス、シャネル、ルイヴィトンが最もユーザーの粘着力が強いとされています。

中国人富裕層の中には「日本の中古品店」で高級ブランド品を入手しようとする動きもあり、日本の中古品売買店では「中国語案内可能」「アリペイ/WeChatペイ可能」といった訪日中国人を意識した看板も目立つようになっています。

高級ブランド業界に広がる暗雲

高級ブランド市場には別の課題も浮上しています。ルイ・ヴィトンを傘下に持つLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、中国の消費者が財布のひもを締め、同社のブランド群を見放すスピードに不意を突かれたようだと報じられています。

中国は過去20年間、高級ブランドの成長を支える巨大市場でしたが、不動産危機で中国人の家計から平均6万ドル(約900万円)相当の純資産が消えたとみられ、高級ハンドバッグや時計に何千ドルもつぎ込む気分にはなれない状況が生まれています。

消費者の価値観の変化と今後の展望

これらの原価暴露動画が短期間で急速に拡散したのは、アメリカの消費者の間でも高関税政策による価格上昇への懸念が高まっていることを示しているとの分析もあります。

一方で、消費者の価値観も変化しています。「高いものって、庶民にしてみたらなんの意味があるんだろう?」「何に振り回されていたんだろう?」という疑問を持つ声も上がっています。

中国では「ユニクロすらコスパが良くない」と言われ始め、「ねそべり族」や「仏系男子」など消費に消極的な若者も増えているといいます。

高級ブランドビジネスの今後

これらの暴露動画がブランドイメージに与える長期的な影響については未知数ですが、高級ブランド各社は透明性やサプライチェーンの倫理性について、より厳格な対応を求められるようになるでしょう。

消費者はブランド品購入の際に、その製品がどのような環境で作られているかを意識するようになり、企業の社会的責任がさらに重視される時代になっています。エシカルファッションやサステナビリティの観点から、単に高価な商品を提供するだけでなく、その製品が公正かつ倫理的に作られていることを証明することがブランド側に求められるようになるでしょう。

原価と販売価格の大きな乖離は今に始まったことではありませんが、SNSでの情報拡散が加速する現代において、より多くの消費者がその実態を知ることで、高級ブランドのビジネスモデルそのものが変革を迫られる可能性も出てきています。

注意

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