「試してみたけど、よくわからなくて使わなくなった」――ChatGPTが話題になった2023年ごろ、多くの方が一度はアカウントを作り、何かを入力してみたのではないでしょうか。しかし、期待していたような答えが返ってこなかったり、どこに何を入力すればいいのかがわからなかったりして、気づけばほとんど開かなくなってしまった……そんな経験をお持ちの方は、実はとても多いのです。
問題はAIの性能ではありません。むしろ、使い始めるための手がかりが、これまでの解説書には不足していたことが原因です。文字だらけの説明を読んでも、実際に画面を前にするとどこから手をつけていいかわからない、という状況は珍しくありません。管理職として毎日忙しい中で、試行錯誤に時間をかける余裕はなかなか持てないものです。
晋遊舎の『100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ407 ChatGPT・Gemini・Copilot』は、まさにそういった挫折経験のある方を念頭に置いて設計された一冊です。豊富なスクリーンショットと図解で、どこに何を入力すればよいかを画面単位で確認しながら進められる構成になっています。AIを「再び使い始める」ための、最も入りやすいガイドブックです。
なぜ「一度試してやめた人」が多いのか
ChatGPTのリリース以降、生成AIを試したことがある人は急増しました。ところが、定期的に活用し続けているビジネスパーソンは、思いのほか少数にとどまっています。「使ってみたけどよくわからなかった」という挫折体験が、その最大の原因です。
挫折のパターンは大きく二つに分かれます。一つは、何を入力すればいいかわからずに終わったケース。もう一つは、入力はしたものの、返ってきた答えが期待はずれで「これなら自分でやった方が早い」と感じたケースです。
前者は画面操作の問題、後者は問いかけ方の問題です。どちらも、正しいアプローチを一度丁寧に学べば解決できることです。しかしそれを教えてくれる本が、これまでは少なかった。テキスト中心の解説書は、実際の画面と照らし合わせながら読むには不便で、挫折前より難しく感じてしまうことさえありました。
「見ながら進める」設計が、再入門の壁を取り払う
本書が挫折層に対して絶大な効果を発揮する理由は、ムック本特有の視覚的なレイアウトにあります。豊富なスクリーンショットと図解が、「この画面でここをクリックして、ここにこれを入力する」という操作を一コマずつ追えるように設計されています。
たとえば英会話の練習をAIで行う場合、どの画面でどのように設定すればロールプレイが始まるのか、といった具体的な画面遷移が視覚的に示されています。「英語で話しかけてくるネイティブスピーカーとして振る舞って、私の英文の誤りは会話が終わった後でまとめて指摘してください」という指示の入力例まで確認できます。
文字だけの説明を読んで頭の中で組み立てる必要がなく、本の画面と自分の画面を見比べながらそのまま試せる。このアプローチは、AIを使いたいけれど何から始めればいいかわからない方にとって、大きな安心感を与えてくれます。
日常の中でAIを使い続けるための「きっかけ」が詰まっている
一度AIを使い始めても、習慣として定着しなければ意味がありません。本書が優れているのは、業務効率化だけでなく、日常生活の中でAIを使い続けるためのきっかけを豊富に提示している点です。
たとえば毎朝の通勤電車で、その日のニュースをAIに要約してもらうという使い方があります。「今日の主要なビジネスニュースを三つ、それぞれ二文以内で教えて」と入力するだけで、移動中に情報収集が完結します。会議の冒頭で話題にできるネタが毎朝手に入るようになると、AIを開く動機が自然に生まれます。
英会話の練習も同様です。中学生や高校生のいる家庭では、子どもの英語の課題をAIで一緒に確認するという使い方もあります。家族で「今日AIにこんなことを聞いてみた」と話題にできれば、家庭でのコミュニケーションのきっかけにもなります。AIを「仕事の道具」ではなく「生活の一部」として取り込んでいく視点が、本書には自然に組み込まれています。
三つのAIの「使い分け」を視覚的に把握する
ChatGPT・Gemini・Copilotという三つのAIは、それぞれ得意な分野が異なります。本書はその違いを比較しながら、どの場面でどのAIを選べばよいかを整理しています。
Copilotは、MicrosoftのWord・Excel・Outlookといったオフィスソフトと連携しているため、すでに業務で使っているツールの中でAIを呼び出せます。日報の文章を整えたい、長い受信メールを要約したい、という日常的な用途に向いています。GeminiはGoogleのサービスと連携しており、GmailやGoogleドキュメントの中で使うのが自然です。ChatGPTは汎用性が高く、複雑な文章生成や多段階の思考を要する用途に強みを持ちます。
どれか一つだけ使えればいい、という考え方ではなく、場面に応じて使い分けることで効率が上がります。本書はその選択基準を、図解と具体例を交えてわかりやすく整理しているため、それぞれの特徴を頭の中に入れやすくなっています。
AIを使える人と使えない人の差は、今後さらに広がる
2020年代後半に入り、AIを日常的に使いこなしている層と、そうでない層の間の生産性の差は、かつてないほど拡大しています。同じ時間内にこなせる仕事の量が違う、同じ情報から引き出せるアイデアの質が違う、という現実が少しずつ見えてきています。
AIへの再入門は、早ければ早いほど有利です。一度挫折した経験があったとしても、それは道具の性能が未熟だったか、入口の案内が不十分だったかのどちらかに過ぎません。道具の性能は当時とは比べ物にならないほど向上し、本書のような入口の案内も整ってきました。
部下に「AIをうまく使っている上司」として見られるためにも、まず自分が使い始めることが大切です。本書を手元に置いて、一つの機能から試してみてください。最初の一歩が踏み出せれば、あとは自然と使い方が広がっていきます。
今日から始めるための、最初の一画面
本書の最大の強みは、読み終えたその日から試せる具体性にあります。スクリーンショットを見ながら操作できるため、「読んで終わり」ではなく「読みながら使い始める」体験が生まれます。
AIを日常的に使うようになると、仕事の準備にかかる時間が変わります。プレゼン資料の構成案を出してもらう、会議前に想定質問を整理してもらう、長い報告書の要点を抽出してもらう――これらが数分でできるようになれば、管理職として本来やりたい仕事に使える時間が確実に増えます。今日の夜、本書を開いて最初のページのスクリーンショットと自分の画面を見比べることから、始めてみてください。

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